平成26年第3回定例会本会議(平成26年9月10日)で行った議案第50号「枚方市自転車駐車場の指定管理者の指定について」の質疑の記録を掲載します。
※これは正式な議事録ではございません。正式な議事録は、市役所や図書館、市議会のホームページで閲覧することができます。
【かじや 質問】
ただいま上程されました議案第50号「枚方市自転車駐車場の指定管理者の指定について」、若干の質疑をさせて頂きます。
指定管理者の選定については、「枚方市公の施設における指定管理者の指定の手続等に関する条例」の第2条に「指定管理者になろうとする法人その他の団体を公募しなければならない」と規定されています。非公募による選定は、条例第2条の但し書きで示されている「緊急性」「合理性」がある場合にだけ認められる例外です。
ただいまの提案説明では、高齢者の就労支援という側面を「特定」とする合理的な理由として判断されており、平成18年から、いずれも非公募の特定によりシルバー人材センターが選定されています。1回の指定が3年ですので、これまで3期9年間にわたりシルバー人材センターが特定指定管理者となっており、今回で4期目、当初からすると12年間、同じ事業者が年間約2億円の指定管理を請け負っていることになります。
このような状況では、公正な競争原理が働かず「市民ニーズへの効果的・効率的な対応を図り、市民サービスの向上、行政コストの縮減を図る」といった指定管理者制度本来の意義や効果が十分に実現できるのか大いに疑問です。
事業者の選定に当たっては、指定管理者制度本来の趣旨や、自転車駐車場の設置目的を当然に重視すべきだと考えますが、市の見解をお聞きします。
併せて、大阪府内の他の自治体における公募・非公募の選定状況についてもお聞きします。
【小山土木部長 答弁】
今回の指定管理者の選定に当たっては、高齢者就労面では民間事業者に比べ短期的かつ臨時的な就業をより多く確保できる団体としてシルバー人材センターを特定するものと判断したものです。一方、利用者サービスや、施設の管理運営面では、シルバー人材センターが民間事業者より優れているという点において、民間企業と比較することはできませんが、過去の実績や実践的知識、業務遂行能力や利用者アンケート、満足度調査等を考慮し、妥当であると判断したものです。
他市における選定状況ですが、大阪府下で指定管理者制度を採用している自治体を調査したところ、公募による場合が11市、非公募によりシルバー人材センターを特定している場合が本市を含め4市でございます。
【かじや 質問】
2回目の質問をさせて頂きます。
府内の多くの自治体が、公募による選定を行っている中で、本市がなぜ非公募にこだわり続けるのでしょうか。
例えば、公募にしたとしても、高齢者の就労支援については、民間事業者においても仕様書等で高齢者雇用を条件に加えることが可能です。また、今後は建設後20年以上経過し、老朽化する施設の維持管理面も大きな課題となってくる中、民間事業者のより効果的・効率的な維持管理のノウハウを取り入れることが選定の重要な要素になってくると考えられます。
これらの点などから、今後は「利用者サービスの向上や、効果的・効率的な施設の管理運営を行う」という制度本来の趣旨を尊重して、公募で選定することも検討していく必要があると考えますが、見解をお聞きします。
【小山土木部長 答弁】
公募・非公募の選択につきましては、これまでからも従来の考えを単に踏襲することなく、その時点時点において住民サービスの向上や、より効果的・効率的な施設の管理運営を図るという観点を十分考慮したうえで、総合的に判断したものであります。次回の選定は平成29年度となりますが、老朽化する施設の維持管理面、民間事業者の動向や社会状況の変化等が大きな判断ポイントとなるものと考えております。
【かじや 意見】
3回目は要望とさせて頂きます。
私は何もシルバー人材センター自体を問題にしているのではなく、事業者選定の基本的な考え方やそのプロセスについて、まだ課題があるということで今回質疑をさせて頂いています。
次回以降は、制度や事業本来の趣旨に立ち返り、特定の団体を保護するかのような非公募を見直し、競争原理の働く「公募」による選定を行うことで、利用者サービスの向上や効果的・効率的な管理・運営に努めて頂くよう要望します。
また、非公募で特定とする合理的な理由として「高齢者の就労支援」を挙げていますが、何も本市は「高齢者の就労支援」だけが課題という訳ではなく、生活困窮者をはじめ障害者、ニート・引きこもり等の若者などの就労支援も大きな課題です。自転車駐車場については、高齢者に限らずそれらの方々などに対しても就労の機会を提供できる有効な場であると考えます。次回の選定からは、これらの点も考慮するよう要望して質疑を終わります。