令和2年3月定例月議会 文教常任委員会「図書館東香里分室の存続に関する請願」についての質疑及び討論


令和2年3月定例月議会・文教常任委員会(令和2年3月10日)で行った請願第2号「図書館東香里分室の存続に関する請願」の質疑及び討論の記録を掲載します。

 

 ※これは正式な議事録ではございません。正式な議事録は、数ヵ月後に市役所や図書館、市議会のホームページで閲覧することができます。


文教常任委員会での理事者への質疑

【かじや 質問】

それでは、請願文書に書かれていることについてお聞きします。

請願文書の(4)についてです。

東香里分室の平成29年度の利用者が、10%強が増加したとの事です。この利用者増の要因にはどのようなものがあるのかお聞きします。

 

【中道中央図書館副館長 答弁】
香里ケ丘図書館は平成30年の3月から休館に入っており、東香里分室の利用状況として3月の利用が前年と比較すると増加しています。そのことも、東香里分室の利用が増加した要因の一つではないかと考えております。

 

【かじや 質問】

香里ケ丘図書館開館により、この利用状況はどのようになる予想なのかお聞きします。

 

【中道中央図書館副館長 答弁】

周辺3分室の利用状況につきましては、香里ケ丘図書館休館に伴って一定数利用が増加しておりますが、リニューアルオープン後は、香里ケ丘図書館の利用がこれまでより拡大し、周辺3分室の利用は相当数減少するものと考えております。

 

【かじや 質問】

次に、請願文書の(5)についてお聞きします。

分室維持費は、当初1000万円との説明だったのが、674万円という数字が提出されたとのことです。これらの数字の理由についてお聞きします。

 

【中道中央図書館副館長 答弁】

本市における図書館分室の運営につきましては、配置された職員を中心として行うことを基本としつつ、実際には、当該分室のみならず他の分室からの応援など、分室全体による柔軟な執行体制で運営しています。人件費の総額を分室数で割った値と諸経費とをあわせた1000万円を1分室の経費としてお示ししていたものです。

一方、674万円につきましては、当該分室に実際に配置している職員に係る人件費と諸経費と合わせたものとなっております。


文教常任委員会での討論

【かじや 討論】

本委員会における請願第2号の採決に当たり、反対の立場から討論を行います。

 

市立図書館分室については、昭和48年の市立枚方図書館の開館とあわせて5分室が開室され、昭和50年代には最大16分室が運営されるなど、自動車文庫とともに地域の図書館利用を掘り起こす点で大きな役割を果たしてきたと考えられます。

 

しかし、一方、本市では、この役割を引き継ぎ、さらに拡大していく形で市立図書館分館が各所に整備されており、現在では7分館が運営されています。

 

また、平成17年度には中央図書館が開館されており、これらの図書館が整備される際、利用圏域が重なる分室等の見直しもあわせて進められた結果、現在では10分室が運営されている状況です。

 

こうした状況の中、平成29年5月、教育委員会から、「枚方市立図書館分室等の見直しに関する基本的な考え方」が示されました。これは、施設状況、利用圏域、利用状況等について総合的に検討された結果、4分室について、閉室の方向性を示すものです。

 

中でも、東香里分室を含む3分室については、令和2年8月にリニューアルオープンされる香里ケ丘図書館と利用圏域が重なると考えられており、令和3年2月に閉室される予定であることが先日の文教委員協議会で示されました。

 

このリニューアル後の香里ケ丘図書館は、閲覧室の面積は以前の約2倍、開館時間は約1.5倍になり、駐車場や駐輪場も以前より拡大されるということです。

 

また、隣接する香里ケ丘中央公園みどりの広場と一体的に指定管理者による管理運営が行われ、近隣の商業施設や地域とも連携しながら、まちの魅力向上につながる南部地域の拠点として、以前より広範囲から利用される施設となることが想定されています。

 

このように南部地域において施設の充実が図られることは、当該地域にとっては喜ばしいことかと思いますが、一方で、他の地域における施設配置状況はどうなっているのかといった観点からの検討も必要です。今後は、既存施設ありきという前提ではなく、市域全体を見据えた全市的な図書館サービスの充実を図っていくことに重点が置かれなければなりません。

 

こうした点を踏まえ、現状を見ると、市立図書館では、インターネットによる図書の検索や予約が可能であり、最近では、自宅に本を届ける宅配サービスなども実施され、こうしたサービスは市内のどこでも利用することができます。

 

また、香里ケ丘図書館以外の図書館分館では、既に指定管理者制度が導入され、開館時間が延長されるなど、全市的に見て、図書館サービスの充実が図られていると考えられます。

 

さらに、地域に対しては、校区コミュニティ協議会や自治会等の地域団体と、市民説明会を含め8回の協議を重ねたということであり、その中で出された要望を踏まえ、東香里分室の閉室後も、自動車文庫の巡回により図書の貸し出しや予約図書の受け渡しといった図書館サービスが地域に提供されるなど、一定の代替措置が行われるということです。

 

なお、1分室当たりの経費については、どのように見るかという点はありますが、分室運営に一定の経費がかかることに変わりはなく、かといって、経費を抑えるため人員配置を極端に少なくすることは、市立図書館分室のあり方としてかえって問題が大きいと考えられます。

 

以上のことから、全市的な視点で見れば、香里ケ丘図書館のリニューアルに伴って東香里分室が閉室されることは一定やむを得ないと考えられるため、請願第2号については採択すべきでないと申し上げます。

 

ただし、東香里分室の周辺地域から香里ケ丘図書館への交通手段については課題もあることから、バス路線の開設を事業者へ働きかけるなど、今後も引き続きアクセス性の向上に向けて努力を続けるよう要望します。

 

また、閉室後における自動車文庫の停車場所や巡回頻度等についても、さらに地域と協議を重ねながら、適切に検討していただきたいと思います。そして、閉室後の東香里分室を地域の居場所として活用したいという要望があれば、こうした要望を市立図書館として確実に支援していただくよう最後に申し添え、討論といたします。