平成27年第1回定例会(3月議会) 当初予算質疑


平成27年第1回定例会本会議(平成27年3月12日)で行った当初予算質疑の記録を掲載します。

 

 

(Q1)普通交付税と臨時財政対策債について

(Q2)人件費等について

    ①職員定数について、②職員給与について

    ③塵芥処理に係る管理的事務に要する経費について

(Q3)改革・改善サイクルにおける予算削減額について

(Q4)補助金について

(Q5)総合文化施設整備関係経費について

(Q6)枚方市駅周辺再整備ビジョン推進事業経費について

(Q7)行政財産使用料(職員会館)につい

(Q8)校区コミュニティ活動補助金について

(Q9)保育所費について

(Q10)少人数学級充実事業について

(Q11)まちづくり計画作成事業経費について

(Q12)成年後見支援事業経費について

 

※これは正式な議事録ではございません。正式な議事録は、市役所や図書館、市議会のホームページで閲覧することができます。

※質問・答弁の順序は、読みやすいように前後入れ替えて掲載をしています。 

 



(Q1)普通交付税と臨時財政対策債について

【かじや 質問】

まず「普通交付税と臨時財政対策債について」お聞きします。

平成27年度当初予算には、普通交付税が107億円、臨時財政対策債については、66億円が計上されています。これらの予算については、平成26年度予算と比べるとどのような状況なのか、増減額や両者の合計額のうち臨時財政対策債の割合などについて、お聞きします。

 

【北村財務部長 答弁】

普通交付税と臨時財政対策債について、お答えいたします。

普通交付税と臨時財政対策債につきましては、国が示す平成27年度の地方財政対策の内容などを踏まえ算定しており、普通交付税は、平成26年度予算に比べ、10億円の減、率にして、8.5%の減、 臨時財政対策債は、13億円の減、率にして16.5%の減を見込んでおります。

また、普通交付税と臨時財政対策債の合計額のうち臨時財政対策債の占める割合につきましては、平成26年度が40.3%、平成27年度が38.2%となっており、平成26年度に比べ2.1ポイント小さくなっております。

 

【かじや 質問】

これから順次2回目以降の質問と要望をさせて頂きます。まずは「普通交付税と臨時財政対策債について」です。

普通交付税と臨時財政対策債については、平成27年度の地方財政対策を踏まえて算定しているとのことです。今回の地方財政対策では、臨時財政対策債が大幅に抑制されていますが、具体的にどのような措置がなされているのか、また、それはどのような考えに基づくものなのか、お聞きします。

 

【北村財務部長 答弁】

平成27年度の地方財政対策では、地方の債務残高を抑制し、地方財政の健全化を図る観点から、地方税の増収が見込まれる中で、地方交付税の減少を最小限にとどめ、臨時財政対策債の発行を大幅に抑制することにより、一般財源の質を改善させる措置がとられております。このことによって、地方財政対策における地方交付税総額は0.8%の減と、微減にとどまる一方で、臨時財政対策債は19.1%の減と、大きく減少しております。

 

【かじや 質問】

平成27年度では、臨時財政対策債は大幅に抑制されている状況です。では、平成28年度以降も、同じように臨時財政対策債を抑制する措置はとられることになるのでしょうか、今後の見通しについてお聞きしたいと思います。また、本市の見通しについても合わせて、お聞きします。

 

【北村財務部長 答弁】

平成28年度以降の具体的内容については、国からは示されておりませんが、現時点におきまして、臨時財政対策債による補てん措置は、平成28年度までの間実施されることとなっております。

本市の今後の見通しにつきましては、本年2月に作成いたしました長期財政の見通しでは、今後も継続するものとして試算しております。見通しにおける臨時財政対策債の残高は、昨年の見通しでは大きく増加しておりましたが、今回の見通しでは、平成27年度の地方財政対策において、臨時財政対策債の発行を大幅に抑制する措置がなされたことや、消費税率10%への引上げに伴い地方消費税交付金が増加する見込みであることから、今後の臨時財政対策債の発行額については減少し、その残高は平成33年度をピークに、減少に転じると見込んでおります。

 

【かじや 意見】

平成27年度の臨時財政対策債は大きく減少し、本市の今後の見通しにおいても減っていくとのことです。国としても、今回の措置については、赤字地方債による財源措置という制度がもうそろそろ限界に来ており、このあたりで一般財源の質を改善させる必要性を認識しているということだと思います。

しかし、実際のところ、今後どのように措置されていくかについては、経済情勢の変化や景気の変動、税収の変動によって左右されることになります。現在の国の状況を見ている限り、将来的には不透明な状況であり、あてにすることはできません。

そうした中で、市としても、臨時財政対策債という借金ではなく、普通交付税による財源措置が適切に行われるよう、今後も国に対し強く要望して頂きたいと思います。また、市としても臨時財政対策債の借入れを少しでも抑制するという姿勢が必要です。これは要望としておきます。


(Q2)人件費等について ①職員定数について、②職員給与について

【かじや 質問】

次に「人件費等について」お聞きします。なお、人件費等についてのうち「①職員定数について」と「②職員給与について」につきましては、関連性が深いことから一括にて質問いたします。

これまで、行政改革の取組み等により、正職員における職員数の削減を行って来られましたが、一方で、正職員の削減に伴い、任期付職員や非常勤職員、また臨時職員などの、いわゆる非正規職員が増加しているのではないかと懸念しています。

そこで、まずは、正職員と非正規職員における任用形態ごとの現在の職員数とその割合がどのように変化してきているのか、また次に、それに伴い正職員と非正規職員の予算額が平成27年度当初予算では、どのように変化したのか、お聞きします。

 

【奥総務部長 答弁】

任用形態ごとの職員数につきましては、5年前と比較しますと、平成22年度では正職員と再任用職員を合わせた、いわゆる正職員数が2,856人で64.8%、任期付職員、非常勤職員、臨時職員を合わせた、いわゆる非正規職員数が1,548人で35.2%、また、現在の平成26年度では、正職員数が2,789人で63.1%、非正規職員数が1,629人で36.9%となっており、正職員数は67人、1.7%減少しており、非正規職員は81人、1.7%増加しております。なお、臨時職員については、短期間の雇用であり、各年度の業務繁忙などの状況により、職員数が増減するものでございます。

次に、一般会計の予算額について、臨時職員の賃金を含めてお答えします。平成22年度当初予算額では、正職員が201億8,000万円、非正規職員が38億4,900万円、平成27年度当初予算額では、正職員が179億1,100万円、非正規職員が43億9,300万円となっており、正職員は22億6,900万円減少しており、非正規職員は5億4,300万円増加しております。なお、総額では17億3,000万円減少しております。

 

【かじや 質問】

次に「人件費等について 職員定数と職員給与について」の2回目の質問をさせて頂きます。

行政改革などの取組みにより正職員を大幅に削減してきた一方で、非正規職員の割合は多くなっており、非正規職員が大半を占める現在の職員体制が、常態化しているのではないでしょうか。

そこで、非正規職員のあり方や定数管理について、どのように考えているのか、見解をお聞きします。

 

【奥総務部長 答弁】

公務運営は、任期の定めのない常勤職員が中心に担うことを基本としています。そうした中でも、一定期間内に業務が終了する、または一時的に増加する業務のほか、サービス提供時間の延長や繁忙時の体制充実を図る場合などについては任期付職員の活用を図るなど、業務内容を見極めたうえで非正規職員を任用しており、その任用にあたっては、それぞれの職ごとに定数管理を行っております。なお、臨時職員については、緊急・臨時的な事務繁忙などに活用しているところです。

 

【かじや 質問】

正職員の割合が徐々に減り、逆に非正規職員を活用することで、結果として、総人件費については一定削減ができているものの、市民サービスや職員のモチベーションの維持・向上という面を考えると、現在の制度が決してベストではありません。

また、一方で、先日の本会議で成立した正職員の半期退職制度の廃止や、近い将来に実施が想定される定年延長などが実施された場合に、人件費の増加をどのように抑制していくのかといった課題もあります。

今後は、こうした総人件費の適正化の観点も持ちつつ、職員のモチベーションの維持・向上を実現していくには、これまでのように人事院勧告にとらわれるのではなく、年功的な要素を廃し、職責が上がれば給料が上がるような仕組みを構築する、いわば「枚方市の第二の給与構造改革」ともいうべきダイナミックな見直しを断行することが必要なのではないかと考えます。

そこで、本市の将来的な給与制度についてどのように考えているのか、市長に見解をお聞きします。

 

【竹内市長 答弁】

本市では、これまでから人事院勧告に準じた取り扱いを基本とすることで、地方公務員法が求める「情勢適応の原則」や「均衡の原則」、「職務給の原則」に基づく給与制度としてきたところです。

今後も人事院勧告を基本としながら、職員の更なるモチベーションの向上が図られるよう、給与の適正化に努めていきたいと考えています。

 

【かじや 意見】

これから定年延長の実施を控え、人件費の増大が懸念される中、小手先だけの制度変更では、先ほど述べた課題は解決できません。市独自の抜本的な改革が必要です。今後、先進自治体の制度の調査・研究を進めながら「第二の給与構造改革」の実施に向け取り組んで頂くよう強く要望しておきます。


(Q2)人件費等について ③塵芥処理に係る管理的事務に要する経費について

【かじや 意見】

次に「人件費等について」のうち「塵芥処理に係る管理的事務に要する経費について」は要望のみとします。

環境事業部の人件費のうち、約10億円が収集業務に従事する職員とのことですが、基本的に収集業務を3名乗務で行っていることで、多くの人件費がかかっているのではないかと思います。

近隣市をはじめ、他の自治体においても2名乗務にされているところもあるとのことです。今後、効果的・効率的な収集業務に向けて、他市の動向や状況等を調査・研究して頂きたいたいと思います。その中で、乗務員の人数や収集車の台数など、様々な観点から効果的な収集体制の検討をして頂くよう要望しておきます。


(Q3)改革・改善サイクルにおける予算削減額について

【かじや 質問】

次に「改革・改善サイクルにおける予算削減額について」お聞きします。

平成26年度に取り組まれた改革・改善サイクルにおいては、対象の101事業のうち10事業で予算削減効果が得られたということですが、まず、改革・改善サイクルの点検・評価結果の概要についてお聞きします。

また、点検・評価の結果を予算反映するまでの流れは、どのようになっているのかについてお聞きします。

 

【川村行政改革部長 答弁】

次に改革・改善サイクルにおける予算削減額についてお答えします。

まず、改革・改善サイクルの点検・評価結果の概要でございますが、今年度対象といたしました全101事業のうち、市としての対応方針で今後の方向性を「改善」とした事業が41事業、「拡充・重点化」とした事業が7事業、「現状のまま継続」が46事業、「休止・終了」が5事業、「廃止」が2事業となっております。

特に今後の方向性を「改善」とした事業数につきましては、事業選定時には24事業でしたが、最終的には41事業と増加し、点検・評価を行う中で今後の方向性を見直す結果となりました。

また、予算反映の流れでございますが、新年度の事業計画や予算を編成する際に、点検・評価結果を踏まえた、事務事業の見直しや改善内容を反映することとなっており、27年度につきましては、対象101事業のうち10事業で前年度から削減が図られ、その効果額は合計で2億1,438万1千円となったものでございます。

 

【かじや 質問】

次に「改革・改善サイクルにおける予算削減額について」の2回目の質問をさせて頂きます。

予算削減効果が得られた事業が101事業中10事業で、合計2億円以上の効果ということですが、それは多いのか少ないのか、市としてどのように捉えているのでしょうか。

また、公表されている「点検・評価結果に係る対応方針」に掲載されている、外部評価員のコメントの内容を拝見していますと、もっと見直しの余地があるのではないかと感じますが、今後どのように事務事業の改革や改善を進めていこうと考えられているのかについてお聞きします。

 

【川村行政改革部長 答弁】

改革・改善サイクルにつきましては、効率的・効果的な行政運営の推進、納得性の高い行政運営に資すること等を目的に実施しておりますが、2億円以上の効果額が得られたことは、改革・改善サイクルが、事務事業に対する職員の改善・見直しに係る意識改革、組織の改善意識の醸成に大きく寄与した結果であると捉えております。

次に、今後の事務事業の改革や改善は、まず、今回得られました点検・評価に係る外部有識者のご意見等を全庁的に周知し、所管部署においてセルフチェックを行うこと、また、今後の事務事業の見直しに活かしていくことを考えております。

なお、平成27年度も引き続き、改革・改善サイクルで新たに対象事業を選定し、所管部署及び外部評価員における点検・評価を行っていく予定としております。

 

【かじや 意見】

現状における事務事業の改革・改善の考え方については、ただいまの答弁で一定理解しました。

これまでの本市における、事務事業の見直しによる削減やスリム化について、担当部署、担当者の努力は一定感じられますが、やはり、市長を筆頭に市の中枢が方向性をしっかり示さないと円滑には進まないのではないと思います。

行政改革を強力に推進するためにも、市長直結の行革プロジェクトチームを編成するなどで、各課を統括できるような組織体制の構築を要望します。


(Q4)補助金について

【かじや 質問】

次に「補助金について」お聞きします。

予算説明書の多くのページで団体に対する補助事業というものが掲載されていますが、その中に、外郭団体等に対する活動補助という項目がいくつかあるのが目に付きます。

そこで、まず、この活動補助について、何団体に対していくらの補助金を支出しているのか、お聞きします。

 

【川村行政改革部長 答弁】

次に補助金についてお答えします。

公的事業を実施している外郭団体等への活動補助につきましては、9団体を対象に支出しているもので、平成27年度当初予算の合計は、1億5,611万7千円となっております。

 

【かじや 質問】

次に「補助金について」の2回目の質問をさせて頂きます。

活動補助の対象団体数や、その予算額については先ほどの答弁で理解しましたが、そもそも活動補助金とは、どのような性質を持ったもので、どのような使途に充てられているのでしょうか、お聞きします。

 

【川村行政改革部長 答弁】

補助金についてお答えします。

活動補助金につきましては、団体が実施する各種事業にかかる直接経費ではなく、事業を展開するために運営上必要となる総務的な活動等を補助する性質のもので、その主な使途は、直接事業に携わらない経理や総務事務従事者の人件費や物件費に充てられているものと把握しております。

 

【かじや 質問】

ただ今の答弁では、活動補助金とは団体の運営を補助する、いわゆる運営費補助という色合いが強いものと受け止められます。

市が公的事業を実施している団体へ補助をするのであれば、事業委託という形なども含め、いわゆる事業費補助という形で支出すべきで、活動補助という形で団体の運営自体を市が支える必要はないと考えます。

そうすることによって、市民から見て何に税金が使われているのかが分かりやすくなり、透明性が確保されるものと思いますが、このことについて市の見解をお聞きします。

 

【川村行政改革部長 答弁】

外郭団体等への補助につきましては、これまでから団体の経営健全化の促進を図ることを目的に、市からの派遣職員の引き上げや人件費補助の見直しなどの措置を行ってきたところでございます。

また、現在、行政改革実施プランの改革課題の一つとして、各団体に中期的な「経営プラン」の策定を要請しているところであり、その中で、今後の活動内容と、必要な人員、財務内容などを示すこととしております。

これらを踏まえ、今後の活動補助金のあり方につきましては、事業費補助金や委託料への移行を含め、引き続き精査を行ないながら、補助金支出にかかる透明性の確保に努めるとともに、外郭団体等の経営健全化につなげてまいりたいと考えております。

 

【かじや 意見】

団体の運営を支えるための補助金というのは、非常に市民に対する説明が難しいと思います。今後、事業費補助金や委託料などという市民に見えやすい形に移行して、年度ごとにその事業の意義や必要性についてしっかりと検証し、ゼロベースで見直しをしていくことが必要です。これは要望しておきます。


(Q5)総合文化施設整備関係経費について

【かじや 質問】

次に「総合文化施設整備関係経費について」お聞きします。

予算説明書137ページに総合文化施設整備関係経費について約1億円を計上されています。

先日、プロポーザル方式による公開プレゼンテーションを傍聴させて頂きましたが、整備費のことや運営費のことを全く考えなくていいのであれば、どの設計事業者からも、すばらしい提案を頂いたと感じました。

しかし、お金のことを考えない訳にはいかないのが現実です。最近、資材や人件費の高騰などの要因から他市の文化施設などで入札不調が見受けられます。本市の総合文化施設についても、提案どおり施設設計を進めていくことでコストの増大が懸念されます。そうしたことから、今後の市の財政負担を抑えるため、出来るだけコンパクトなホールで設計を進めていく必要があると考えますが、見解をお聞きします。

 

【井上公共施設部長 答弁】

今回のプロポーザルにおいては、設計事業者が持つ技術力や創造力などを評価し、本事業の設計に最も適した事業者を選定したもので、具体的な設計内容については、提案内容も踏まえ、今後、市と協議しながら設計作業を進めていくことになります。

二次審査ではコストの低減も評価項目としていたことから、最優秀提案者からは、整備に係るイニシャルコストとともに維持管理に係るランニングコストの低減に関する多様な考え方も示していただいております。今後、このような提案内容を基本として、必要な施設、機能を確保した上で無駄のないコンパクトな施設規模とするなどトータルコストの低減を図りながら、本市の文化芸術の拠点としてふさわしい総合文化施設の設計に取り組んでまいります。

 

【かじや 質問】

次に「総合文化施設整備関係経費について」の2回目の質問をさせて頂きます。

プレゼンテーションの提案では、民間付帯施設について各者さまざまな提案がありましたが、議会で従前から意見を述べているような賑わいに繋がるような提案は、レストランやカフェなど我々が想定する範囲内での提案だったと思います。今後、民間付帯施設についてどのように考えているのか見解をお聞きします。

 

【宮本地域振興部長 答弁】

付帯民間施設については、総合文化施設の立地条件などを踏まえ、各者、民間付帯施設の提案をいただいているものと考えておりますが、最優秀提案者からの提案では単なるカフェではなくテーマを持たせたカフェや子どもが遊具で遊べる施設、6大学交流スペースなどの提案などをいただいております。今後、このような提案を参考に総合文化施設にふさわしい付帯民間施設について検討してまいります。

 

【かじや 質問】

総合文化施設は、今の市民会館以上の機能や規模で整備する予定となっていますが、当然、施設の機能が上がり施設自体も大きくなると、年間の維持管理運営費もそれに比例して大きくなります。

市政アドバイザーの平田オリザ氏は、今後、学校教育においても知識の詰め込みではなく、自分で考える力や創造力、表現力を高めるような教育に移行する流れがあり、その点において文化芸術が果たす役割が大きいというようなお話をされていました。

私も子ども達が小さい頃から本物の文化芸術に触れることは、大切なことであると考えています。しかし、学校現場では文化芸術に投じる予算も限られており、十分な機会が提供できているとはいえない状況です。

例えば、市民利用の小ホールのみのコンパクトな施設整備とした場合、それで捻出した費用を学校などに補助して、子どもたちに大阪市内や京都市内などの立派なホールで、一流の公演を鑑賞する機会を作ることもできます。この様に整備費が大きいだけに、同様の財源があればソフト面で様々な取り組みが可能となります。

そのような中で、あえて市として多額の整備費をかけて大きなホールを整備する訳ですから、それなりの意義と説明責任が求められます。そこで改めて総合文化施設整備の意義をお聞きします。

 

【宮本地域振興部長 答弁】

ご指摘のように、文化芸術には子どもの創造力、表現力を培う可能性があることから、これからの劇場には子ども達を育成する視点や社会包摂に取り組むことが重要な役割となります。市が総合文化施設を整備する意義は、身近な場所で優れた文化芸術に触れる機会を提供できることだと考えており、大ホール、小ホールを一体で整備することで、子ども達や若者が文化芸術に触れる機会を作ることをはじめ、遠くのホールにはアクセスしにくい方やこれまで文化芸術に触れる機会のなかった方にも気軽に訪れていただけるような公演を実施したいと考えています。また、ホールとリハーサル室などその他の施設機能をうまく連携させることで、従来から行われている発表の場をより充実させるだけではなく、本市の特色を活かした創造発信事業や育成事業、社会包摂事業などに取り組みを進めていきたいと考えています。

小ホールだけでは施設規模、機能的にこうした取り組みを進めることは困難で、あわせてシンポジュームや集会利用なども含めると大ホールは必要と考えます。

総合文化施設でこのような取り組みを充実させ、発信することで、まちとしての魅力も高まり、市民に選ばれるまちづくりにも寄与するものと考えています。

 

【かじや 質問】

現在、庁舎については、国、府、市の合同庁舎の協議が一方で進められています。合同庁舎については、新町での総合文化施設の整備検討の際には想定されておらず、状況も変わってきています。こうしたことから総合文化施設についてもしばらく予算執行を抑え、庁舎の進捗状況を見ながら改めて市駅周辺の整備の中で検討してはどうかと考えますが、見解をお聞きします。

 

【宮本地域振興部長 答弁】

総合文化施設については、市民会館の老朽化やバリアフリー化など課題があり、早期の整備が求められています。そうした中で、整備計画に基づき、新町の事業用地で整備することを目指し、今般、設計事業者の選定を行い、平成27年4月より設計に取り組んでまいります。

また、国の補助金の申請も現在のまちづくりの内容で手続きを行っていること、市駅北側を含めた回遊性の促進、市駅周辺再整備ビジョンにおいて、現在の事業用地周辺を文化芸術拠点と設定していることなど、市駅周辺のまちづくりも踏まえ新町に整備するものと考えています。

新町での整備は、20年来、地元を始め、市民の皆様にもお知らせしているものであり、こうした経過も踏まえ取り組んでいく必要があると考えています。

 

【かじや 意見】

施設整備を行うことにより、イニシャルコスト、ランニングコストともに莫大な経費を投入することになります。できるだけコストの縮減に努めるとともに、掛けたコストが無駄になることのないよう、投資した以上のものを市民に還元しなければなりません。特に一部の市民が利用するだけの施設ではなく、これまで市民会館大ホールを利用したことのない市民の方にも活用してもらえるような施設となるよう要望します。

また学校教育の場などで活用するなど、子どもたちに一流の文化芸術に触れる機会を数多く提供できるような取り組みをお願いします。

さらに官公庁団地エリアにおける国、府、市の合同庁舎の検討に向けた動きなど、市駅周辺がダイナミックに動き始めている状況で、総合文化施設の整備についても、その中でバランスを取りながら進めていってもらうよう要望しておきます。


(Q6)枚方市駅周辺再整備ビジョン推進事業経費について

【かじや 質問】

次に「枚方市駅周辺再整備ビジョン推進事業経費について」お聞きします。

今年度より枚方市駅周辺再整備ビジョンの実現化を図るため、ビジョン対象エリア内に、旧三越が含まれる街区、ひらかたサンプラザビルが含まれる街区、大阪府住宅供給公社・京阪電鉄・旧長崎屋が含まれる街区、市民会館・市役所庁舎が含まれる街区、そして官公庁団地が含まれる街区の5つの街区を設定して、その具体化に向けた取り組みを進められておられます。

私はこの市民会館・市役所庁舎があるこの街区がどうなるのか、市庁舎は官公庁団地に移るのかなど、ビジョンを推進する上で、まずはこの街区の方針を決めることが重要であると考えます。

そこでお聞きしますが、市民会館・市役所庁舎が含まれる街区と官公庁団地が含まれる街区の進捗状況と今後のスケジュールについてお聞きします。

 

【戸野谷都市整備部長 答弁】

次に、枚方市駅周辺再整備ビジョン推進事業経費について、お答えします。

官公庁団地が含まれる街区につきましては、昨年12月に発足しました国、府、市の連絡会議におきまして、市駅周辺の街づくりや活性化等につながる公有財産の最適利用の推進に向け、合同庁舎化も視野に入れた検討を進めており、北河内府民センターや税務署、本市分館など複数の街区に分かれた土地を集約する案の提示や、想定されるスケジュールなどについての意見交換を行っております。

現在は、国・府へ合同庁舎に必要な機能や規模、条件等についての個別ヒアリングを行っているところで、今後はそれらを整理しながら、さらに具体的な検討を進める予定です。

市民会館・市役所庁舎が含まれる街区につきましては、こうした官公庁団地が含まれる街区での取り組みによる進捗も見極めながらビジョンの実現化に向けた土地利用等を検討してまいります。

今後のスケジュールにつきましては、現在取り組んでおります本ビジョンの調査・検討業務の完了時期となる平成27年度末頃には、将来的な方向性をお示ししたいと考えております。

 

【かじや 質問】

次に「枚方市駅周辺再整備ビジョン推進事業経費について」の2回目の質問をさせて頂きます。

先ほどご答弁頂きました2つの街区の方針が決まり、例えば、この市民会館・市役所庁舎が含まれる街区に大きな種地が生まれると、様々な可能性が広がると思います。そうなれば、街区単位の取り組みではなく、街区間で連携した取り組みが必要になると考えますが、見解をお聞きします。

 

【戸野谷都市整備部長 答弁】

議員ご指摘のとおり、各街区の連携は重要と考えますので、関係権利者の意向等も十分お聞きしながら、各街区における取り組み状況の情報共有を図るなど、街区間において連携した取り組みが可能となるよう進めてまいります。


(Q7)行政財産使用料(職員会館)について

【かじや 意見】

次に「職員会館の行政財産使用料について」は要望のみとします。

行政財産である職員会館約334㎡の無償貸与に当たっては、以前より労働組合法の不当労働行為に抵触するのではないかとの疑問を提議していました。

平成26年度予算において、ようやく年間102万8000円を計上されるとのことで、枚方市使用料条例で計算された年間約360万円との金額の隔たりや、「市長が特に認めた」減免理由について等納得できないものはありますが、一歩前進との評価をしています。

しかしそのような状況の中で、二つある組合のうち一方の組合から、同年9月26日付けで大阪地方裁判所に対し、使用料徴収処分の取り消しを求める訴えが提起されたとのことです。

今後、裁判の中では、本市としての正当性をしっかりと主張し、毅然とした対応を貫いてもらうよう強く要望します。


(Q8)校区コミュニティ活動補助金について

【かじや 質問】

次に「校区コミュニティ活動補助金について」お聞きします。

一般会計予算説明書の「校区コミュニティ活動補助金」のうち「自主防災活動」に対する特別事業枠に係る補助金ついてお聞きします。

この補助金については、平成25年決算特別委員会においても取り上げましたが、その中で、平成24年度から、それまでの1校区3万円から20万円に増額され、その使途については、防災訓練等での一時的な出費や周知啓発にかかる費用、消耗品などに加え、資機材や備蓄品の購入などにも活用されるようになっているとのことでした。その際、この補助金は税金から支出されているので、その使途について市がある程度関与していく必要があるとの要望をさせて頂きました。

また、事務事業総点検においても「災害関連備品の購入は、緊急時の利用や重複購入を避けるためにも市として実態把握をすべきである」との評価員からのコメントがありました。

そこで、この補助金の使途について、コミュニティ協議会がどのような資機材や備蓄品等を購入しているのか、市としてその実態を把握しているのかお聞きします。

 

【佐藤市民安全部長 答弁】

自主防災活動に係る補助金につきましては、災害関連の啓発や訓練経費、資機材や備蓄品等の購入費用に対する領収書等を、補助金の決算時に提出していただき、確認及び把握をしております。

また、自主防災組織ネットワーク会議等の場で、ハード面、ソフト面いずれにおいても活用できることや他の校区での活用事例を紹介するなど、地域の実情に合わせ、創意工夫して補助金を活用していただくよう啓発を行っております。

 

【かじや 質問】

次に「校区コミュニティ活動補助金について」の2回目の質問をさせて頂きます。

災害時における共助のために活用する補助金ですので、今後も実情に合わせ、工夫頂くことは必要ですが、ある地域の住民の中には、こうした補助金を活用し購入された災害関連の備蓄品等が、「避難者全員に平等に分けられるのか、誰でも使うことができるのか不安がある」という声や「無駄に使われているのではないか」といった指摘があります。

災害発生時、避難所運営におきましては、校区コミュニティ協議会など地域の担う役割は大きなものとなりますが、この補助金を活用し購入された備蓄品等が、例えば自治会未加入者や個人的な人間関係で配布されないといったことがあってはならないと考えますが、市の見解をお聞かせください。

 

【佐藤市民安全部長 答弁】

校区コミュニティ活動補助金は、自治会加入者のみを対象としたものではありませんので、災害時における備蓄品の配付や資機材の利用につきましては、自治会加入者に限らず、避難所に来られた方々に、公平に無駄なく適切に扱われるべきものと考えております。

しかし、災害時における自助、共助を考えた時、地域活動の基礎となる自治会への加入は、極めて重要なことであると考えておりますので、市といたしましては、今後も自治会加入について積極的に啓発してまいります。


(Q9)保育所費について

【かじや 質問】

次に「保育所費について」お聞きします。

待機児童の解消については、年度当初だけでなく年間を通じて継続していくことが重要です。本年4月から始まる「子ども・子育て支援新制度」にともない、入所要件が緩和されるともお聞きしています。現在、入所の受付も開始されており、需要についてもある程度、市として認識されていると思います。そうした保育の現状認識と、現在取り組んでいる定員増の取り組みについて、手法別にお聞きします。

【水野子ども青少年部長 答弁】

保育に係る現状認識と市の定員増の取り組みについて、お答えいたします。

近年の社会経済情勢や、本年4月からの「子ども・子育て支援新制度」への移行に伴う、保育所入所要件の拡大により、保育需要は1・2歳児を中心に依然として高い状況にあります。そのため、新制度実施に向けて「枚方市子ども・子育て支援事業計画(案)」を策定し目標事業量の確保に向け、認可保育所や幼保連携型認定こども園による定員増を基本とした取り組みを進めることとしています。

定員増に係る取り組みといたしましては、平成28年度当初までに、手法別に、公立保育所の民営化による90人、私立保育園の増改築等で175人、認定こども園の創設で495人、小規模保育事業の実施で30人、閉園する公立幼稚園の有効活用による保育所分園で50人、合計で840人の定員増を施設整備の進捗にあわせて段階的に実施いたします。

 

【かじや 質問】

次に「保育所費について」の2回目の質問をさせて頂きます。

保育に係る市の取り組みについての考えについてお答えいただきましたが、実際のところ予算書の228ページの保育所費において、来年度は約118億円で、今年度と比較すると約21億円が増額しています。 一方で、一般財源については来年度は約59億円で、今年度と比較すると約1億円の減額になります。保育所費の特徴や減額の主な要因について、お聞きします。

 

【水野子ども青少年部長 答弁】

保育所費についてご説明いたします。

まず、子ども・子育て支援新制度の施行にあたり、ソフト事業では、私立保育園の運営費が施設型給付に移行し、保育の「質の改善」が実施されることにより、給付単価が見直されるとともに、保育を必要とする2号・3号の586人の定員増や認定こども園の保育を必要としない1号に係る施設型給付を新たに計上しています。

また、ハード事業では、待機児童対策としての施設整備補助金や、公立保育所のリニューアル工事費など、総額で今年度より約21億円の増額となっています。

次に、新制度への移行により、施設型給付に係る本市の負担割合が、「2分の1」から「4分の1」に軽減されるとともに、待機児解消に資する施設整備補助の本市負担が「12分の1」となる待機児童解消加速化プランの有効活用や、民営化による公立保育所運営経費の削減などで、約1億円の歳出抑制につながったものと考えています。

 

【かじや 質問】

個人的には、待機児童対策については、認定こども園などを含め様々な取り組みを進められるとともに、経費の節減につとめてこられて、結果として一般財源が昨年度よりも減額となっていることから、市としては、余力があると思いますので、さらなる待機児童対策を実施すべきだと思います。

しかしながら、従来から保育所を中心にかなり実施されている中で、今後の保育需要の見通しと、その対策についてもどのような取り組みを実施していく考えがあるのか、さらに、これまでに大きな効果をあげている民営化の今後の具体の進め方についても、お聞きします。

 

【水野子ども青少年部長 答弁】

「枚方市子ども・子育て支援事業計画(案)」では、来年度4月当初の需要見込み量を7,425人と予測しており、本年度4月当初の入所児童数より、さらに657人増加するものと見込んでおります。なお、この需要量は、国が待機児童のピークとしている平成29年度まで継続するものと考えており、その後、徐々に減少傾向に転じるものと予測しています。

今後は、本事業計画案に基づき、着実に定員増を進めるとともに、今後の保育需要の動向を踏まえ、進行管理の中で、今後の方策について対応して行く考えであります。

また、公立保育所の民営化につきましては、来年度4月からの中宮・北牧野保育所の民営化を着実に進めていくとともに、平成28年度以降には、今後の保育需要や国の動向も踏まえて、その後の民営化について検討を行ってまいります。

 

【かじや 質問】

今後も保育の充実にあてる財源を確保するためにも、さらなる民営化に向けての検討して頂くよう要望しておきます。

さて、新制度に対応するための取り組みを開始されていますが、この間、現状の保育制度における課題として、保育所への入所手続きのうち、兄弟・姉妹入所についての問題を指摘してきました。なかなか希望どおりに保育所に入所できない状況で、残念ながらきょうだいが別々の保育所に入所することになった場合、保護者の負担は相当なものです。そのため、きょうだいで同一の保育所に入所しやすい環境整備を行うことは、本市の少子化対策の一つとして有効なのではないかと指摘してきました。

新制度への移行に合わせて、どのように対応していかれるのか、お聞きします。

 

【水野子ども青少年部長 答弁】

本市では、本年4月からの子ども・子育て支援新制度への移行に合わせて、保育所等入所に係る利用調整基準の見直しを行い、現在、1点から5点の5段階としているところ、保育所等への入所要件に応じ10点を満点とする基礎点に、世帯状況や国から示された優先利用に係る事項等を踏まえた調整点を加減する方法への変更を予定しています。

新制度において示された優先利用とすべき事項の一つに、「兄弟姉妹が同一の保育所等の利用を希望する場合」が含まれていることを踏まえ、今回の見直しで、きょうだいでの入所や転所を希望される場合は、調整点として1点を加点する予定です。これにより、きょうだいで同一の保育所等に入所しやすい環境づくりにつながるものと考えております。


(Q10)少人数学級充実事業について

【かじや 質問】

次に「少人数学級充実事業について」お聞きします。

少人数学級充実事業について、平成27年度から対象学年をこれまでの小学校第3学年までから、第4学年までに拡充するとのことですが、このことで必要となる市費の任期付講師の人数は何人になるのでしょうか。

また、子どもたちに対するきめ細かな指導を充実させるといいますが、任期1年という不安定な条件で、力のある教員をどれだけ確保できるのだろうかという不安を感じます。実際にどのような人たちが枚方市の講師に任用されているのか、また枚方市教育委員会がどのようにしてその講師の指導力向上に取組まれているのか、お聞かせください。

 

【石田教育委員会事務局学校教育部長 答弁】

少人数学級充実事業についてお答えします。

平成27年度から対象学年を第4学年まで拡充することにより、平成27年度に任用する市費任期付講師は、45名程度となる見込みです。

平成26年度に任用した市費任期付講師については、約3分の2が20歳代と、若い教員が多く、その中には講師経験者も多数含まれており、「ぜひ、枚方市の教員として働きたい」という意欲のある人材を確保できております。

教育委員会では、中核市となった利点を生かし、市の状況を踏まえた教職員研修の充実に取組んでいます。この中で、市費任期付講師に対しては、一般の研修に加え、年間10回の研修を実施するなど、その指導力向上に力を入れております。

意欲に加えて指導力を身につけた市費任期付講師が、元気に子どもたちの教育にあたることは、枚方の子どもたちの学力向上、生きる力の育成につながるだけでなく、学校での実践と研修を通して力をつけた人材として今後、大阪府の教員に採用され、本市に正式採用の教員として配属されることで、枚方の教育の充実にもつながると考えています。そうした思いで、市費任期付講師の人材育成に力を注いでいるところです。

 

【かじや 意見】

次に「少人数学級充実事業について」要望をさせて頂きます。

教育委員会が、市費講師の指導力向上に力を入れており、そのことにより枚方市の子どもたちの学力向上、生きる力の育成に取り組むとともに、枚方の教育の充実につなげようとされていることは一定理解しました。

しかし、この事業の目的はあくまでも子どもたちの教育の充実であり、その目的に沿った成果が求められることは言うまでもありません。生きる力の育成という教育の成果が、はっきりとした形であらわしにくいことや数値化しにくいものであることは分かります。

その一方で、ひとつの指標ではありますが「全国学力・学習状況調査」で結果を出すなど、枚方の子どもたちに、少人数学級の充実によってこれだけ学力を身につけさせることができたと、市民にも分かりやすい形で示すことが必要です。

平成27年度の国の予算をめぐっては、少人数学級編制の効果について財務省と文科省との間で意見の対立があったとの報道がありました。結果として来年度は、国の少人数学級編制は維持されることになったということですが、こうした状況下で市独自に事業を進めるには、それなりの説明責任が求められます。事業の効果をしっかりと検証し、今後は今まで以上に、市民に分かりやすい成果を示して頂くことを要望します。


(Q11)まちづくり計画作成事業経費について

【かじや 質問】

次に「まちづくり計画作成事業経費について」お聞きします。

一般会計予算説明書のまちづくり計画作成事業経費のうち「都市計画マスタープラン改定及び立地適正化計画作成事業費」についてお聞きします。

今回、二つの計画策定を同時に行うことと思いますが、二つの計画の内容と関連性についてお聞きします。

 

【戸野谷都市整備部長 答弁】

まず、「都市計画マスタープラン」につきましては、都市計画法第18条の2に基づき、市町村が定める都市計画に関する基本方針で、前回は平成22年度に改定しています。本市の総合計画や大阪府が策定する都市計画区域マスタープランに即し、定めるものとするとされており、両計画の策定や改定が来年度に行われることから、今回改定するものです。

また、「立地適正化計画」は、都市再生特別措置法第81条に基づき、住宅及び都市機能を増進する誘導施設の立地の適正化を図るため、市町村が作成する計画で、都市機能の集約や人口密度の維持のための諸施策を個々に行うのではなく、都市全体の観点から取り組みを推進するために作成するもので、本市でも人口減少、少子高齢化に直面することから、今回、新たに作成するものです。立地適正化計画は都市計画マスタープランの一部とみなされ、相互に関連することから、同時に手続きを進め、平成28年度中に策定するものです。

 

【かじや 質問】

次に「まちづくり計画作成事業経費について」の2回目の質問をさせて頂きます。

両計画の策定を並行して進めることについては理解しました。人口減少は全国的に確実に直面する問題です。今後、人口密度の維持は喫緊の課題であり、今回の計画は、その視点に立ってまちづくりの方向性を示す重要な計画であると考えます。

しかしながら、地域の特色を踏まえて作成する必要があります。例えば、大阪市のような大都市と、すでに過疎化が進んでいる地方都市とでは、抱える課題はそれぞれ違い、取るべき施策もおのずと変わってきます。

また、枚方市内をみても枚方市駅や樟葉駅のような商業地域のほか、住宅地、工業地、農地など様々です。

枚方市としてどういった課題認識を持ち、都市計画の観点からのまちづくりの方向性をどう考えているのか、また市民の意見をどのように取り入れていくのか。今後の進め方についてお聞きします。

 

【戸野谷都市整備部長 答弁】

人口密度、産業立地や公共交通の整備状況などから、今後の施策を全国の地方都市が一律的に定めることは出来ないものと考えています。

本市の課題認識としては、現都市計画マスタープランでも7地域に区分けしまちの将来像を定めているところでありますが、今回も地域特性を踏まえて検討を進める必要があります。今後、委託業務などを通じ地域ごとの人口密度や高齢化率、施設の立地状況等を精査したうえ、具体的な課題を抽出してまいります。

その上で、都市計画マスタープランでは、あるべきまちの将来像を、立地適正化計画は、誘導する施策を定めてまいりますが、これは多極ネットワーク型のまちづくりにより都市の再構築を行うものであり、公共交通機関に支えられた利便性の高いエリアに教育文化、医療福祉、子育て、商業などの生活利便施設を集約立地するべく誘導を図るとともに、そのエリアを取り巻くように居住を誘導する区域を定め、それらを連携させることをイメージしています。

討の進め方については、都市計画課が事務局となり庁内検討組織を立上げ、横の連携を図ると共に、広域連携の観点から大阪府等とも協議調整してまいります。

市民の皆様のご意見を伺う場としては、市民アンケートや説明会、公聴会を開催します。また、専門的見地から都市計画審議会で意見をお聴きするなど、きめ細かく進めてまいります。

 

【かじや 意見】

要望させて頂きます。これから2年間かけて検討を進めて頂くことになりますが、これらの計画は行政がまちの将来像や具体的な政策を示すものです。

先ほども言いましたが、大都市と地方都市では抱える課題も違えば目指すべきまちの方向性も違ってきます。

ただ単に利便性だけを重視したコンパクトな街を形成すればよいというものではなく、緑にも囲まれた心にゆとりをもって、住み続けることができるような地域社会を形成するといったことも非常に重要であると思っています。

また、人口減少が進む中で、都市をコンパクト化していくことは必要なことと理解しています。その一方で、それ以外の区域の住民にとっては、取り残されていくのではないかとの懸念もあります。計画策定にあたっては、そういった地域の住民の意見とのバランスをしっかりと取りながら、取り組んで頂くよう要望します。


(Q12)成年後見支援事業経費について

【かじや 質問】

最後に「成年後見支援事業経費について」お聞きします。

平成25年の決算特別委員会で、障害者や高齢者の中で判断能力が不十分な方の権利を法律的に保護し、生活をサポートする制度として、今後、成年後見制度の活用が益々重要になることをお伝えし、制度の周知や充実を図っていくよう要望させて頂きました。

当時の成年後見制度に対する市の主な支援としては、相談の受付や、市長申し立てを対象とした裁判所への申し立て費用の助成制度ということでしたが、改めてこの3年間の市長申し立て件数をお聞きします。

 

【山口福祉部長 答弁】

本市では、身寄りがなく判断能力が不十分な障害者や高齢者に対し、後見等審判の申し立ての必要性を判断した上で、裁判所に市長による申し立てを行っており、その実績といたしましては、平成24年度では障害者を対象とするものが9件、高齢者を対象とするものが3件、平成25年度では障害者を対象とするものが5件、高齢者を対象とするものが9件、また、平成26年度では現在手続き中のものを含め、障害者を対象とするものが3件、高齢者を対象とするものが6件となっております。

 

【かじや 質問】

最後に「成年後見支援事業経費について」の2回目の質問をさせて頂きます。

成年後見制度利用支援事業においては、この度、事業内容を改正されたとのことです。その予算額が、障害者を対象とするものについては、平成26年度の58万8千円から、平成27年度は236万9千円に、また、高齢者を対象とするものについては、平成26年度の53万5千円から平成27年度は408万7千円に、と大幅に増額されています。

今回、この成年後見制度利用支援事業について、改正の内容と増額の理由についてお聞きします。

また、今回の改正も含め、今後、事業の周知について、どのように取り組まれるのか併せてお聞きします。

 

【山口福祉部長 答弁】

今回の改正内容といたしましては、成年後見制度の円滑な利用を進めるため、助成対象費用について、これまでの印紙代や鑑定料等の審判請求に要する費用に加え、新たに後見人等への報酬について助成の対象とするものです。

新たな助成につきましては、市長が後見等の審判の申し立てを行い、家庭裁判所により後見人等が選任された方で、本市に在住し、生活保護を受給している方及びそれに準じる方を対象としています。

また、助成額につきましては、家庭裁判所が審判により決定した報酬額とし、在宅の方は28,000円、その他の方は18,000円を上限額とします。

なお、本事業につきましては、広報ひらかた、市ホームページに掲載する他、障害者相談支援センターや地域包括支援センターなどの関係機関への周知にも努めてまいります。

 

【かじや 意見】

成年後見制度が、判断能力が不十分な方の権利を法律的に保護し、生活をサポートする制度として、今後、必要とされる市民の方の制度利用に繋がるよう、制度の周知や支援の充実を図っていって頂きますよう要望しておきます。