令和元年6月定例月議会 文教常任委員会「枚方市立図書館条例の一部改正について」「新香里ケ丘図書館に指定管理者制度を導入するのではなく、市が責任を持ち、直営で運営することを求める請願」についての質疑及び討論


令和元年6月定例月議会・文教常任委員会(令和元年6月17日)で行った議案第25号「枚方市立図書館条例の一部改正について」、請願第1号「新香里ケ丘図書館に指定管理者制度を導入するのではなく、市が責任を持ち、直営で運営することを求める請願」の質疑及び討論の記録を掲載します。

 

 ※これは正式な議事録ではございません。正式な議事録は、数ヵ月後に市役所や図書館、市議会のホームページで閲覧することができます。


文教常任委員会での理事者への質疑
【かじや 質問】

これまで、さまざまな視点からの議論をお聞きしてきましたが、先ほどの請願の趣旨説明にあったように、指定管理者制度を導入することによって、市民本位ではない運営がされるのではないかという懸念があるとのことです。また、継続性を確保した図書館運営が行わないのではないかという不安も示されていました。

そこで、改めてお聞きします。

指定管理者制度を図書館に導入した場合、今後も市民本位の運営が担保されるのか、また住民サービスの向上につながるのか、指定管理者制度の趣旨に照らして、お答えください。

 

【浄内教育委員会事務局社会教育部長 答弁】
指定管理者制度は、管理運営の効率化により市民サービスの向上を図る制度でございます。本市では、こうした制度の趣旨に基づき、制度の導入を進めており、6分館においては、開館時間を1.5倍にし、読書の機会を拡大するとともに、歴史講座等の市民の知的好奇心を刺激するような取り組みの実施や、デジタルサイネージやブックシャワーの設置などを行った結果、市民の利用促進が図られ、新たな利用者の獲得にもつながっております。

また、選書や方針の決定等については、全市の図書館サービスの司令塔である中央図書館において、職員が調整機能を担い、将来にわたって継続した図書館サービスを実施していく考えでございます。

今後も、中央図書館が司令塔機能を果たし、民間ノウハウを活用しながら、さらなる市民サービスの向上に努めてまいります。

 

【かじや 質問】

また、今回の制度導入については、公園の一部であるみどりの広場との一体的管理になりますが、そのメリットについてもお聞かせください。

 

【浄内教育委員会事務局社会教育部長 答弁】
公園の一部であるみどりの広場と一体的に管理運営することで、例えば、みどりの広場で昆虫や植物を観察した後に図書館の本で調べるイベントの実施や、公園で行う健康イベントに関連した本の紹介、みどりの広場でのおはなし会の実施など、民間事業者の提案を活かした様々な取り組みを効果的に行うことができます。

そして、こうした取り組みにより、図書館やみどりの広場、公園の利用者が増加するといった相乗効果も期待でき、より多くの人が集い、地域の賑わいにつながるもの考えております。

 

【かじや 意見】
ぜひ、今後も市民サービスをより向上させながら、継続性の高い図書館運営に取り組むとともに、香里ケ丘図書館の開館に当たりましては、地域の活性化・定住促進に寄与する図書館と公園の一体的な運営に取り組んでいただきますよう要望します。


文教常任委員会での討論

【かじや 討論】

本委員会における議案第25号及び請願第1号の採決に当たりまして、議案第25号については賛成、請願第1号については反対の立場から討論を行います。

 

本市における図書館への指定管理者制度の導入については、平成24年12月に策定された「枚方市新行政改革大綱」及び平成25年3月に策定された「枚方市行政改革実施プラン」において事務事業の効率化の方針が示されたことを受けて、検討が進められてきました。

 

文教常任委員会における平成26年度の所管事務調査でも、市立図書館の効率的、効果的な運営体制の構築に向けて指定管理者制度の導入を進めるべきとの報告がなされました。

 

そのほか、本市議会でも何度も議論され、図書館については、中央図書館が司令塔としての役割を果たす中で、生涯学習施設との複合施設において導入が進められてきた経過があります。このように本市議会としての意思は一定示されてきました。

 

今回提出されました請願では、新香里ケ丘図書館への指定管理者制度導入の見直しを求めるとの趣旨でございますが、今回の答弁では、6 分館への制度導入により開館時間が1.5倍となり、市民の利用機会が増加するとともに、全国的に展開している民間事業者のノウハウを生かした様々なイベントの開催や、新たな機器の導入、また市民の知的好奇心を刺激する取り組みなどにより、利用者から好評を得ているということでした。

 

また、選書についても、中央図書館が7か所の図書館分館を取りまとめる司令塔としての役割を果たして、適切に行うとともに、図書館事業の継続性についても確保されるとのことでした。

 

これらのことから、新香里ケ丘図書館への指定管理者制度導入につきましては、図書館施策(しさく)をさらに充実させるための有効な手段として、積極的に取り組むべきと考えます。

 

ただ、今回は、これまでのような生涯学習施設との複合施設ではなく、公園の一部である「みどりの広場」と一体的な管理運営が図られるとのことです。開館後の利用状況等をモニタリングなどにより把握し、適宜、必要な改善等を行いながら、指定管理者制度導入の効果が、サービスの向上という形で市民に還元できるよう取り組んでいただきたいと思います。

 

次に、図書館2階の多目的室につきましては、受益者負担の観点から有料とすべきであり、また、公平性の観点から近隣にある同種の公共施設との均衡を考慮した料金にすべきと考えます。

以上、議案第25号については原案可決とすべき、請願第1号については採択すべきでないと申し上げ、討論といたします。