平成26年第1回定例会(3月議会) 代表質問

平成26年第1回定例会本会議(平成25年3月4日)で行った代表質問の記録を掲載します。

 

※これは正式な議事録ではございません。正式な議事録は、市役所や図書館、市議会のホームページで閲覧することができます。

※市長の平成26年度市政運営方針に対する、みんなの党市民会議を代表しての質問です。 

※代表質問は、すべての項目を一括して質問し、一括して答弁する方式です。質問の回数は3回までとなっています。 



【かじや 質問1回目】

 

皆さん、おはようございます。代表質問の機会を与えて頂き、ありがとうございます。

それでは、みんなの党市民会議を代表して、通告に従い順次質問をいたします。代表質問ということで、これまでの質問と重複する項目がございますが、ご了承ください。

 

1.市政運営の方向性について

市長は、市政運営方針で「住みたい・住み続けたいまち」から「市民が誇れるまち」へと大きく飛躍させる決意であると述べられました。そこでお聞きしますが、そもそも、この「市民が誇れるまち」とは、一体どのようなまちの姿をイメージしているのか、市長の見解をお聞きします。

 

2.本市を取り巻く状況と課題について

(1)構造的な課題と財政の健全性の維持について

今後、市税収入が大きく増加することが期待できない中で、扶助費をはじめとした社会保障関連経費が増加していくことは避けられない状況となっています。このような厳しい中において、本市を取り巻く状況や課題に柔軟に対応していくためには、それに耐え得るだけの「財政の健全性」、言い換えれば、「財政規律」の確保が不可欠であると考えます。

義務的経費の中でも、公債費という形で将来世代への負担の先送りとなる地方債、とりわけ、近年増大している臨時財政対策債の発行にあたっては慎重に判断していく必要があると考えますが、見解をお聞きします。

 

3.まちづくりの基本方向について

(1)「安全・安心社会の実現」について

①減災対策の考え方について

市政運営方針において「行政の責任である市民の生命、財産を守る取り組みの充実を図り、安全・安心のまちづくりをさらに推進する」とした上で、「南海トラフ巨大地震などの災害による被害を最小限に抑えるための減災対策が求められている」とあります。

本市では、2年連続で浸水被害も発生していますし、今年の1月24日には、大阪府の「南海トラフ巨大地震災害対策等検討部会」より、ライフライン等の詳細な被害想定の発表もあったところです。そのような中で、行政の責任において求められている減災対策とは何なのか、市長としての見解をお聞きします。

 

(2)「都市の魅力を活かした都市ブランドの確立」について

①文化芸術振興施策の考え方について

市政運営方針には「より魅力ある街づくりを進めるため、文化芸術振興条例を制定する」とありますが、これまで本市で行ってきた「施策評価アンケート」において、「芸術・文化活動の活性化を図る」については、48ある施策の中で重要度が同率の最下位、満足度が46位となっており、非常に低い順位となっています。

市民のニーズや関心の低さが明確な数字となって現れており、市民が本当に文化芸術振興施策を望んでいるのか甚だ疑問です。厳しい状況の市民も多くおられ、様々な課題が山積する中で、あえて行政が優先するべき施策なのでしょうか? 市長の文化芸術振興施策に対する見解をお聞きします。

 

(3)「戦略的な視点に立った都市経営」について

①多くの方から選ばれるまちについて

市政運営方針には「都市間競争に打ち勝ち、多くの方々から選ばれるまちとなるために、戦略的な視点を持って都市経営を進めていく」とありますが、この「都市間競争」とは、例えばどのような都市との競争に勝つことをイメージされているのか、また「多くの方々」とは、どういう方々を想定されているのか、改めてお聞きします。

 

4.平成26年度の主要施策について

(1)「市役所改革を進め、行政力を強化し、市民自治を推進します」について

①戦略本部の設置について

市政運営方針で「重点施策を戦略的に推進する戦略本部を設置する」とありますが、これまでの答弁をお聞きしていて、どういう目的で設置をするのか、実務を想定しているのか、いまひとつピンと来ません。

また、私たちの会派では、戦略本部には、民間で実績のある方も含めて外部の方にも入って頂きたいと考えています。設置まで、もう1か月を切っているわけですから、当然、もう内定されていることと思いますが、戦略本部のメンバーは、職員だけで構成されるのか、外部の方も入る予定なのか、メンバー構成について、お聞きします。

 

②新たな改革改善サイクルの構築について

まず、市政運営方針に「2か年かけて実施した事務事業総点検の成果と課題を踏まえ」とありますが、総点検の成果と課題とはどのように捉えているのか、また、それを踏まえて実施する新たな改革・改善サイクルは、総点検と、どのような違いがあるのか、さらに、今後の取り組み予定はどのように考えているのか、お聞きします。

 

③生涯学習施設と図書館の複合施設への指定管理者制度の導入について

「生涯学習施設と図書館の複合施設への指定管理者制度導入に向けて準備を進めます」ということですが、私たちの会派では、指定管理者制度の導入拡大、とりわけ図書館への指定管理者制度導入について、これまで要望をしてきたこともあり、今回の導入に向けての検討については一定評価するものです。

しかし、複合施設の管理という効率性やコスト面の観点からの議論だけでは、導入の意義は半減します。そこからさらに一歩進んで、施設の運営面に民間のノウハウを活かすことで、市民が実感できるような市民サービスの向上を図っていく必要があると思いますが、今後どのように取り組みを進めていくのか、見解をお聞きします。

また、これまで図書館は社会教育施設として、行政が責任をもって運営するとされていましたが、今回、あえて図書館に指定管理者制度を導入しようと思われた、市長の思いについて、お聞きします。

 

④職員定数基本方針の策定について

この項目については、昨年の代表質問でも質問をさせて頂きましたが、改めて策定にあたっての考え方についてお聞きします。

まず1点目は、職員の定年退職後の雇用のあり方についてです。年金支給年齢の引き上げに伴い、定年延長など高年齢者の雇用確保措置の義務化などが求められており、現在、本市では再任用制度として実施されているところです。しかし、今後、少子高齢化の時代という時代の流れもあり、定年延長についても検討しなければならない課題となってきています。

そこで、例えば本市独自で65歳まで定年延長を実施してはいかがでしょうか。ただし、民間は依然厳しい状況であり、市民の理解を得るには民間とのバランスを考慮する必要があります。そこで定年延長と同時に、高年齢者職員の給与抑制や職務・職責に応じたメリハリのある給与制度への改革を行うなど、その中で総人件費が抑えられるような制度を構築されてはいかがでしょうか、見解をお聞きします。

次に2点目として、女性管理職員の登用拡大についてです。本市の女性管理職の割合は、近年20%前後で推移していますが、国が目標として示している30%の達成には、ほど遠い状況です。今回の市政運営方針では「男女共同参画」という言葉が見受けられませんが、本市職員における女性管理職の登用について、どのように考えているのでしょうか、見解をお聞きします。

3点目としては、技能労務職員の今後の採用の考え方についてです。昨年度に「セーフティネットの確保や業務の効率化等の視点からあり方の検証を行い、配置基準の見直しを行う」との答弁を頂きましたが、このことを踏まえた現在の考え方についてお聞きします。

 

⑤公務員倫理に関する研修の充実について

市政運営方針では「不祥事を撲滅し、全体の奉仕者としての倫理観とコンプライアンス意識を高め、市民の信頼を得られるように公務員倫理研修の充実に取り組む」とのことです。また、市政運営方針の終わりにも、市長ご自身が「自らが先頭に立ち、全身全霊で市政運営に取り組む」と、決意を述べられています。不祥事の撲滅についても是非、市長ご自身が職員の先頭に立つ姿勢を示して頂きたいと思いますが、市長の決意をお聞かせください。

 

⑥市民参画と協働のまちづくりの推進について

平成25年度の市政運営方針の中では「行政が担う役割と責任を明確にしたうえで、市民自らが主体的にまちづくりに関わり、市民の声を市政に活かせるよう、市民まちづくり基本条例を平成25年度中に制定します」とありましたが、今回は「市民参画と協働のまちづくりを進めるために、地域活動の促進と活性化に向けた支援に継続して取り組みます」となっており、条例制定についてはまったく触れられていません。

これは、条例の制定にこだわるのではなく、これまでからの市民参画と協働のまちづくりの取り組みを着実に進めていくということでよろしいのでしょうか。見解をお聞かせください。

 

⑦中核市への移行について

本市はいよいよ本年4月、中核市へ移行することとなります。移行自体は市民にも周知され、認識も広まっていることが感じられますが、いまだに、移行することによる具体的なメリットについては、市民に伝わっていないように感じます。実際に市民の方からも「中核市になることで、私たちに何かメリットがあるの?」というお話を、よくお聞きします。そこで、市民にとって行政サービスが向上したと実感できるメリットとは何か、改めてお聞きします。

また、中核市移行全般について、市長として、どういう思いを持って取り組んでいかれるのか、これまでの経緯も踏まえて、見解をお聞きします。

 

⑧施設白書の作成について

市政運営方針における「市役所改革を進め、行政力を強化し、市民自治を推進します」の主な取り組みとして、施設白書の作成を掲げていますが、その内容と今後の取り組みについてお聞きします。

 

(2)「安全で安心して暮らせるまちを築きます」について

①下水道浸水被害軽減総合計画の策定について

近年の集中豪雨や台風により楠葉地域においても住宅や店舗など多くの浸水被害が発生しています。今回、店舗に対しても災害見舞金の支給対象として制度の拡充を図られますが、その制度の良し悪しは別として、市民の方が何よりも切望しているのは浸水被害のない街づくりであり、そのためにはさらなるハード対策が必要であると考えています。

来年度には、楠葉排水区において新たな下水道浸水被害軽減総合計画されるとのことですがその内容について、お聞きします。

 

②防犯灯LED化促進事業について

この質問につきましては、昨日の岡林議員と福留議員の質問の中で、事業の内容については一定理解できましたので、私からは要望のみとさせて頂きます。

現在、防犯灯は、自治会等地域が設置、維持、管理されており、市は設置費用の一部や電気料金に対して補助をされていると理解しています。

しかし、市民生活の安全安心の確保の観点で言うと、防犯灯は、地域ではなく市が担うものではないかと考えます。

現在は、本事業を開始されたところですので、今すぐにということにはならないと思いますが、将来的には市が直接、維持・管理され、防犯灯に係る地域負担が無くなるよう要望します。

 

(3)「子どもの健やかな成長と学びを支えます」について

①待機児童の解消について

待機児童の問題については、昨年に引き続きお聞きします。この問題の解消は、少子化の時代にあっても枚方市が「子どもを産み、育て、教育を受けさせたい」と多くの人に感じてもらえることを目指すための根幹部分です。

重要なことは、この4月の年度当初だけでなく、年間を通して待機児童の発生しない状態を継続していくことであり、これこそが多くの若い世代の方たちに、枚方市に魅力を持ってもらい、「住みたい・住み続けたいまち」と思ってもらえるためのキーとなる施策であると考えます。

一方で、保育をとりまく状況としては、平成27年度からの子ども・子育て支援新制度により、保育所の入所要件が緩和され、保育需要が今まで以上に拡大していくことが予想されます。枚方市では、その解決に向け新たな計画策定に取り組んでいますが、待機児童の解消策としては、従来からの取り組みだけでは限界があります。やはり新制度において新たに制度化される小規模保育事業や、既存施設の有効活用とあわせて大きな効果が期待できる幼保連携型認定こども園の実施など、これまで本市が実施していない取り組みが必要です。そこで、今後の保育需要と市の取り組みについて、見解をお聞きします。

 

②学校施設整備計画の策定について

「今後、多くの学校が施設の更新時期を迎えることから、中長期的な視点に立った学校施設整備計画を策定し、財政負担の平準化を図りながら教育環境の整備に取り組みます」とありますが、学校施設整備計画はどのような考え方に基づいて策定をされるのか、お聞きします。

また、今後、少子化で児童・生徒数が減少していくことが予想されますが、今回の計画が将来の状況を踏まえたものとなるのか、お聞きします。

 

③新学校給食共同調理場の整備について

新学校給食共同調理場の整備については、先日の文教委員協議会で、中学校給食の炊飯を外部委託とし、炊飯設備は導入しないとの報告がありました。

私どもの会派では、中学校給食に関するこの間の議論の中で、新たな調理場を整備しなくても、すべて外部委託で中学校給食は実施できると、当初から主張してきました。実際に近隣の自治体では、ご飯もおかずもすべて外部委託を行っている事例が多くあります。

その一方で市は、佐賀市で実施されている選択制の共同調理場ランチボックス方式が現実的な手法であると判断し、佐賀市と同様に温かい給食を提供するためには、共同調理場を整備することが必要と一貫して主張してきました。

それにも関わらず、先の文教委員協議会では「外部委託の実績のある小学校給食と同様に、中学校給食も炊飯を外部委託する」との方針が示されました。当初の見込み額から大きく膨らんだ初期経費を抑えるために、炊飯を外部委託するとのことですが、そんなに初期費用の抑制にこだわるなら、そもそも調理場を整備するのではなく、最初からすべて外部委託でもよかったのではないかと思えてきます。

一体、どのような考えから、炊飯を外部委託にすることとしたのか、見解をお聞きします。

 

(4)「都市基盤整備の推進と市内産業の活性化を図ります」について

①枚方市駅周辺再整備ビジョンについて

市政運営方針において、「枚方市駅周辺再整備ビジョンについては、地域に関わる方々と連携を図りながら実現に向け取り組みを進める」とありますが、具体的にどのように取り組みを進めようと考えているのか、お聞きします。

 

②産・学・医療・福祉の連携による新たな医療産業の創出について

昨日の岩本議員の質問で、制度の拡充については一定理解をさせて頂きました。

不要な補助金制度が数多い中、産業振興で市が担うべき仕組みづくりである、地域資源を活かしたマッチングへの取り組みも含めて、この取組みがうまく発展していけば市の産業振興にとって大変有意義であると感じていますが、では、具体的にはどのような事業を対象として想定しているのか、また今後本事業をどのように発展させていくのか、見解をお聞かせください。

 

(5)「市民の健康と福祉、平和と人権を守ります」について

①市立ひらかた病院について

この秋に開院を控える「市立ひらかた病院」ですが、いよいよ外壁の足場もはずされ、建設工事も総仕上げの段階に入ってきていると思います。

現在、委託業者の選定作業をはじめ、新病院の運営に係る準備のほうも進められているとのことで、新病院に対する期待も大きなものとなっています。

しかしながら、昨年の代表質問でもお話ししましたように、市民病院の建て替えについては、大きな期待とともに、大きな不安を持っています。なぜなら、建設工事をはじめ医療機器等の購入に非常に多額の資金を投じており、減価償却費や企業債の償還、支払利息の負担も現在とは比べものにならないほど増加し、病院経営を圧迫することになるからです。

将来、新病院が大きな赤字を発生させ、その補填を一般会計がしなくてはならないような事態になれば、本市の財政にも大きな影響を与えます。

公立病院である以上、二次救急医療、災害時医療、小児・周産期医療などの不採算となりがちな、いわゆる政策的な医療を担うことも求められますが、市民の命と健康を守る医療を充実させ、公立病院として担うべき役割を果たしていくためには、経営の健全化は不可欠であり、そのためには、通常の診療だけではなく、例えば、新病院で充実を図られるという人間ドックや健診業務につきましても、結果を伝えてそれでおしまいということではなく、次の診療に繋げていくような取り組みなども必要かと思います。

そこで、今後、新病院の経営が市の財政に悪影響を与えることがないようにするために、どういった取り組みをされるのか、改めて見解をお聞きします。

 

(6)「地球環境とともに、地域の自然や住みよい環境を守ります」について

①ごみ処理施設整備基本構想の策定について

市政運営方針では「将来のごみ処理施設の整備に向けて、効率的なごみ処理体制を確保する観点から、ごみ処理施設整備基本構想を策定します」とあります。

現在、ごみ処理施設整備基本構想については、廃棄物減量等推進審議会に諮問し検討されていることと思いますが、その進捗状況について、お聞きします。

また、京田辺市から協議の申し入れのあった、ごみの広域処理の可能性について、具体的にどの様なことをどの様に検討されるのか、お聞きします。

 

②減量化に向けた一般家庭ごみ有料化の検討について

私たちの会派では、事業者の排出者責任に基づく事業系ごみの処理手数料の見直しを求めてきました。そうした中で、平成25年10月からごみ処理手数料の改定が実施されました。

今回は「ごみの減量・リサイクルを推進するため、一般家庭ごみ有料化について、北河内各市と連携しながら、検討を進める」とのことですが、廃棄物処理法上では、事業系ごみについては、その処理は事業者に責務があり、ごみ処理経費の適正な負担が求められると考えますが、一般家庭ごみについては、一義的には、その処理責任は市が負うものとされていると考えます。

事業系ごみの処理手数料も経費全額の徴収がなされていない現状を考えれば、一般家庭ごみ有料化の検討については、その効果も含め、ごみ処理責任のあり方から事業系ごみ処理手数料とのバランスなども考慮しながら、慎重に議論する必要があると考えますが、見解をお聞きします。

 

(7)歴史・文化を活かし、魅力あるまちづくりを推進しますについて

①総合文化施設整備事業について

総合文化施設については、総務常任委員会において所管事務調査が実施され、その報告の中では、ホール機能のみを備えた単体施設ではなく、それ以外の施設を複合することで、特徴ある施設とすること。また、委員会が想定している複合施設とは、カフェやコンビニ程度が入ったものではないといった提言がありました。

しかしながら、先ごろ示された整備計画(案)では、そういった内容が反映されておらず、これでは、文化を活かした魅力あるまちづくりができないのではないかと考えますが、見解をお聞きします。

 

②美術館の開館に向けた取り組みについて

今回の美術館の件につきましては、香里ケ丘中央公園に建設を予定しているとのことですが、なぜ、アクセスが便利である総合文化施設の中ではいけないのでしょうか。香里ケ丘中央公園は市域全体から見るとアクセスの面で問題があり、駐車場も十分には確保できないと考えますが、見解をお聞きします。以上で1回目の質問を終わります。


【竹内市長 答弁1回目】

 

1.市政運営の方向性について

私は、これまで、健全な財政運営を基本に、防災・危機管理体制の強化など、市民生活を支える施策を着実に実行するとともに、都市ブランドである健康医療、教育文化に関わる施策を推し進めてまいりました。そうした施策の充実により、単に「住みたい・住み続けたい」と感じていただくだけでなく、真に「枚方市に住んでよかった」と思って頂けるまちをイメージしています。

 

2.本市を取り巻く状況と課題について

(1)構造的な課題と財政の健全性の維持について

財政の健全性を維持し、市政運営における課題に柔軟に対応していくためには、将来負担にも配慮した財政運営を行う必要があると考えておりますが、臨時財政対策債につきましては、地方財政対策上、地方交付税の振り替わりの措置であることから、本市におきましても一定の行政サービスを提供していくにあたり必要となる貴重な一般財源でございます。財政規律の確保にあたっては、長期的な視点に立って、臨時財政対策債を含めた地方債残高全体に留意し、今後とも適正な公債費の維持に努めてまいります。

 

3.まちづくりの基本方向について

(1)「安全・安心社会の実現」について

①減災対策の考え方について

災害時において、一番大切なことは命を守ることであり、とりわけ、阪神淡路大震災以降、自助・共助の重要性について、全国民が認識しなければならないことと位置付けられました。

こうした中、行政が果たすべき役割で重要なのは、ソフト対策では防災教育や啓発事業により、自助・共助を理解していただくとともに、要援護者支援、情報伝達手段の充実などにより、災害時には全市民が確実に避難できるような仕組みを整えることであり、また、ハード対策としては、施設の耐震化や浸水対策などを講じることだと考えております。

これらの事を踏まえ、平成26年度は、ソフト面では、地域防災計画の修正及び業務継続計画いわゆるBCPの策定のほか、内水ハザードマップの作成や同報系防災行政無線のデジタル化等による情報伝達手段の充実、止水板設置にかかる助成制度の創設、また、ハード対策としては、下水道浸水被害軽減計画に基づく雨水貯留施設整備の着手やポンプ場の排水能力の向上などについて行政として取り組みを進めてまいります。

 

(2)「都市の魅力を活かした都市ブランドの確立」について

①文化芸術振興施策の考え方について

平成23年2月に閣議決定された国の文化芸術の振興に関する基本的な方針において、文化芸術は人々が心豊かな生活を実現していく上で不可欠なもので、国民全体の社会的財産であり、創造的な経済活動の源泉、「ソフトパワー」であると、その意義が位置づけられているように、本市が目指す、住み続けたい、誇れるまちづくりにとって不可欠なものと考えております。

先日、議員研修の際の平田オリザさんの講演にありましたように、文化芸術には社会包摂の役割もあり、様々な社会的課題を解決する重要なツールにもなりえるもので、その振興を図ることは重要であると考えています。

 

(3)戦略的な視点に立った都市経営について

①多くの方から選ばれるまちについて

先日取りまとめた人口推計調査では、本市の人口は30年後に約8万人の減少が見込まれおり、そうした人口減少時代を迎える中にあっても、いかにして定住人口を確保していくかが、大きな課題であると考えています。そうした観点から、大阪で住むなら、京阪神で住むなら「枚方市」と選んで頂くことを念頭に、近隣市はもとより、大阪府、京阪神という広域なイメージをしております。

また、「多くの方々」という言葉には、今、枚方市にお住まいの方々にこれからも住み続けて頂くとともに、市外の方々にも枚方市の魅力を感じ、積極的に移り住んで頂きたいという思いをこめています。

 

4.平成26年度の主要施策について

(1)市役所改革を進め、行政力を強化し、市民自治を推進しますについて

①戦略本部の設置について

戦略本部は、トップマネジメントを補佐する全庁横断的な特別組織として設置するもので、都市ブランドの推進や市駅周辺の再整備など、市政の重要施策や課題に係る、情報収集や分析、それを踏まえた戦略の立案、及び各部への伝達、また、関係機関等との協議・調整を担うこととしています。

こうした機能に特化した組織とすることから、戦略本部長を含め、その人員については、円滑な任務遂行に必要な職制とし、その職にふさわしい人材を選任してまいります。

 

②新たな改革改善サイクルの構築について

事務事業総点検につきましては、外部有識者による評価や公開ヒアリング等を行うことで、職員の改善・見直しに対する意識の向上につながったこと、また、取り組みによる効果額の当初予算への反映など、一定の成果があったと考えています。その一方で、2年間で本市のすべての事務事業を対象としたことによる、時間的な制約等の課題もありました。

こうしたことを踏まえて、「新たな改革・改善サイクル」では、点検・評価に必要な時間を確保するとともに、見直し・改善を行う事業については、その効果額やサービス水準など具体的な目標を設定し、部の運営方針へ掲載するなど、より充実した仕組みとする考えです。

平成26年度においては、まず、外部評価員を選任し、その外部評価員と所管部署で事業の選定を行ったのち、点検・評価を進めてまいります。

 

③生涯学習施設と図書館の複合施設への指定管理者制度の導入について

生涯学習施設と図書館の複合施設については、市民サービスを充実させるとともに、効率的な管理運営を行うために、具体的な課題の整理を行い、指定管理者制度の導入に向けて準備を進めていきます。

 

④職員定数基本方針の策定について

まず、1点目の職員の定年退職後の雇用のあり方につきましては、雇用と年金の確実な接続が求められる中、国においては段階的に定年を65歳まで引き上げる定年延長が検討されていることから、今後も国の動向に注視しつつ、組織活力を維持し、高齢職員の給与水準に着目しながら能力を最大限活用できる制度の構築について検討を進めてまいります。

次に、2点目の女性職員の管理職への登用拡大につきましては、これまでから施策評価制度において目標を設定し、拡大に努めてきたところですが、今後も、職域の拡大を図るとともに、女性職員が働きやすい職場環境づくりに努めるとともに、意欲と能力のある女性職員の積極的な登用を図ってまいります。

3点目の技能労務職員の今後の採用の考え方につきましては、技術労務職場の今後のあり方の検討を引き続き行うとともに、職員定数基本方針の計画期間内に反映できる内容については基本方針に反映させて参ります。

 

⑤公務員倫理に関する研修の充実について

職員による不祥事につきましては、公務員全般の信頼を損ねるものであり、私自身、非常に残念に思うとともに、市民の信頼を得るためにも撲滅に向けて強い決意で臨んでいきたいと考えております。今後も組織のトップとして、各職場に出向くなど、様々な機会を捉えて職員に私自身の強い思いを発信し、浸透させていくことで、私の姿勢を示していきたいと考えております。

 

⑥市民参画と協働のまちづくりの推進について

条例については、審議会で議論を重ねていただき、昨年11月に答申を受けたところですが、市民、関係団体や議会の中で、様々なご意見をいただいております。

このことから、条例につきましては、論点の整理を行っているところでございます。

また、市民参画と協働の取り組みとしましては、防災訓練におけるNPOとの連携、環境や福祉的な側面での地域や事業者などとの連携、協力による事業など、これまでの取り組みをさらに充実、拡大してまいります。

 

⑦中核市への移行について

中核市移行による市民にとってのメリットについては、大阪府から移譲を受ける保健衛生や福祉・環境・教育など多岐にわたる事務を本市が担うことで、手続きの短縮化が図られることなどでございます。

また、こうした権限を活用することで、将来の魅力ある枚方を築くことができる、そのことも市民にとってのメリットであると考えています。

こうした考えのもと、この間、4月1日の中核市移行に向けて、着実に準備を進めてきたところです。今後、多くの市民に「中核市になって、さらに良いまちになった」と思っていただけるよう、中核市ひらかたの飛躍に向け、市長としてさらに努力してまいる所存です。

 

⑧施設白書の作成について

施設白書は、土地や建物にかかる基本的な物件情報だけでなく、市有財産を都市経営上の資源と捉え、コスト情報やサービス情報を一元的にまとめ施設ごとに整理・集約したもので、この施設白書を基礎資料として、全庁横断的に市有財産の課題等を的確に把握し、より一層の有効活用を推進してまいります。

 

(2)「安全で安心して暮らせるまちを築きます」について

近年、計画降雨を上回る集中豪雨が発生しており浸水被害の軽減を図る目的とした国の制度を活用し、その採択基準を満たしている、南部地区の蹉?排水区において、平成25年度に下水道浸水被害軽減総合計画の策定を行いハード対策として4箇所の雨水貯留施設の整備やソフト対策としての土のうステーション設置などを計画しました。

平成26年度には、北部地区の楠葉排水区においても、南部地区の蹉?排水区と同様に、公共施設などへの雨水貯留施設設置を含めた効果的な対策を検討し、下水道浸水被害軽減総合計画の策定を進め、被害の軽減に努めてまいります。

 

(3)「子どもの健やかな成長と学びを支えます」について

①待機児童の解消について

今後の保育需要については、現在、策定中の新計画において、国から示された手法により実施したニーズ調査結果などを基に、枚方市子ども・子育て審議会のご意見をききながら示してまいります。あわせて、保育需要に応えるため、既存の取り組みに加え、閉園される幼稚園の有効活用や新たな幼保連携型認定こども園、小規模保育施設など、様々な手法による取り組みについても新計画にお示ししてまいります。

 

③新学校給食共同調理場の整備について

中学校給食につきましては、「温かく栄養バランスのとれた、安全で安心なおいしいランチボックス方式の給食」を安定的、継続的に提供していくために、新たな共同調理場を整備することが必要と考えており、共同調理場整備費用の縮減を図るとともに、本市の小学校給食における実績を踏まえる中で、中学校給食の炊飯についても同様の手法をとることが必要と判断したものです。

 

(4)「都市基盤整備の推進と市内産業の活性化を図ります」について

①枚方市駅周辺再整備ビジョンについて

枚方市駅周辺再整備ビジョンの具体的な取り組みにつきましては、昨年8月に、本ビジョンの実現に向けた取り組みを推進するために設置した、枚方市駅周辺再整備ビジョン推進委員会を中心に、交通環境や市街地整備、また、賑わい・商業といった内容の具体化について検討を進めてまいります。

また、ビジョンをより具体的で積極的に進められるよう、国、府、大阪府住宅供給公社などの関係機関や地元権利者等と今後のまちづくりについて課題の共有化を図りながら、検討組織等の設立に向けた支援等を行ってまいります。

 

②産・学・医療・福祉の連携による新たな医療産業の創出について

「新産業創出支援事業」の拡充における対象事業としては、これまで本市で取り組んでいる情報交換会を契機とした製品の研究開発事業、医療機関・施設における課題の解決に向けた製品の研究事業、あるいは市内大学との共同開発等が想定されますが、民間の方の柔軟なアイデアによる健康・医療関係の研究開発等に期待しているところです。

今後は、情報交換会を初めとしたマッチング及び医産学連携の仕組みづくりに加えて、枚方発の健康医療分野における新産業創出を支援することで、都市ブランド「健康・医療都市ひらかた」を産業振興の観点から盛り上げていきたいと考えております。

 

(5)「市民の健康と福祉、平和と人権を守ります」について

①市立ひらかた病院について

まず、建替え後の新病院の経営見通しについてですが、医療スタッフ確保のための人件費や減価償却費、企業債利息の増加など、新病院開院に伴う費用の増加につきましては、中期経営計画でも見込んでおります。

そして、それらの増大する費用を賄うために、新病院におきましては、放射線治療をはじめとするがん治療や、身体にやさしい内視鏡手術などの特色ある医療をさらに充実させることで診療単価を引き上げるとともに、情報発信や地域連携の強化により入院患者数の増加を図り、合わせて、健診業務につきましても、さらなる充実を図り、患者の獲得につなげてまいります。

そうした取組を進めることにより、病院経営の健全化に努めていきたいと考えております。

 

(6)「地球環境とともに、地域の自然や住みよい環境を守ります」について

①ごみ処理施設整備基本構想の策定について

ごみ処理施設整備基本構想は、昨年9月に廃棄物減量等推進審議会へ諮問を行い、穂谷川清掃工場第3プラントの後継施設の整備に必要な基本的な事項を検討しています。現在は学識経験者4名による検討部会で、ごみ処理の現状やごみの将来予測、最新技術の動向などを議論検討していただいており、本年9月頃に答申をいただく予定です。

また、京田辺市から申入れがあった、ごみの広域処理の可能性については、京田辺市甘南備園のごみ処理施設の後継施設検討にあたり、枚方市との広域処理の可能性について協議検討したいとするもので、両市で課題整理等を行いながら、審議会において、ごみ処理施設整備基本構想の検討の中でご議論いただく予定です。

 

②減量化に向けた一般家庭ごみ有料化の検討について

一般家庭ごみの有料化について、将来のごみ減量施策の選択肢の一つであり、その効果やごみ処理責任のあり方等も含めて北河内各市と連携しながら、検討を進めていく必要があると考えております。

 

(7)歴史・文化を活かし、魅力あるまちづくりを推進しますについて

①総合文化施設整備事業について

総合文化施設については、これまでから複合施設での整備を検討してまいりました。

このため、今回、整備計画を策定する中で、民間企業の参画意向確認に加え、PFI導入可能性調査においても意向確認を行い、さらには、総務常任委員会の中間報告を受け、再度、民間企業に対してヒアリング調査を実施してまいりました。

その調査対象としましては、大手建築・設計事業者や商業コンサルタント、デベロッパーや市駅周辺商業者など、多方面に対して実施したものです。

これらの調査結果からは、大規模な商業施設の建設の可能性や市の財政負担を軽減できる提案は見出せませんでした。

その結果を踏まえ、今回の整備計画(案)では、一定の集客が見込め、かつ、単なるカフェやコンビニ程度ではない事例を調査し、イメージとして示したところです。

 

②美術館の開館に向けた取り組みについて

本市としましては、香里ケ丘中央公園において美術館を新たに運営することによって、本市の美術施設の主たる役割を「鑑賞・発表・創作」の三機能に区分した上で、互いに連携しあいながら市民の美術活動を重層的に支援することで、文化を活かしたまちづくりを、市域全体で進めてまいりたいと考えております。また、駐車場につきましては、一定の台数を確保してまいります。


【南部教育長 答弁1回目】

 

(3)「子どもの健やかな成長と学びを支えます」について

②学校施設整備計画の策定について

本市では、多くの学校施設で建築後相当年数が経過し、老朽化が進行しています。

今後、施設の更新が一定期間に集中することから、財政負担の平準化やコストの縮減を図りつつ、時代のニーズに適した教育環境の質的向上等に向けた学校施設へ更新していく考えです。

なお、策定にあたりましては、児童生徒数の推移を踏まえた適切な施設の確保に努めてまいります。


【かじや 質問2回目】

 

2.本市を取り巻く状況と課題について

(1)構造的な課題と財政の健全性の維持について

それでは、2回目の質問と要望をさせて頂きます。

まず、構造的な課題と財政の健全性の維持について2回目の質問をします。臨時財政対策債は、国が地方財政対策において財源不足が生じた場合に、地方交付税の代替措置として導入している臨時の制度ですが、平成13年度に導入の後、3年ごとに延長され現在に至っており、制度として恒常化してしまっているのが現状です。こうした、国の財源不足を地方の負債とする制度は将来への負担の先送りであり、今後この制度がどのように継続されていくのか、巨額の国債残高を抱える国の財政状況を考えると非常に心配されるところです。

今年2月に策定された「長期財政の見通し」では、平成25年度末の地方債残高見込みは約970億円で、その内、半分を超える約518億円が臨時財政対策債となっております。さらに、平成26年度当初予算でも79億円が計上されており、「長期財政の見通し」の最終年度である平成34年度まで年々増加していく見込みとなっています。こうした状況を踏まえると、一部先進市で行われているように、年々増加する臨時財政対策債の発行を抑制するなど、財政規律を維持していくべきと考えますが、見解をお聞きします。

 

3.まちづくりの基本方向について

(1)「安全・安心社会の実現」について

①減災対策の考え方について

次に、減災対策の考え方について要望します。自助・共助・公助という考え方の中で、行政の責任において果たすべき役割は何なのか、やはりハード対策をしっかりとやって頂く、その上で自助・共助に対する側面支援ということになってくると思います。しかし、このような優先順位に疑問符がつくような施策も見受けられます。今後は、しっかりと行政の役割を認識し、限られた財源の中で「選択と集中」を行って上で、減災対策を着実に進めていってもらうよう要望します。

 

(2)「都市の魅力を活かした都市ブランドの確立」について

①文化芸術振興施策の考え方について

次に、文化芸術施策の考え方について2回目の質問をします。今回の市政運営方針では、まちづくりの基本方向についての中で、都市ブランドの確立を取り上げていますが、何か方向性が違うと感じます。  例えば、若い方たちが枚方市に移住を考える場合に「文化施策の充実」を優先的に考え、判断するものでしょうか。文化芸術の振興については否定するものではありませんが、わざわざ条例の形にし、市民の役割まで規定する必要があるのか、見解をお聞きします。

 

(3)戦略的な視点に立った都市経営について

①多くの方から選ばれるまちについて

次に、多くの方々から選ばれるまちについて2回目の質問をします。先日、総務省が公表した「住民基本台帳人口移動報告」によると、平成25年の枚方市の転出超過数は、全国8位と大変残念な結果が出ていました。先ほど、大阪府、京阪神でというご答弁がありましたが、大阪府内の同規模の自治体でも、吹田市は反対に転入超過数で全国10位、豊中市は13位と転入増を記録しています。また、本市の人口推計調査報告書によると、ここ十数年は転出超過の傾向が続いています。

私はこの数値を見たときに、大変な危機感を感じました。すでに「都市間競争」の勝ち組、負け組が固定化しつつあるのではないかということです。本市のおかれている状況は大変厳しいと思いますが、市長はこのような劣勢をどのように挽回し、「都市間競争」に打ち勝とうとしているのか、お聞きします。

 

4.平成26年度の主要施策について

(1)市役所改革を進め、行政力を強化し、市民自治を推進しますについて

①戦略本部の設置について

次に、戦略本部の設置について要望します。戦略本部は、トップマネジメントを補佐する全庁横断的な特別組織ということです。それならなおさら、行政の枠にとらわれない優秀な人材が必要となってきます。せひ、民間で実績のある方々を戦略本部の中心メンバーとしてお招きして、組織を構成して頂きますよう要望します。

 

③生涯学習施設と図書館の複合施設への指定管理者制度の導入について

次に、生涯学習施設と図書館の複合施設への指定管理者制度導入について要望します。せっかく、図書館に指定管理者制度を導入すると言っているにも関わらず、市長の答弁からは、その思いがあまり伝わってきません。これから検討するに当たって課題がたくさん出てくるとは思いますが、せっかく民間活力を導入するわけですから、陳腐なものではなく、明らかに市民サービスが向上したと実感でき、利用者向上に繋がるような素晴らしい夢のある施設にして頂くよう要望します。

 

⑤公務員倫理に関する研修の充実について

次に、公務員倫理に関する研修の充実について2回目の質問をします。現在、本市では、一般職の職員を対象とした「公正な職務の執行の確保及び倫理の保持に関する条例」、いわゆる倫理条例を制定されています。職員が補助金の交付を受けている者から金銭を受け取った場合は、条例の禁止行為に当たり条例違反となるわけですが、市長や市長の後援団体が、市から補助金の交付を受けている団体の役員から金銭を受け取った場合や、供応及び接待を受けた場合における、禁止規定がありません。

「自ら先頭に立つ」という市長の強い決意を職員に示すためにも、せめて職員と同程度の規定が必要ではないでしょうか。そこで、市長自身を対象とした倫理条例を制定されてはどうかと考えますが、見解をお聞きします。

 

⑥市民参画と協働のまちづくりの推進について

次に、市民参画と協働のまちづくりの推進について2回目の質問をします。条例制定を拙速に進めることなく、これまでからの施策を着実に進めていくという判断は、賢明であり、その柔軟な姿勢は一定評価できます。

しかし、早急に課題を解決しなければいけないケースもあります。市が地域の窓口として、また協働のパートナーとして位置付けている校区コミュニティ協議会については、その運営や活動について、これまでからも様々な課題を議会の中で指摘してきました。例えば、市から補助金の交付を受けているある校区コミュニティ協議会の会長が、特定の政治家の後援団体に多額の献金を行っている、一部の地域で組織を政治的に利用しているなどの問題も報告されています。

市が地域の窓口として位置付け補助金を交付するのであれば、特に組織の民主的な運営や、政治と一線を画した政治的な中立性が絶対条件だと思いますが、今後の校区コミュニティ協議会のあり方について、市長の見解をお聞かせください。

 

⑧施設白書の作成について

次に、施設白書について2回目の質問をします。先ほど、市有財産の有効活用への取り組みを一層推進していくという答弁を頂きました。

そこで、有効活用及び財源確保の観点から取り組みを進めている来庁者・利用者用駐車場の有料化、また、これまで私たち会派から質問してきた職員会館における職員組合事務所の行政財産使用料徴収について、改めて市長の見解をお聞きします。

 

(2)「安全で安心して暮らせるまちを築きます」について

①下水道浸水被害軽減総合計画の策定について

次に、下水道浸水被害軽減総合計画の策定について要望します。浸水被害については、多くの議員からの指摘もあり、計画の策定が進んでいるようです。

一時的な、特定の方を対象とする災害見舞金の拡充は、様々な問題があるように思いますが、行政の基礎基本である基盤整備については、ピッチを上げて取り組んで頂きますよう重ねて要望します。

 

(3)「子どもの健やかな成長と学びを支えます」について

①待機児童の解消について

次に、待機児童の解消について要望します。現在、枚方市子ども・子育て支援事業計画の策定の中で、保育需要の検討がされていると思いますが、今後の保育需要については、現状や社会状況を見極め、しっかりと需要予測を行って頂きたいと思います。

その上で、供給体制が今以上に必要となってくることが予測されますので、今から小規模保育施設や幼保連携型認定こども園の早期の設置に向けた取り組みを全力で行い、待機児童が生じることがないよう要望いたします。

 

②学校施設整備計画の策定について

次に、学校施設整備計画の策定について要望します。今後の少子化による児童・生徒数の推移や、老朽化した施設の整備に係る財政的な負担を考えると、学校の統廃合は避けて通れない課題です。

統廃合には、児童・生徒やその保護者だけでなく、地域の方の理解も必要となってきます。これらのプロセスには、長い時間がかかることから、老朽化した施設整備の取り組みとともに、早期に統廃合についての考え方や具体的な学校名を示して頂くよう要望します。

 

③新学校給食共同調理場の整備について

次に、新学校給食共同調理場の整備について要望します。中学校給食の実施は竹内市政2期目の大きな目玉施策であったはずですが、この様に方針が大きく迷走しているのを見ると、本当に思いがあってやっているのか疑問に感じます。。

繰り返しになりますが、初期費用の抑制にこだわるのであれば、私たちが当初主張していたように、すべて外部委託にすればよかったのではないでしょうか。本当に佐賀市のように、市の調理場で調理をした、「温かく栄養バランスのとれた安全で安心なおいしい給食」を提供したいという思いが強いのであれば、初期費用にこだわることなく、施策の「選択と集中」で財源を捻出するべきです。今後、迷走することのないよう、当初の理念通りの給食を実施して頂きますよう、要望します。

 

(4)「都市基盤整備の推進と市内産業の活性化を図ります」について

①枚方市駅周辺再整備ビジョンについて

次に、枚方市駅周辺再整備ビジョンについて2回目の質問をします。現在、市庁舎は数か所に分散しており、市民の方の中には、市役所本庁舎に来られて初めて他の建物に目的の窓口があることを知り、引き帰す方もおられるなど、市民サービスが極めて低下している状況となっています。

また、本市は4月に中核市に移行し、業務も拡大しますが、手狭となった庁舎という器を大きくするにも、現在の老朽化した市役所では、高度化を図って増築する訳にも行かず、建替えするしかありません。さらに、防災拠点という観点からも、老朽化した現在の本庁舎では大きな不安があります。

それに加えて、この市駅周辺地域を魅力と賑わいのあるまちとするためには、積極的な民間活力の導入が欠かせませんが、そのためには市が民間の心を掴むような具体的な計画を示すことが不可欠となります。

これらの課題を解決するためには、例えば、分散している庁舎機能をひとつに集約するとともに、官公庁団地において府民センターや国の施設と合築することによって、空いた公有地の土地利用を優れた民間の提案に任せるといったような計画を早期に具体化する必要があります。総合文化施設だけが先行するような案だけでは、ビジョンに示す連鎖型のまちづくりは進まないと考えます。

そこで市長として、この枚方市駅周辺のまちづくりの方向性をどのように考えておられるのか、見解をお聞きします。

 

②産・学・医療・福祉の連携による新たな医療産業の創出について

次に、産・学・医療・福祉の連携による新たな医療産業の創出について要望します。市がきっかけを作ることで、健康・医療、或いは福祉関連のビジネスの創出に繋げることができれば、枚方発のブランドによる産業の活性化に繋がるだけでなく、市内の医療・福祉サービスの質の向上、また雇用の創出が図られることで、枚方の魅力を広く発信できる原動力になるものと思われます。

今後、事業を進めるに当たっては、効果的・効率的に取り組んで頂きますよう要望します。

 

(5)「市民の健康と福祉、平和と人権を守ります」について

①市立ひらかた病院について

次に、市立ひらかた病院について2回目の質問をします。新病院の開院にあたり、減価償却費や企業債利息などの費用が増加すること、また、それらが既に経営計画に織り込み済みであることは理解しました。しかし、市民病院では、平成23年度、24年度と赤字決算が続いています。経常的な収支の黒字化につきましては早急に達成して頂きたいと思います。

それでは、次に、減価償却費といった新病院開院に伴い一時的に増加する費用を除いた経常的な収支については、どのように見込んでいるのか、お聞きします。

 

(6)「地球環境とともに、地域の自然や住みよい環境を守ります」について

①ごみ処理施設整備基本構想の策定について

次に、ごみ処理施設整備基本構想の策定について要望します。本市の東部清掃工場では年間7万トン、穂谷川清掃工場では年間3万トン、京田辺市の甘南備園では1万7000トンのごみ処理を行っているとお聞きしています。

今回の京田辺市から申し入れのあった、ごみの広域処理の可能性については、穂谷川清掃工場と甘南備園を合わせた施設ということでの検討になると思いますが、建設コスト等、将来性も合わせて、市民にとってメリットのあるもとのなるように検討して頂くよう要望します。

 

(7)歴史・文化を活かし、魅力あるまちづくりを推進しますについて

①総合文化施設整備事業について

次に、総合文化施設について2回目の質問をします。総務常任委員会の中間報告を受け、民間企業へのヒアリング調査を実施したとのことですが、この報告の中では、市長自らがトップセールスにより企業等への働きかけや誘致を行うべきといった意見がありましたが、今回、市長はトップセールスを行ったのでしょうか、お聞きします。

 

②美術館の開館に向けた取り組みについて

次に、美術館の開館に向けた取り組みについて2回目の質問をします。寄附者が建設される美術館については、その施設の内容や、併せて寄附される美術品などの全貌が現状では分かりませんが、市長はこのことについて、どのようにお考えでしょうか、見解をお聞きします。以上で2回目の質問を終わります。


【竹内市長 答弁2回目】

 

2.本市を取り巻く状況と課題について

(1)構造的な課題と財政の健全性の維持について

鍜治谷議員の2回目のご質問にお答えいたします。

地方財政対策において、財源不足を補うために設けられている臨時財政対策債は、地方自治体が一定水準の行政サービスを維持するうえで不可欠な一般財源ととらえており、本市においても今のところ全額を借入れていますが、臨時財政対策債を含めた地方債全体の発行額については、減債基金を活用し抑制を図っているところです。また、今後の予期せぬ収入減などにも備えるため、財政調整基金や減債基金などの基金も十分な残高を積立てるとともに、「地方公共団体の財政の健全化に関する法律」に基づく実質公債費比率も良好な現行水準を保つなど、将来も見据えて財政規律の維持に努めてまいります。

 

(2)「都市の魅力を活かした都市ブランドの確立」について

①文化芸術振興施策の考え方について

先ほども申し上げました文化芸術が果たす役割は大きく、行政だけでなく、市民、芸術家、事業者等が連携してその振興に取り組むためには、条例化によって共通の認識と目標を掲げる必要があると考えています。

また、市民の役割についてですが、文化芸術を生かしたまちづくりを進めていく上で、主役を担うのは市民であり、市民の皆さんに積極的に関心を持っていただき、様々な形で参加しその喜びを享受してもらいたいとの考えから規定をしています。

 

(3)戦略的な視点に立った都市経営について

①多くの方から選ばれるまちについて

議員お示しの総務省の発表については、全国で本市も含めて7割以上が転出超過となっています。その一方で、転入超過となっている都市については、大都市における高層マンションの建設によるものや郊外にある団地の集約・高層化などにその一因があるのではないかと考えているところです。しかしながら、転出超過となっている本市の状況を、長期的な視点で分析も行いながら今後の政策に生かしていきたいと考えています。

 

4.平成26年度の主要施策について

(1)市役所改革を進め、行政力を強化し、市民自治を推進しますについて

⑤公務員倫理に関する研修の充実について

市長を対象とした倫理条例の制定についてお答えします。

特別職である市長は、地方自治法、公職選挙法や政治資金規正法といった法律において律せられることはもとより、本市におきましては「政治倫理の確立のための枚方市長の資産等の公開に関する条例」を制定しているところです。

 

⑥市民参画と協働のまちづくりの推進について

校区コミュニティ協議会は、自主・自立のまちづくりを進めるうえで、重要な役割を担っていただくパートナーの1つであると考えています。

校区コミュニティ協議会の運営等につきましては、市が直接関与すべきではない部分はありますが、その性格上、組織の運営は民主的に行われ、また、政治的には中立であるべきと考えておりますので、様々な機会を捉え、その啓発に努めてまいります。

 

⑧施設白書の作成について

次に、⑧施設白書について、市有財産の有効活用に関してお答えします。

まず、来庁者・利用者用駐車場につきましては、行政改革実施プランでお示ししているとおり、市有財産の有効活用や駐車場管理の適正化等の観点も踏まえ、有料化をめざすこととしています。

現在、施設の個別課題の整理を行っており、対応が可能となった施設から、順次、有料化を実施していく考えです。

次に、行政財産使用料の徴収及び減免の決定については、使用料は原則徴収するとの基本的な方針に基づき、個別具体的な検討を十分に行うこととしており、職員会館についても、この考えのもと、平成26年度の予算計上および執行を含め、適正に運用してまいります。

 

(4)「都市基盤整備の推進と市内産業の活性化を図ります」について

①枚方市駅周辺再整備ビジョンについて

枚方市駅周辺のまちづくりについては、ビジョンに示す連鎖型のまちづくりが進むよう、交通環境の改善等の行政主導の取り組みだけでなく、民間活力も視野に入れた様々な検討・取り組みを行い、ビジョンの早期具体化を図ります。

 

(5)「市民の健康と福祉、平和と人権を守ります」について

①市立ひらかた病院について

中期経営計画でもお示ししておりますように、平成26年度につきましては経常収支の黒字化は難しいと考えていますが、平成27年度以降につきましては、新病院開院に伴い一時的に増加する費用を除きますと黒字化を達成できるものと考えております。

 

(7)歴史・文化を活かし、魅力あるまちづくりを推進しますについて

①総合文化施設整備事業について

今回の調査では、私自身が直接ヒアリングは行っておりませんが、ある企業では、会社を代表する方が直接対応していただくとともに、事前に現地に赴き、調査を行っていただくなど、懇切、丁寧で誠意ある対応をしていただきました。

そうしたことから、今回のヒアリング結果については、事実として受け止めているところです。

今後は、「枚方市駅周辺再整備ビジョン」の具現化について、検討を行っていくことになっておりますが、その中で、市長として最善の行動をとっていきたいと考えております。

 

②美術館の開館に向けた取り組みについて

美術館の施設概要や美術品については、建築面積や延床面積、主な施設の内容、また寄附予定の主な美術作品のリストなどについて、これまでお示ししてきたところでございます。今後とも、美術館の詳しい仕様などにつきまして、市議会の皆様に対して、適宜ご説明させて頂きます。


【かじや 質問3回目】

 

2.本市を取り巻く状況と課題について

(1)構造的な課題と財政の健全性の維持について

3回目は要望のみとさせて頂きます。まず、構造的な課題と財政の健全性の維持について要望します。臨時財政対策債は本当に問題のある制度だと思います。臨時財政対策債が、本来の交付税として措置されていたとすれば、地方債残高は平成13年から約半分に減っている計算になります。

しかし、このようにいくら市が努力をして借金を減らしてきても、国の借金のツケを押し付けられるだけでなく、交付税を人質に職員の給与水準までコントロールされているのです。このような国のひどいやり方に対して、政治家である市長はもっと厳しい意見を表明してもいいのではないかと思います。

一方で、制度だからと言って、赤字地方債である臨時財政対策債を毎年度、発行可能額いっぱいまで借入を行うことは、何度も言いますが将来世代の大きな負担増に繋がります。今後、発行を抑制することも検討して頂くよう、要望します。

 

3.まちづくりの基本方向について

(2)「都市の魅力を活かした都市ブランドの確立」について

①文化芸術振興施策の考え方について

次に、文化芸術施策の考え方について要望します。枚方市文化芸術振興条例については、様々な市民の方々にご意見をお聞きしているのですが、市民の役割つまり「文化芸術を振興する役割を担うよう努める」この言葉に違和感を持たれる方が多く、中にはそのような議論をされていること自体、行政・議会が現在の市民生活から乖離しているのではないかという厳しいご意見も頂きました。

この種の条例は、市民にもきっちりと理解をして頂き、議会が満場一致で制定するべきものであり、環境が醸成されていない現状を鑑みると、時期尚早であると言わざるをえません。もう少し時間をかけて議論されるべきだと申し上げ、要望とします。

 

(3)戦略的な視点に立った都市経営について

①多くの方から選ばれるまちについて

次に多くの方々から選ばれるまちについて要望をします。市長は「住みたい・住み続けたいまち」から「市民が誇れるまち」へと大きく飛躍させると言っておられる一方で、転出超過数は全国でワースト8位。「住みたい・住み続けたいまち」として選んでもらえてないというのが現実です。

市長の答弁からは危機感が感じられませんが、自画自賛をする前に、しっかり現実を見つめることが必要ではないでしょうか。市長には結果が求められている訳ですから、勇ましい言葉だけでなく、数値としての結果を出して頂きますよう、お願いします。

 

4.平成26年度の主要施策について

(1)市役所改革を進め、行政力を強化し、市民自治を推進しますについて

⑤公務員倫理に関する研修の充実について

市長を対象とした倫理条例の制定については、私は特別に厳しい倫理規定を市長に求めている訳ではなく、せめて職員と同程度の規定が必要ではないかと提案しているわけです。市長の先ほどの及び腰の答弁を聞いて、多くの職員は一体どのように受け取ったのでしょうか。

市長が職員に対して、いくら口で公正な職務の執行や倫理の保持を説いても、ご本人が職員と同程度の倫理条例を作ることに躊躇されるようでは、本当にその思いが伝わるのか疑問です。「自らが先頭に立ち」と言っておられる訳ですから、自ら範を示すことが、職員の倫理観やコンプライアンス意識を高めることになり、ひいては市政に対する市民の信頼回復にも繋がると考えます。ぜひとも、市長自身にも、職員と同程度の倫理条例を制定されるよう要望します。

 

⑧施設白書の作成について

職員会館における職員組合事務所の行政財産使用料徴収について、25年度は予算に計上していたにも関わらず、執行が行われませんでした。26年度は、このようなことのないよう、適正に執行して頂きますよう、要望しておきます。

 

(4)「都市基盤整備の推進と市内産業の活性化を図ります」について

①枚方市駅周辺再整備ビジョンについて

ビジョンの具体的な取り組みを優先して進められることが市駅周辺の価値を上げることに繋がり、そのことが市駅北側の価値までも連鎖的に上げることとなります。まさに、このようなことが「戦略的」ということではないでしょうか。

ぜひとも、短期的な視点で総合文化施設だけを進めるのではなく、戦略的な視点を持ってビジョン全体を進めて頂きますよう要望します。

 

(7)歴史・文化を活かし、魅力あるまちづくりを推進しますについて

①総合文化施設整備事業について

今回、市長のトップセールスを期待していたのですが、理解して頂けないようで本当に残念です。

繰り返しになりますが、私たちの会派は、以前より総合文化施設については「枚方市駅周辺再整備ビジョン」の中で進められるべきだとの思いを持っています。

一刻も早く枚方市周辺再整備の青写真を示すことにより民間の投資意欲を高め、それがひいては市駅北側の価値を連鎖的に上げることとなり、今回のニーズ調査の結果が変わってくる可能性もあります。これこそが市長の言われる「戦略的な視点」ではないでしょうか。真の意味での戦略的視点に立った市政運営を強く要望します。

 

②美術館の開館に向けた取り組みについて

今回の代表質問の中でも、この件に関しては、他の会派の代表者の方から「はなはだ疑問」「大変な勘違い」「あとづけ」等の厳しい指摘がありましたが、私たちも心から共感するものであります。

美術館の施設概要や美術品については、すでに示されたということですが、それはお申し出を頂いた方からの「こういう施設を考えておられる」「このような作品のようです」という不確かな報告しかありません。現時点ではそれがどこまで事実であるのか、どれほどの実効性があるのかなどの担保が、行政側からはまったく示されていません。

また、総合文化施設と一体とすることが、なぜだめなのか、理解しがたいものがあります。土地は枚方市が用意をする。年間の運営費も約7000万円との試算ですが、これも枚方市が負担するわけです。今後、慎重に検討を進めて頂くよう、強く求めて、質問を終わります。