令和元年12月定例月議会 一般質問


令和元年12月定例月議会本会議(令和元年12月17日)で行った一般質問の記録を掲載します。

 

 

(Q1)職員提案制度について

(Q2)みどりのプラットホームとの連携について

(Q3)森林環境譲与税等を活用した木材利用の促進及び普及啓発について

(Q4)市ホームページに掲載している各種申請書等の様式について

(Q5)市立のデイサービスセンターの在り方について

(Q6)学校園施設開放事業の申請手続きについて

 

※これは正式な議事録ではございません。正式な議事録は、数か月後に市役所や図書館、市議会のホームページで閲覧することができます。

※質問・答弁の順序は、読みやすいように前後入れ替えて掲載をしています。



1.職員提案制度について

【かじや 質問】

まず「職員提案制度について」お聞きします。

職員が、日常業務に携わる中で気づいたことや柔軟な発想を提案し、市政運営に取り入れていくというプロセスは、業務の改善や人材育成の観点からも、非常に大切なことだと思います。

枚方市では、こうした取り組みとして、平成元年度から職員提案制度を導入していますが、まず、ここ数年の提案の状況について、お聞きします。

 

【田中総合政策部長 答弁】

職員提案制度についてお答えします。

平成元年度の制度開始以降、制度の活発な活用に向けて、提案募集期間を2~3週間程度から通年に、また提案の審査・表彰の回数を年1回から2回に変更するなど見直しを行うとともに、職員提案ニュースを発行し、実現に至った提案を紹介するなど、周知にも努めているところです。近年、提案を受け審査にかけた件数については、平成28年度が7件、平成29年度が14件、平成30年度が15件、令和元年度の上半期が15件という状況です。

 

【かじや 質問】

次に「職員提案制度について」2回目の質問をいたします。

提案件数は徐々に増えてはいるようですが、年間10数件というのは少ないように思います。件数が少ない要因について、どのように分析されているのか、見解をお聞きします。

また、これまでの提案内容を拝見しましたが、その多くが職場の業務改善的な提案でした。業務改善も大事なことですが、私としては、新規事業や財源確保策など市政の大きな課題解決につながる提案が、もっとあってもいいと感じました。この点について、市の見解をお聞きします。

 

【田中総合政策部長 答弁】

提案件数が少ないことにつきましては、様々要因があると考えますが、提案制度の周知不足や、日常業務により提案を行う時間的余裕がないことなどが想定され、結果として、限られた時間の中では、立案に比較的時間を要する新規事業や財源確保策などの提案は少なく、業務改善の要素の強い提案が多くなっているのではないかと考えております。

 

【かじや 質問】

新規事業や財源確保策など政策的な提案については、提案に至るまでの分析にかかる時間的余裕がないことを課題として認識されているようですので、ここを改善できれば、提案数の増加も期待できるのではないかと思います。

京都府で同じような取り組みとして「庁内ベンチャー」という事業を実施されていたとのことですが、これは、公務に位置づけ、職員が民間企業やNPO、大学等と連携・協働することを基本に、府政に関する課題について自主的に調査・研究を行うというもので、活動に係る経費についても予算の範囲内で支援される仕組みになっています。

枚方市でも、現在の職員提案制度から一歩踏み込んで、新規事業や財源確保策などの政策的なテーマについて、人材育成の観点からも、若い世代の職員から提案を引き出すような仕組みを取り入れてはどうかと思いますが、この点について、見解をお聞きします。

また、先の代表質問において、市長は既成の枠にとらわれない取り組みとして、「若手・中堅職員の現場での視点や発想を生かしたボトムアップによる提案を受ける仕組みづくりについて検討する」と答弁されましたが、この点について、具体的な考えがあるのか、お聞きします。

 

【田中総合政策部長 答弁】

職員提案制度は、職員の創意を奨励し、研究意欲を高め、職員の行政運営への積極的参加を促進することを目的とする制度であることを踏まえますと、議員のご指摘にもありましたように、人材育成の観点は不可欠なものであると考えております。

また、若い世代の職員が持つ発想や、ICTなど情報通信技術の進展に即応するアイデアは、新規事業の立案や懸案課題の解決の貴重な資源になる可能性を持つものであることから、その可能性を引き出し、市政に反映させていく仕組みの構築が必要と考えております。

こうした点につきましては、先般の総務委員協議会でお示ししました(仮称)行財政改革プラン2020 別冊(案)において課題設定しており、今後、若手・中堅職員のプロジェクトチームの中で、検討を行い、制度の見直しを進めていくこととしております。

 

【かじや 意見】

AIやブロックチェーン、5Gなど、情報通信技術が加速度的に進展する中、新技術を活用した課題解決策や新規事業、新たな財源確保策などは、若い世代の職員の尖った発想から生まれてくるものだと思います。

労働力人口の減少によるスマート自治体への転換が求められている中において、これからの時代、若い職員の発想を市政の課題解決に活かしていく仕組みづくりが欠かせません。今後、先進的な取り組みをしている自治体や民間事業者の事例も参考にしながら、現在の職員提案制度の枠に捉われない制度の構築をお願いします。

また、今回、「既成の枠にとらわれない」という視点から、若手・中堅職員のプロジェクトチームでの検討という発想につながったと思います。次期行革プランでは、施設の一元管理に係る検討についても、このプロジェクトチームで行っていくとされていますが、ぜひ、この他にも様々な行政課題等をテーマに、プロジェクトチームにおいて活発な検討を行っていただきますよう要望します。


2.みどりのプラットホームとの連携について

【かじや 質問】

次に「みどりのプラットホームとの連携について」お聞きします。

「みどりのプラットホーム」については、平成29年度より3ヵ年の事業として、組織の設置・運営事業に着手され、来年度からは自立運営可能な組織として立ち上がるとのことです。

11月に枚方市駅前の歩道橋で行われていた緑化のイベントを拝見させてもらいましたが、「みどりのプラットホーム」が主体となり、楽しみながら緑化空間の創出や、市民がみどりに触れ合うきっかけ作りに取り組まれていました。

そこで、緑化推進事業において、「みどりのプラットホーム」及び行政が果たすそれぞれの役割について、市の見解をお聞きします。

 

【山下土木部長 答弁】

みどりのプラットホームについてお答えします。

現在、本市では、「みどりの基本計画」で掲げている目標の「普段の生活の中でみどりと触れ合えると感じている市民の割合」の増加を目指し、さまざまな事業に鋭意取り組んでいるところです。

目標達成のためには、1つ目として目に見える「みどり」を増加させる、2つ目として「みどり」に触れあえる機会を創出する、という大きく2つの取り組みがあります。

みどりのプラットホームでは、それらの実現のため、「みどり」でつながるまちづくりの推進や、緑化に関するイベントの開催、新たな公園の利活用についての提案及びきっかけ作りのほか、みどりに関わる多様な主体をつなぎコーディネートを行うなどの取り組みを進めていただくものです。

一方、行政としては、年々増加している公共施設のみどりや公園・緑地の施設について適正な管理を担うとともに、緑化活動に取り組む人材育成などを推進していくことで、市民が良好なみどりと触れ合える環境づくりを行ってまいります。

 

【かじや 質問】

次に「みどりのプラットホームとの連携について」2回目の質問をいたします。

緑化推進事業におけるそれぞれの役割については、一定理解しました。

昨年度、「みどりのプラットホーム」のメンバー募集を行ってから、1年半が経過する中、組織の自立化に向け、課題となるべく事項も浮かび上がっていると思われます。

そこで、「みどりのプラットホーム」が、現状抱えている課題について、お聞きします。

 

【山下土木部長 答弁】

現時点でみどりのプラットホームが抱える課題といたしましては、継続的、発展的に活動を進めるための知名度の向上のほか、連携する事業者や市民団体を増やすことなどが考えられます。

これらにつきましては、みどりのプラットホームの自立時期に合わせて効果的な周知方法を検討するとともに、意見交換やイベントを通じて関わった事業者や市民団体等とみどりのプラットホームが円滑な連携を図れるよう、市として支援してまいりたいと考えています。

 

【かじや 質問】

「みどりのプラットホーム」は、来年度より自立運営となりますが、市として今後どのような関わり方をしていくのか、お聞きします。

 

【山下土木部長 答弁】

みどりのプラットホームは令和2年度より自立した組織として活動しますので、運営に際し直接的な支援などを継続して行うものではありません。

しかしながら、本市の「みどり」に関する目標達成に向け、まちなか緑化の推進や公園・緑地の利活用の促進を図っていくうえで、市民自らが担うみどりのプラットホームの活動がスムーズに進むよう、必要な内部調整やみどりに関する情報共有を行うなど、連携して緑化推進を図ってまいりたいと考えています。

 

【かじや 意見】

「みどりのプラットホーム」は、来年度より市の委託が完了することから、直接的な支援を行わないことは理解しますが、市が必要性を認識して立ち上げた市民コミュニティですので、今後も引き続き、継続的、発展的に市民が実施する主体的な活動に対して、一定の支援は必要であると思われます。

例えば、市と協働で緑化に関するイベントを開催するなど、「みどりのプラットホーム」のPRなどにも積極的に関わっていただくとともに、行政と民間の役割分担を明確にしながら、互いに連携して効率的に本市の緑化推進を進めていただくよう要望いたします。


3.森林環境譲与税等を活用した木材利用の促進及び普及啓発について

【かじや 質問】

次に「森林環境譲与税等を活用した木材利用の促進及び普及啓発について」お聞きします。

近年、局地的な集中豪雨により、市街地における被害を拡大させる流木被害が発生する中、森林の保全対策や温室効果ガス排出削減目標の達成等に対応するため、国において森林環境税が創設され、税収の全額が地方自治体に譲与されることになったと聞いています。

そこで、この森林環境税と森林環境譲与税の概要について、お聞きします。

 

【松宮産業文化部長 答弁】

森林環境譲与税等を活用した木材利用の促進及び普及、啓発について、お答えします。

森林環境税につきましては、国民一人一人が良好な森林環境を支え、次世代に豊かな森林を引き継いでいくための仕組みとして創設されたもので、国税として年額1,000円を個人住民税と合わせて、令和6年度から課税されるものです。

次に、森林環境譲与税につきましては、当該税収入額の全額を地方自治体に譲与するもので、森林現場における諸課題に早期に対応する観点から、今年度より一部前倒しで各自治体に譲与されており、本格的な譲与開始は課税年度を予定されています。

なお、各自治体への譲与に際しては、森林の面積、林業就業者数、そして自治体人口の三基準をふまえ、国において譲与される金額を定めることとなっております。

また、国において想定している譲与税の使途は、間伐等の森林整備、人材育成や担い手の確保、木材利用の促進や普及啓発となっております。

 

【かじや 質問】

次に「森林環境譲与税等を活用した木材利用の促進及び普及啓発について」2回目の質問をいたします。

森林環境譲与税についてですが、本市への交付額は、本年度を含め、今後どのように推移していくのか、お聞きします。

 

【松宮産業文化部長 答弁】

交付額についてですが、各自治体に対し、国から年2回に分けて交付されることになり、本市には、9月30日付けで768万3千円が交付され、来年3月にも同額の交付が予定されております。

交付額の今後の推移については、現在の基準で試算しますと本年度から令和3年度まで、毎年約1500万円、令和4年度から6年度まで毎年約2000万円、令和7年度から10年度まで毎年約3200万円、令和11年度から14年度まで毎年約4000万円、令和15年度以降は、毎年約5100万円が交付される予定です。

 

【かじや 質問】

本市においても、今後、森林環境譲与税を、新たな財源として、森林整備やその人材育成、木材利用の促進などに活用できることになります。

例えば、木材利用促進の一環として、小・中学校の児童・生徒が使用している机と椅子を、木製にするという取り組みを行っている自治体があるとのことです。

そこで、教育委員会にお聞きしますが、小・中学校の児童・生徒が使用している机と椅子の維持管理の現状はどのようになっているのか。また、机と椅子の新規購入等に年間どの程度の経費を支出しておられるのか、お聞きします。

 

【森澤教育次長兼総合教育部長 答弁】

小・中学校におきましては、児童生徒数や保有教室数等を勘案のうえ、予備の台数を含めた必要台数を把握し、適正に机・椅子の維持管理を行っています。また、児童生徒の増加により机・椅子が不足する場合あるいは老朽化や破損した場合に机・椅子の新規購入や買い替えを行っております。

直近3か年の机・椅子の購入実績でございますが、平成29年度は、小・中学校併せて机が2,811台、椅子が2,972脚、合計で1801万7,166円、平成30年度は、机が1,038台、椅子が982脚、合計で629万2,515円、令和元年度は、机が1,373台、椅子が1,457脚、合計で901万1,310円となっております。

なお、購入にあたりましては、各学校からの購入必要台数を踏まえ、教育委員会が一括して購入を行っています。

 

【かじや 質問】

それでは、小・中学校の児童・生徒が使用する机と椅子を木製品にする場合、森林環境譲与税の財源を、その購入費に充当することはできるのか、また、本市として、今後、譲与税の使途についてどのように考えているのか、お聞きします。

 

【松宮産業文化部長 答弁】

国が想定している使途によると、木製品の机・椅子の購入費に充当することは可能であると考えております。

現在、本市の森林を取り巻く状況につきましては、東部地域において竹林整備等が課題となっています。里山保全活動にも取り組んでいるところですが、今後、森林環境税の趣旨・目的に即した効果的な使途について、基金の創設を含め、庁内関係部署による検討を進めてまいります。

 

【かじや 意見】

森林環境譲与税の算定基準の一つには「自治体人口」が含まれており、3割の配分割合となっています。これは、森林があまりない都市部の自治体においても、森林・林業への理解促進につながる木材利用や普及啓発などに取り組むことを期待しての制度設計ではないかと考えられます。

森林環境譲与税については、様々な使途が考えられる中、人口割で算定される金額に関しては、主に木材利用や普及啓発目的に充当するということも、ひとつの考えではないでしょうか。

木には、気持ちを落ち着かせリラックスさせる効果や、湿度調整機能など、様々な効果があるとされています。学校に木製の机や椅子を導入することは、安心、安全な学習環境の創出にもつながり、森林環境譲与税の趣旨・目的に即した効果的な活用方法であると考えますので、できるところからでも、導入を検討していただくよう要望します。

また、本市のように、森林地域が少ない自治体においては、林業を促進することや、森林整備を支える取り組みなど、森林環境譲与税の効果的な活用方法のひとつとして考えられますので、検討していただくよう要望します。


4.市ホームページに掲載している各種申請書等の様式について

【かじや 質問】

次に、「市ホームページに掲載している各種申請書等の様式について」お聞きします。

市のホームページには、許認可関係をはじめとする多くの申請書類のデータがアップされており、ダウンロードして使用できるようになっています。

しかし、これらを拝見しますと、ワードやエクセル、PDFなどファイルの種類はさまざまで、実際に使ってみると、使い勝手が悪いものも多々あり、利用者の利便性を考慮してファイル形式を選択しているとは思えず、統一感に欠ける印象があります。

そこで、まずホームページに掲載されている申請書類の総数と、ファイル形式別の件数について、お聞きします。

 

【乾口市長公室長 答弁】

次に、市ホームページに掲載している各種申請書等の様式についてお答えします。

各部署が市のホームページにアップしている申請書の総数は2904件で、ファイルの種類はワードがもっとも多く1633件、続いてPDF705件、エクセル566件となっております。

 

【かじや 質問】

次に「市ホームページに掲載している各種申請書等の様式について」2回目の質問をいたします。

申請書につきましては2900件を超える数で、ファイルの種類も複数あることが分かりました。書式の用途によって、適したファイル形式は異なると思いますが、各部署においてどういう基準、根拠で、アップするファイル形式を選択しているのか、お聞きします。

 

【乾口市長公室長 答弁】

申請書は各部署が個別にアップしており、その数も、ひとケタの部署から800を超える部署まであります。ファイル形式を選ぶ根拠につきましては、様式が改変されないようPDFのみを上げているケースや、国や府の指定様式を提供されたファイル形式をそのまま使用しているケースによるものなどがございます。

 

【かじや 質問】

各部署が個別にアップしている状況とのことですが、それでは職員個々のスキルや認識の違いなどもあり、書式の選択に統一感を持たせることは難しいと思います。

例えば、紙に印刷して手書きすることを想定すれば、PDFでも問題ありませんが、データで直接入力するのを想定すれば、ワードやエクセルが便利です。また、何度も提出する書類であれば、一度入力して保存しておけるファイルにすれば次回以降も再利用できるので、手間が省けて便利になります。

この他にも、記入する文書によってはワードの方が入力しやすいのに、エクセルになっているため入力しにくいものがあるなど、利用者の利便性という視点に立てば改善の余地はまだ多いと感じています。

一方で、データを入力しやすいように工夫して作成されている書式もあることから、全庁的なガイドラインを策定し、書類の用途に応じたより適切なファイル形式の基準や、入力しやすい書式の作成方法などを示す必要があると考えますが、見解をお聞きします。

 

【乾口市長公室長 答弁】

申請書の改善につきましては、議員お示しの通り改善を要する書類も見られることから、各部署の状況も踏まえながら検討を進めるとともに、使う人の視点に立った利用しやすいファイル形式での掲載を促すなど、より使いやすいホームページを目指してまいります。

 

【かじや 意見】

ホームページの使いやすさ、親しみやすさは、見る人にとって自治体サービスの印象を大きく左右するものと考えます。

常に利用者の目線、市民目線に立ち、ホームページに掲載する申請書のデータにつきましても、ガイドラインの策定など、全庁的な改善に向け、積極的に取り組んでいただくよう、要望します。

また、トップページから必要な申請書のファイルに、なかなかたどり着けないとの意見もお聞きしていますので、申請書ファイルをまとめたページを作成し、トップページにバナーを設置するなど、ファイルを見つけやすくするような工夫にも努めていただくよう、要望します。


5.市立のデイサービスセンターのあり方について

【かじや 質問】

次に「市立のデイサービスセンターのあり方について」お聞きします。

通所介護、いわゆるデイサービスは、在宅介護を支える重要なサービスの一つですが、市内においても、毎日のように送迎車両を見かけるほど、多くの事業所でサービスが提供されているのではないかと感じています。

利用者が様々なニーズに合わせて、自由に事業所を選択できる状況の中で、本市では、市立のデイサービスセンターを3か所設置しています。介護保険制度が始まって約20年が経過し、介護事業を取り巻く環境が変化する中、市立のデイサービスセンターのあり方についても見直しを図っていく時期にきているのではないでしょうか。

そこで、まず、市内のデイサービスの事業所について、介護保険制度が開始された当時と現在の設置状況、また最近5年間の事業所数の推移、その要因について、お聞きします。

 

【横尾長寿社会部長 答弁】

市内のデイサービス事業所数は、介護保険制度が開始された平成12年度は12事業所ありましたが、平成31年4月1日現在では、定員18人以下の小規模な地域密着型通所介護を含めて147事業所が設置されています。

次に最近の5年間の事業所数の推移につきましては、60件の新規事業所が設置される一方で、31件の事業所が廃止となっています。デイサービスセンターの増加要因は、総量規制の影響を受けずに設置できる点や、高齢者人口の増加により、介護サービスの中でも比較的安定的な収益が見込めることなどが主な要因として考えられます。

 

【かじや 質問】

次に「市立のデイサービスセンターのあり方について」2回目の質問をいたします。

この20年でデイサービスの事業所が大きく増えているのが、わかりました。

それでは、市内全体で147あるデイサービス事業所のうち、3か所ある市立のデイサービスセンターは、どのような背景・目的で設置に至ったのか、お聞きします。

 

【横尾長寿社会部長 答弁】

サンポエムひらかたにある市立デイサービスセンターを平成5年5月に設置しておりますが、平成6年度当時の事業所数は当センターを含めて6事業所しかありませんでした。高齢者人口の増加を踏まえ、その後、平成9年には市立くずは北デイサービスセンター、平成10年には総合福祉会館デイサービスセンターといずれも介護保険制度が始まった平成12年度以前に設置しており、拠点となる施設を市が設置することで、介護施策の充実を図ってきたものです。

 

【かじや 質問】

設置当時の背景・目的は理解しました。

聞くところによると、大阪府内では、地域の需給状況や、施設の稼働状況、施設の老朽化などの理由により、近年、市立のデイサービスセンターの民営化や廃止が進み、設置している自治体が減少しているとのことです。

本市においても、くずは北デイサービスセンターの民営化について、行政改革実施プランに掲げられて検討されていたようですが、実現には至っていません。また、先日拝見しました次期プラン案では、民営化の項目が削除されているようです。実現に至らず削除された理由について、お聞きいたします。

 

【横尾長寿社会部長 答弁】

くずは北デイサービスセンターにつきましては、この間、民営化による効果を検証してまいりましたが、他のセンターと同様に利用料金制を採用していることから、市が負担しているのは一定額以上の施設設備等の保全費用のみであり、費用面における効果が高いとは言い難い状況であると考えています。また、当地域で一定の事業規模を有し、中重度の要介護者を多く受け入れ可能な設備を有する事業所は少なく、1日平均24人を超える利用者がいることから、本施設が当地域で果たす役割は大きいと考え、平成30年度から令和4年度までの5年間を指定期間として、指定管理者による運営を継続することとしたものです。

 

【かじや 質問】

市が負担しているのは一定額以上の施設設備等の保全費用のみとのことですが、市立のデイサービスセンターについて、現在、市が負担している費用の内容について、お聞きします。

 

【横尾長寿社会部長 答弁】

3施設の費用負担の内容ですが、市立デイサービスセンターは、市立特別養護老人ホームや大阪府のシルバーハウジングと併設しており、府から土地を無償貸借し、府市合築による建物です。平成30年度に発生した費用は、ナースコール設備改修工事のための設計費用で、369,774円となっております。次に、くずは北デイサービスセンターは、土地・建物とも市所有で、空調設備更新工事費用として23,490,000円、総合福祉会館デイサービスセンターは、同じく土地・建物とも市所有で、ストレッチャー浴槽の更新費用として6,804,000円が、それぞれ平成30年度における市負担額となっています。

 

【かじや 質問】

3施設とも利用料金制により指定管理料の負担はありませんが、施設ができて20年以上が経過し、老朽化により設備の更新費用などに、それなりの費用負担が発生していることがわかりました。

報道によると、介護サービス事業者の倒産が年々増加しているとのことで、その要因として、新規参入が相次ぎ、同業他社との競争が激化していること、職員の人手不足により人件費上昇が経営を圧迫していることなどが挙げられています。

このように民間事業者間の競争が激しい状況の中、なぜ市がデイサービス事業を続けていかなければならないのか、行政の役割を再確認する中で、見直しを検討していく必要があると考えます。

民営化だけでなく、施設の廃止も含めて、時代のニーズにあった新たな活用方法を検討するなど、行政改革の視点からの取り組みも必要かと考えますが、見解をお聞きします。

 

【田中総合政策部長 答弁】

行財政改革におきましては、この間、行政としての果たすべき役割と責任を明確にしながら、民間活力により推進すべき事業については徹底して民に委ねていく、との考えのもと、取り組みを進めているところです。

こうした観点から、デイサービスセンターにつきましても、この間、その在り方を含めて、行革課題として設定し、検証、検討をしてきたところですが、その結果として、現時点では、民営化等は難しいとの判断に至っております。

しかしながら、今後におきましても、引き続き、課題整理をしつつ、可能なものについては、改めて行革課題として設定するなど、不断の検証、見直しを図っていく必要があると考えております。

 

【かじや 質問】

20年間で事業所数が10倍以上に増える中、市立のデイサービスセンターは、設置した当初の役割を終えたのではないかと思いますが、改めて、今後のあり方について、見解をお聞きします。

 

【横尾長寿社会部長 答弁】

3施設ともに、土地、建物の所有や施設形態がそれぞれ異なることから、利用者のニーズや周辺地域でのサービス充足の状況等を踏まえ、今後のあり方について検討する必要があると認識しています。

 

【かじや 意見】

市立のデイサービスセンターを運営する指定管理者は、土地、建物、設備等に係る経費の負担が少なく、他の民間事業者に比べ、経営的にも有利な状況にあるとも言えます。

民間事業者の競争が激化している分野で、市があえてデイサービス事業を実施することは、民業圧迫であり、「民間にできることは民間に」という方針に、逆行するものです。

また、今後、施設がさらに老朽化していく中、設備の更新費用などの課題も残ります。

行政の果たすべき役割と責任をしっかりと認識するとともに、限られたリソースを有効活用する観点からも、事業の廃止や新たな事業への転用も含めて、市立のデイサービスセンターの今後のあり方について検討していただくよう、要望します。


6.学校園施設開放事業の申請手続きについて

【かじや 質問】

最後に「学校園施設開放事業の申請手続きについて」お聞きします。

教育委員会では、市立学校の特別教室や体育館、運動場などの学校施設の開放を行っていますが、その使用に当たり、どのような申請手続きが必要なのか、手続きの方法やその窓口、決裁の流れ、許可権者についてお聞きします。

 

【森澤教育次長兼総合教育部長 答弁】

次に、学校園施設開放事業の申請手続きについてお答えします。

市立学校園の施設開放事業の申請手続きにつきましては、「枚方市教育委員会所管に係る財産及び公の施設使用規則」及び「枚方市立小学校及び中学校の体育施設お開放に関する規則」に基づき、使用申込書を学校長または学校体育施設開放運営委員会を窓口として教育委員会へ提出いただき、教育委員会の権限において使用許可を行っているものです。

 

【かじや 質問】

次に「学校園施設開放事業の申請手続きについて」2回目の質問をします。

規則で定められた使用申込書を、学校長等を通じて教育委員会に提出し、教育委員会の権限で使用許可を行っているとの答弁ですが、ある学校では、使用の許可を申請する際、規則で定める申請書の提出に加え、「事業計画申請書」という独自の書類の提出を求められたと、市民の方から相談を受けました。

そこでこの「事業計画申請書」という書類の取り扱いについて、何点かお聞きします。

まず、この書類は何のための書類なのか、何を根拠に提出を求めているのか、また、使用申込書が学校から教育委員会に回付される際、この書類が添付されているのか、さらに、他の学校で使用許可を受ける際にも、このような独自の書類が存在するのかについて、お聞きします。

 

【森澤教育次長兼総合教育部長 答弁】

次に、学校園施設開放事業の申請手続きについてお答えします。

議員お示しの書類は規則に提出を定めるものではなく、許可申請手続きには必要ありません。従いまして、学校は提出のあった当該書類を任意に受け取っていると聞いておりますが、申請に必要な書類ではなく、学校から教育委員会に回付される申請書には、添付されておりません。なお、他の学校にはこのような独自の書類はございません。

 

【かじや 質問】

規則の規定上、この「事業計画申請書」という書類の提出について、明文の規定がない中で、この学校において、学校長が任意にこの書類の提出を受け付けている理由について、教育委員会はどのように認識しているのか、お聞きします。

 

【森澤教育次長兼総合教育部長 答弁】

議員お示しの事業計画書については、申請者の方が特別教室等を使用する際に、校区コミュニティ協議会へ当該事業内容を説明する書類であり、申請には必要ない書類ですが、併せて提出されるため、返却までは行っていないと学校に確認しております。

 

【かじや 質問】

申請には必要のない任意の書類ということですが、この「事業計画申請書」を見ると、申請者に対し、校区コミュニティ協議会会長が押印し許可を与える形式の書類となっており、書類には「学校施設を利用されるときには、本書の写しを添えて学校に提出してください」「開催日時等が重なるときには、本会において調整します」「申請される事業の内容や運営等について、執行役員会に出席を求め、説明をお願いすることもあります」との記載があることから、これまで地域の方々から「学校施設を借りるのに、なぜ校区コミュニティ協議会の許可が必要なのか」「校区コミュニティ協議会に学校の使用を断られた」とのご相談を何件もいただいています。

提出は任意とは言いながら、確かにこれらの記述を見れば、使用許可を受けるに際して、校区コミュニティ協議会の許可を受けて学校に提出する必要があるとの誤解が生じても、おかしくはありません。

そこで、住民の皆さんの誤解を解くためにも、改めてお聞きしますが、使用許可を受ける際に、使用申込書にこの書類を添付する必要はないのか、また、申請する事業の内容や運営等について校区コミュニティ協議会へ説明する必要がないとの認識でいいのか、見解をお聞きします。

 

【森澤教育次長兼総合教育部長 答弁】

小中学校の施設開放に係る使用許可は、教育委員会の権限に基づき行うもので、規則に定める以外に必要とする書類はありません。

また、教育委員会が学校施設開放の使用を許可する過程において、申請する事業の内容や運営等について校区コミュニティ協議会への説明は必要ありません。

 

【かじや 質問】

提出が必要ないないとのことですが、そうであれば、窓口である学校において、市民に誤解を与えるような書類を、使用許可の一連の手続きとして受け取る行為は不適切であり、今後、是正していく必要があると考えますが、見解をお聞きします。

また、申請される方に対して、この書類を提出する義務がない旨をどのように周知徹底していくのかについても、お聞きします。

 

【森澤教育次長兼総合教育部長 答弁】

学校施設開放に必要な申請書類の種類や手続きにつきましては、今後、学校施設を使用される市民に、誤解を招かないよう、よりわかりやすくお知らせするとともに、改めて学校や学校体育施設開放運営委員会等に必要な申請手続きについて周知を図ってまいります。

 

【かじや 意見】

今後は、学校現場の対応も含め、適正な手続きが行われますよう、強く要望して、私の質問を終わります。