平成25年第4回定例会(12月議会) 一般質問


平成25年第4回定例会本会議(平成25年12月12日)で行った一般質問の記録を掲載します。

 

 

(Q1)ふるさと寄附金について

(Q2)協働と参画について

(Q3)指定管理者制度について

(Q4)情報セキュリティーとヘルプデスクについて

(Q5)職員会館について

(Q6)職員採用と給与・人事制度の在り方について

 

※これは正式な議事録ではございません。正式な議事録は、市役所や図書館、市議会のホームページで閲覧することができます。

※質問・答弁の順序は、読みやすいように前後入れ替えて掲載をしています。 

 



(Q1)ふるさと寄附金について

【かじや 質問】

まず「ふるさと寄附金について」お聞きします。

ふるさと寄附金については、12月からインターネットを活用したクレジット収納が開始されました。このことで利便性が向上し、寄附金が少しでも増えればと期待をしておりますが、まだ課題もあると考えます。そこで、枚方市のふるさと寄附金についての考え方と、過去3年間における寄附の実績、またどのくらいの税額控除の適用があったのか、お聞きします。

 

【北村財務部長 答弁】

ふるさと寄附金の趣旨は、「ふるさと」のために貢献したい、応援したいという納税者の思いを実現するための寄附金であり、都道府県や市区町村に2000円を超える寄附を行った場合、個人住民税と所得税の一部が減額される制度です。

本市の過去3年間の実績としましては、平成22年は、約300万円の寄附をいただき、市民税税額控除額は、約500万円でございます。平成23年は、寄附金額約820万円ですが、震災の影響もあり、市民税税額控除額は、約3800万円でございます。平成24年は、高額寄附者の方もあり、寄附金額約6270万円、市民税税額控除額は、約1000万円でございます。

 

【かじや 質問】

まず「ふるさと寄附金について」の2回目の質問をさせて頂きます。

ふるさと寄附金の状況については、昨年の高額寄附者の例外を除けば、枚方市への寄附金総額より税額控除額が上回っているという現状であり、枚方市から他市へ流れている寄附が多いことが分かりました。またそのことから、一部の高額寄附者や震災関連を除いて、まだ制度が十分に周知されていないこと、さらに寄附をされている方からも枚方市が寄附先として選ばれていないということが見えてきます。この制度については、他自治体との競争において、劣勢を強いられている状況です。

さて「寄付白書2012によると、2011年のアメリカの寄附総額は2984.2億ドル、現在のレートで約30兆円、そのうち個人寄付が73%を占めています。一方、日本では、2010年の寄附総額・約1兆1800億円うち個人寄附は約4800億円となっており、震災などの災害時を除けば、まだまだ欧米に比べ個人寄附という行為が十分に根付いていないことが伺えます。

そのような状況の中で、ふるさと寄附金を募るため、特産物などのプレゼントを進呈する自治体もありますが、枚方市についてはこれまでの議会答弁においても、寄附は無償の善意で行われている一面もあることからプレゼントなどの特典を付けない方針だと聞いています。

先ほどの答弁でも、「ふるさと」のために貢献したい、応援したいという納税者の思いを実現するとありましたが、日本において個人寄附という行為が未だ根付いていないという現状で、クレジット収納を導入したり、広報やホームページなどで周知するだけでは、そもそも寄附をする気がない人への動機付けには弱く、税額控除の適用を受けるために確定申告をしなければならない手間を考えれば、これだけで寄附金が大幅に増えるということは期待できないと思います。

「ふるさと」のために貢献したい、応援したいと多くの人に思ってもらうために各自治体が施策を充実させることや、学校教育などを通して寄附に対する考えを根付かせていくことなどは、長期的視点に立てば重要であり、進めていく必要があります。それと同時に、財源不足の中、寄附金を貴重な財源と見て、短期的な視点で寄附金をどのように増やしていくのか、愛着だけで寄附してくれる人が少ない現状で、プレゼントなどの特典を付けるのもひとつの有効な手法であると思います。市内の特産品などを市が買い上げて寄附の特典とすることで、市内産業の支援策にも繋がります。ぜひ、待ちの姿勢ではなく、攻めの姿勢で様々な手法を検討していって頂くよう要望します。

さて、現在、大阪府では私立高等学校に在学されている方への授業料支援補助制度がありますが、これは保護者の個人市民住民税所得割額により基準が設定されており、支援補助金の額が決まるという制度です。

この制度では、ふるさと寄附をすることにより、個人市民税所得割額が下がり、その結果として、支援補助が受けられるというケースがあると聞いています。

そこでお聞きしますが、例えば、年収800万円で、夫婦の一人が働いていて、16歳以上19歳未満の子ども1人と15歳未満の子ども1人の世帯の場合、17万円のふるさと寄附をすることにより、いくらくらいの税額控除が受けられ、市民税所得割額はいくらになるのかお聞きします。

 

【北村財務部長 答弁】

議員お示しの例で、仮に社会保険料を年収の10%として、配偶者控除、扶養控除を適用いたしまして、平成25年度課税で試算いたしますと、市民税の寄附金税額控除額は3万9030円となり、市民税所得割額は25万400円となります。

 

【かじや 質問】

それでは、教育委員会にお聞きしますが、このようにふるさと寄附をしたことで、税額控除が受けられ、個人市民税所得割額が下がったこの世帯の場合、大阪府からの授業料支援補助金は、どのようになるのかお聞きします。

 

【石田教育委員会事務局学校教育部長 答弁】

この事例において、全日制高等学校・高等専修学校の場合、授業料支援補助金は、国の就学支援金11万8800円、府の36万1200円、合計48万円となります。授業料が58万円の学校の場合、保護者負担は10万円となります。また、ふるさと寄附金をしなかった場合は、国の就学支援金のみの11万8800円となり、授業料58万円の学校の場合、保護者負担は46万1200円となります。

 

【かじや 質問】

今回、お示ししたケースでは、枚方市に17万円のふるさと寄附をすることによって、税額控除を受け、個人市民税所得割額が下がり、その結果として高校授業料の保護者負担が46万1200円から10万円に軽減されるとのことで、寄附した額が「倍返し」されることになります。年収や世帯構成などによっても変わってきますが、高校生の子どもが複数いる世帯などは、さらに大きな負担軽減が図れる場合もあります。

分かりやすく言えば、ふるさと寄附をする市民は、結果的に高校授業料の負担軽減がなされて得をする。枚方市も、市民から寄附を受けて得をする。しかし、大阪府だけは補助金の支出が増えて損をするという構図です。

制度を熟知している一部の人たちの間では、ふるさと寄附金と授業料支援補助の2つの制度が繋がることで、結果として負担軽減が図れることが口コミを通じて広がっていると聞いています。しかし、あくまでも一部の口コミであり、行政がこのことを全く広報していないことから、同じような年収や世帯構成にも関わらず、制度に詳しい人と詳しくない人とでは、高校授業料の負担が大きく変わってくるという不公平な状況が生じています。

行政として、このような不公平な状況を是正するためにも、ふるさと寄附金をすることによって、結果として高校授業料の支援補助金が受けられるケースがあることを、もっと分かりやすく周知するべきではないでしょうか。大阪府には申し訳ないですが、そのことによって、より多くの方から寄附金を集めることができ、市の財源確保に繋がるのではと考えますが、見解をお聞きします。

 

【北村財務部長 答弁】

先ほども申しましたように、ふるさと寄附金の本来の趣旨は、ふるさとのために役立ててほしいという思いのもとで、寄附をされる方の善意で行われるものと考えており、本市としても周知に取り組んできたところでございます。

従いまして、府の補助制度に基づく補助金を受けるために、納税者に対しふるさと寄附金をPRすることは、ふるさと寄附金の趣旨にそぐわないものと考えます。しかしながら、ふるさと寄附金をPRしていくことは、重要と考えますので、今後も、本来の趣旨にそって、より多くの方に寄附をしていただけるように、より一層効果的な周知に努めてまいります。

 

【かじや 質問】

寄附をした人が、善意でしているのか、不純な動機でしているのか、行政はどのようにチェックするのでしょうか。実際には、高校授業料の支援補助金を受けるために寄附をしている人もいるわけです。提出書類等の外形的なものからは判断できない、人の心の内面に踏み込むような基準に、果たして実効性があるのか疑問です。

さて、市の国民健康保険料や保育料などその他の多くの制度では、寄附をしたことによって、その金額が変わるということはありません。

しかし、この大阪府の授業料支援補助制度は、ふるさと寄附だけでなく住宅ローン控除など様々な控除によって、補助額が変わることがありえるような「ゆるい」制度になっています。優秀な職員が考えた制度で、まさか抜け穴があるとは思えず、できるだけ多くの子どもが制度の恩恵を受けられるよう、あえて「ゆるい」制度設計にしているのではないかとも推測されます。

それでは、ふるさと寄附を周知し寄附金を増やしていくという点、できるだけ多くの子どもが授業料支援補助制度を活用できるようにするという点、制度に詳しい人と詳しくない人との不公平を是正するという点などを考慮したときに、例えば進路相談等で教育現場において、保護者等にこの制度を分かりやすく周知していくことができないのか、教育委員会の見解をお聞きします。

また、支援制度の所得基準の設定について、実際に保護者から問い合わせを受けた場合、学校はどのように対応されているのか、お聞きします。

 

【石田教育委員会事務局学校教育部長 答弁】

大阪府内の私立高等学校等の授業料無償化制度については、各中学校において、保護者集会で説明をしたり、リーフレットの掲示や配付等により、この制度の周知に努めております。

この制度の趣旨は、大阪の子どもたちが、中学校卒業時の進路選択段階で、すでに授業料無償である国公立高校と同様に、私立の高校や高等専修学校についても、自らの希望や能力に応じて自由に学校選択できる機会を提供するためとされております。所得基準の設定は、その趣旨を踏まえたものであり、各中学校や教育委員会からこの制度のために寄付金等について周知することはその趣旨にそぐわないと考えます。なお、市民税所得割額などこの制度の所得基準の設定について、保護者から学校等へ問い合わせがあった場合は、直接、保護者が大阪府へ問い合わせていただくようお願いしております。

 

【かじや 意見】

財務部、教育委員会とも、制度の趣旨にそぐわないとのご答弁ですが、もし、このような寄附のやり方が、いわゆる「脱法行為」であり、行政として問題があるというのであれば、逆にそう言った周知や窓口での厳しいチェックが必要になってきます。しかし、そのようなことも、されていないようですので、少々理解に苦しみます。

いずれにしても、行政が制度について分かりやすい周知をしないことで、大きな不公平が生じているということだけは、理解して頂きたいと思います。

もし、税制課や教育現場などに、市民から具体的な相談があった時は、制度について分かりやすく丁寧に対応されるよう要望します。


(Q2)協働と参画について

【かじや 質問】

次に「協働と参画について」お聞きします。

現在、策定が進められている「市民参画と協働のまちづくり条例」には、市では初めて市民参画と協働についての定義が規定されようとしています。

そこでお聞きしますが、市は市民参画と協働の定義についてどのように考えているのか、また、市民参画と協働のパートナーとして、どのような対象を考えているのか、お聞かせください。

 

【佐藤市民安全部長 答弁】

協働と参画についてお答えいたします。

枚方市市民参画と協働のまちづくり条例案として、策定審議会より11月に市長に提出された答申書では、市民参画とは、「市民、市民公益活動団体及び事業者が、市の機関が行う政策等の立案、実施及び評価の過程に自主的に関わって意見を述べ、または、提言を行うこと」とし、協働とは、「市民、市民公益活動団体及び事業者並びに市の機関が、地域の公共的課題を解決するという共通の目的を実現するため、それぞれの役割と責任を自覚し、互いの立場を尊重し、それぞれが自主性を持って共に行動すること」とされております。

また、市民参画および協働の対象としましては、市民、校区コミュニティ協議会やNPOなど継続的な市民公益活動を行う団体、事業者及び市の機関とされております。

市としましても、市民参画と協働については、この答申案と同様に考えております。

 

【かじや 質問】

次に「協働と参画について」の2回目の質問をさせて頂きます。

市民参画と協働のパートナーとして、市民や市民公益活動団体などを挙げられていますが、市民公益活動団体のひとつであるNPO法人は、特定非営利活動促進法いわゆるNPO法に基づいて、一定の義務などが規定されています。

例えば、NPO法には次のような規定があります。「特定非営利活動法人は、特定の個人又は法人その他の団体の利益を目的として、その事業を行ってはならない」「これを特定の政党のために利用してはならない」などの原則をはじめ、その他、定款の記載事項や法人に関する事項の毎年度の届出義務などが規定されています。その他の公益法人についても、法令で様々なルールが規定されています。このように公益法人に対して、法令でルールが規定されているのは、どのような趣旨からだと考えられますか、見解をお聞きします。

 

【佐藤市民安全部長 答弁】

議員お示しのNPO法人は、特定非営利活動促進法に基づく一定の基準を満たしたボランティア活動などの社会貢献活動を行う団体が、法人格を取得することで、財産管理などの権利が守られ、継続的、安定的な運営を期待できるとともに、総会の開催や事業報告書等の提出など、法人としての社会的義務や責任も発生するものであると考えております。

このことは、平成3年に地方自治法が一部改正され、自治会も法人格の取得が可能となった、いわゆる認可地縁団体においても、同様の考え方であると認識しております。

 

【かじや 質問】

NPO法人などの公益法人に対して、法令で一定のルールを課せられている背景には、法に位置付けられることにより一定の権利が守られる反面、それに伴う義務や責任を明確にしているということだと思います。それと同じく、市が条例で参画と協働のパートナーとして位置付ける団体に対しても、NPO法などのように権利と義務が明確になるような最低限のルールを設ける必要があるのではないかと考えます。

例えば、今回、参画と協働のパートナーとして定義をされている校区コミュニティ協議会などについては、NPO法人等の公益法人にあるような、法令による規定がないのが現状です。今後、校区コミュニティ協議会などにも、市としてNPO法のようなルールを設けていく必要があると思いますが、見解をお聞かせください。

 

【佐藤市民安全部長 答弁】

校区コミュニティ協議会につきましては、自治会をはじめ、小学校区内の防犯協議会、青少年育成団体、PTA等の団体が連携・協力し、活動することを目的に協議会として組織されたもので、法人格を有さず、組織についての法令の規定はございません。また、条例等においても組織については、詳細な規定をすべきものではないと考えております。

しかしながら、校区コミュニティ協議会は、その活動の推進を目的に市が補助金を交付しており、その対象となる事業の計画、予算や決算などの報告義務や、必要に応じた立ち入り検査等については、補助金交付要綱で規定をしております。

また、答申された条例案においても、特定の団体・個人に権限を与えるものではなく、民主的な運営と担い手の育成に努めるよう求められております。このことを踏まえ、今後、団体が抱える課題や組織としてのあるべき姿などを検証し、活動の活性化や民主的な運営につながる様々な事例の情報提供を行い、その啓発に取り組んでまいります。

 

【かじや 意見】

今回、条例の策定審議会から出された答申案には、委員の方の意見が附されています。その中にこのような意見がありました。「多くのコミュニティは、住民に開かれた運営をしていると思いますが、はたから見て、民主的とは言えないので条例違反だと言われないように、さらに透明性のある運営を進めていくべきであり、条例に位置付けることで、力を持ったとの勘違いや誤解をした行動がないように願っています」と、民主的な運営に対する今後の課題について言及されておられます。

参画と協働のパートナーと位置付ける校区コミュニティ協議会については、これまでからも様々な課題が提起されています。今のご答弁では、今後、それらの課題を整理し検証していくと約束頂きましたので、ぜひ、その中で、団体の運営についても、市として一定の規定を設けていくなど、制度の改善を図っていってもらうよう要望します。

また、今後の校区コミュニティ協議会のあり方については、参画と協働のパートナーという視点から見ても現在の形が決してベストであるとは言えません。課題を解決し、よりよい制度に改善をしていくためにも、まずは、地方自治法で規定された「地域自治区」制度など、様々なコミュニティ・プラットホームの制度について、他の自治体の事例も参考にしながら、調査・研究を進めていって頂くよう要望します。


(Q3)指定管理者制度について

【かじや 質問】

次に「指定管理者制度について」お聞きします。

枚方市では、民間活力活用の施策のひとつとして指定管理者制度を導入し、その拡大を目指しているところですが、まず、本市の指定管理者制度を導入している施設のうち、公募により事業者を選定している施設と、非公募により事業者を特定している施設の状況がどのようになっているのか、その内訳について、お聞かせください。

 

【奥行政改革部長 答弁】

指定管理者制度について、お答えします。

現在、本市における指定管理者制度導入施設は16施設で、そのうち、公募が8施設、非公募が8施設という状況です。

なお、平成24年4月1日付の総務省の調査結果では、全国の市区町村における非公募の割合は60%を超えるものとなっています。

 

【かじや 質問】

次に 「指定管理者制度について」の2回目の質問をさせて頂きます。

「枚方市公の施設における指定管理者の指定の手続等に関する条例」の第2条には「指定管理者になろうとする法人その他の団体を公募しなければならない」と明記されています。非公募による選定は、条例第2条の但し書きで示されている「緊急性」「合理性」がある場合にだけ認められるいわば例外です。

先ほどの答弁では、その例外である非公募の施設が、全体のほぼ半分という状況になっています。非公募としている施設について、非公募とする合理的な理由とはどのようなものなのか、お聞きします。また、今後の指定管理者の選定方針についても、お聞かせください。

 

【奥行政改革部長 答弁】

選定方法を非公募とすることにつきましては、例えば、福祉施設のように、施設利用者と当該施設職員との信頼関係が重視される場合や、高齢者施策の推進など市の施策として必要と判断した場合など、合理的な理由がある場合としています。

今後も、指定管理者の選定方法は公募によるという原則のもと、それぞれの施設の役割や設置目的、また、行政課題への対応の必要性などを踏まえたうえで、適切な選定手続きを図ってまいります。

 

【かじや 質問】

市民サービスの向上と施設運営の効率化を図るという指定管理者制度本来の主旨から考えれば、高齢者施策の推進のために特定の団体を、何年も続けて非公募で選定することが、果たして合理的な理由になるのか大きな疑問です。今後は、あくまで公募という原則のもと、前回、非公募で選定された施設についても、市民サービスの向上と施設運営の効率化を図るという観点から、選定方法の検証・見直しを行って頂くよう要望します。

さて、先日の本会議初日に提出された指定管理者の指定議案では、6施設とも公募でありながら、すべて応募が1者となっていました。そこで今回の議案以外の公募施設は、どのような応募状況であったのか、お聞きします。

また、公募施設において競争性が確保されていない現状について、どのように考えているのか、見解をお聞きします。

 

【奥行政改革部長 答弁】

今議会でご可決いただきました、6施設以外の状況としましては、5施設中、3施設が、1者による応募となっています。

指定管理者制度は、公の施設の管理について、民間事業者等のノウハウを活用し、サービスの向上や、より効率的・効果的な施設の管理運営を図ることを目的としているものであり、こうした制度の趣旨を踏まえて、その選定にあたっては、「公募」を原則としているものと認識しています。

議員ご質問のような状況は、他の自治体においても見受けられており、今後は、他の自治体での取り組みも参考にするとともに、制度本来の趣旨を踏まえたうえで、制度導入の効果を検証しながら、より望ましい管理運営となるよう取り組んでいく必要があると考えています。

 

【かじや 質問】

公募の周知期間が短いなど、周知のあり方にも課題があると考えます。例えば、入札制度の指名願のように、応募の可能性のある事業者にあらかじめ登録をしてもらっておくという方法なども考えられます。この件については、改善の必要性は認識しているとの答弁ですので、今後、競争性が確保されるような仕組みを検討して頂くよう要望します。

次に、行政改革実施プランには、指定管理者制度について「その他の施設についても導入の拡大をめざす」とありますが、今後、どのような施設を対象に制度の拡大を図ろうと考えているのか、お聞きします。

 

【奥行政改革部長 答弁】

指定管理者制度につきましては、それぞれの施設の設置目的、管理運営の内容や利用状況、また、市民サービスの向上と管理運営経費の縮減などの観点を踏まえ、指定管理による管理運営がより効率的で効果的であると判断できる場合において、導入をめざしてまいりたい、このように考えております。

 

【かじや 質問】

今の答弁では、具体の施設名を挙げられませんでしたが、行政改革実施プランを見ると「生涯学習市民センターと図書館の管理運営について、連携を図りながら、今後の効率的な管理運営体制についての方針を定める」ことが示されており、今年度中にその方針についても策定をするとの目標が掲げられています。これは両施設への指定管理制度の導入も含めて、検討されているということでよろしいでしょうか、見解をお聞きします。

 

【宮本地域振興部長 答弁】

現在、市民サービス向上と効率性の観点から、指定管理者制度も含めた様々な手法について、関係部署と協議を重ねているところです。

今年度中には、今後の管理運営について一定の方向性をお示ししてまいります。

 

【かじや 意見】

生涯学習市民センターと図書館の両施設については、現在、指定管理者制度も含めて協議され、今年度中には方針が示されるということは理解いたしました。ぜひとも指定管理者制度の導入を図ることで、管理・運営体制の抜本的な改革を行って頂きますよう要望します。


(Q4)情報セキュリティーとヘルプデスクについて

【かじや 質問】

次に「情報セキュリティとヘルプデスクについて」お聞きします。

まず、情報セキュリティについてですが、パソコンの基本ソフトいわゆるOSである「ウインドウズXP」のサポート期間が平成26年4月9日に終了します。サポート期間が終了すると、ウイルス対策のために無償配布されていた弱点修復のためのプログラムが配布されなくなり、ウイルス対策ソフトを入れても根本的な弱点が修復されず、ウイルス感染の危険が高まるなど、サイバー攻撃に無防備になると言われています。そこで、枚方市と枚方市教育委員会及び学校園における「ウインドウズXP」の後継OSへの更新状況等についてお聞きします。

まず、現在のパソコンの総台数と、サポート期間終了までに後継OSへの更新が間に合わないパソコンの台数とその理由、また更新がすべて完了する時期とそのために必要な費用について、お聞かせください。

次にヘルプデスクについてお聞きします。情報推進課では、今年度から民間事業者への業務委託によるヘルプデスクを開設し、庁内の端末の障害等について対応しているようですが、その委託内容や費用、また人員等の体制はどのようになっているのか、お聞きします。

 

【長沢総務部長 答弁】

本市の端末の総台数は3809台で、既に3000台は「ウインドウズ7」に更新しており、更新が間に合わない端末は約800台あります。この端末については、平成26年8月までのリース契約があり、基本的にはリース契約更新時に入れ替えを行う予定です。費用については、現行のリース契約費用等から4年で約8500万円を想定しています。

また、ヘルプデスクは今年度から業者委託により開設したもので、一部の業務システムのオペレーション作業やトラブル対応等の運用作業と合わせて、4662万円で委託契約を行っているものです。

人員体制は、委託内容全体を統括する責任者の1名を含めて6人体制で、うちヘルプデスク要員は2名で実施しています。

 

【君家教育委員会事務局管理部長 答弁】

小中学校では、教職員が個人情報を含む事務処理を行なうパソコン1977台については、平成25年度に「ウインドウズ7」への更新が完了する予定でございます。

また、教員や児童生徒がコンピュータ教室等での授業で使用するパソコンについては、2896台のうち1223台が「ウインドウズXP」を使用しており、「ウインドウズ7」への更新に必要な費用は、4年リースで約1億2900万円を見込んでおります。

 

【かじや 質問】

次に「情報セキュリティとヘルプデスクについて」の2回目の質問をさせて頂きます。

まず、情報セキュリティについてお聞きします。来年4月9日時点で、後継OSへの更新が完了しないパソコンが数多くあるようですが、それらのパソコンについて、サポート期間終了後に懸念されている、外部等からの脅威に対するセキュリティ対策がどのようになっているのか、お聞きします。

 

【長沢総務部長 答弁】

セキュリティ対策につきましては、本市では、単にXPのシステムに依存するのではなく、ウイルス対策ソフトの導入や外部からの不正なアクセスを検出・遮断するファイアウォール、迷惑メール等の隔離や有害サイトへのアクセス制限をするフィルタリング等の対策を総合的に講じており、機器の安全性については充分に確保されております。

 

【君家教育委員会事務局管理部長 答弁】

小中学校におきましても、市長部局と同様のセキュリティ対策を講じているところでございます。

 

【かじや 質問】

今年10月6日付の読売新聞朝刊には、「XP期限切れ問題、自治体低い危機意識」という見出しで、自治体の情報セキュリティの問題が報道されています。記事には、サポート期間終了後も「ウインドウズXP」を使い続けることは、「ヘルメットをかぶらずに高速道路をバイクで疾走するようなもの」とあり、サイバー攻撃の危険性について警鐘を鳴らしています。

先ほどの答弁では、十分なセキュリティ対策がなされており安全性は十分に確保されているとのことですが、本当にサイバー攻撃によるウイルス感染等の危険性がないということでよろしいでしょうか、再度確認をさせて頂きます。

 

【長沢総務部長 答弁】

セキュリティ面では問題ございませんが、システムの製品寿命の点から、早急な対応が必要な課題であると認識しております。

 

【かじや 質問】

セキュリティ面では問題ないと言う、部長の力強いお言葉に安心しました。引き続き、情報セキュリティについては、万全の体制で臨んで頂くようお願いします。

次にヘルプデスクについてお聞きします。

委託費用について、一部の業務システムのオペレーション作業などと合わせた費用をお答え頂きましたが、ヘルプデスク業務だけの費用はどのくらいになるのでしょうか。また、なぜ今年度からヘルプデスクの業務を民間事業者へ委託することになったのか、お聞きします。

 

【長沢総務部長 答弁】

本市情報機器の管理運営体制の効率化を図るとともに、委託費用の低減に繋げるという観点に立って、機器のオペレーション作業や運用作業と合わせての委託内容となっているため、ヘルプデスク単体での費用をお示しすることは困難です。

また、民間業者への委託につきましては、行政運営の効率化の観点から、端末の障害対応や研修用貸し出し端末の設定・管理、共通ファイルへのアクセス権限設定等の単純な作業をヘルプデスクとして委託し、職員が行うべき各課システム構築・運用にかかる情報化サポートや、全庁的な情報セキュリティ強化対策等をより充実させたものです。

なお、前年度までの職員による対応件数につきましては、月間350件程度でございます。

 

【かじや 質問】

行政運営の効率化の観点から、ヘルプデスク業務の民間委託を実施したとのことですが、実際に委託前と後で、具体的にどのような点が効率化されたのか、また本来の職員として実施すべき業務のどのような点が充実したのか、その成果についてお聞きします。

 

【長沢総務部長 答弁】

今年度は、グループウェアシステムや施設予約システムを、庁内にサーバを持たずインターネットを介して運用するクラウド方式で構築したことをはじめ、様々な手口で発生するサイバー攻撃への対策の実施、情報漏えいを防ぐためのセキュリティ対策の強化や研修の充実、更には各課職員の役割に合わせた「情報スキル向上計画」を策定して研修等を行っています。

今後は、更なる行政情報化を進めると同時に、個人情報等行政情報の保護の観点から、セキュリティ対策の強化を進めていきます。

 

【かじや 意見】

市職員がやるべき業務と民間でもできる業務とを分けた、今回のヘルプデスク業務の民間委託は一定評価したいと思います。

しかし、単に民間委託をしたからいいと言う問題ではありません。しっかりとその結果を検証していくことが必要です。検証することで、さらなる業務の改善や、成果の向上に繋げていって頂くよう要望します。


(Q5)職員会館について

【かじや 質問】

次に「職員会館について」お聞きします。

平成25年度の当初予算における行政財産使用料の中に、職員会館の組合事務所の使用料が計上されていましたが、使用料の徴収について、現在どのような状況にあるのかお聞きします。

また、職員会館については、現在、耐震補強工事が行われていますが、その経費についてもお聞かせください。

 

【長沢総務部長 答弁】

職員団体の事務所に対する使用料につきましては、職員会館が職員も一定の経費負担をして建設されたこと、また職員団体の使用が収益を目的としないことや、これまで使用料免除を行ってきた経緯などを踏まえた上で使用料を見込み、平成25年度当初予算に128万8000円を計上したものです。

しかしながら、現時点において職員会館を含めた行政財産使用許可全般にかかる減免要件の精査を行っていることから、平成25年度分の職員会館の使用料については免除したところです。

また、耐震補強にかかる事業費については、設計委託料および工事請負費を合わせて、約800万円です。

 

【かじや 質問】

次に「職員会館について」の2回目の質問をさせて頂きます。

使用料を徴収するつもりがあったから、当初予算に計上したと思っていたのですが、年度当初から使用料の免除を決定していたということは、最初から徴収するつもりがなかったと言うことでしょうか。それならなぜ予算に計上をしたのか、まったくもって理解できません。

それでなくても議会軽視と言われている中で、今回の件は議会で可決された予算を非常に軽んじる行為であり、大きな問題であると指摘しておきます。

次に、耐震補強にも約800万円の公費が使われていますが、施設も老朽化しており、今後も施設維持に公費が使われることを考えると、行政財産使用料のさらなる適正な運用が求められます。行政財産全般の使用料について精査に時間が掛かったとのことですが、平成26年度には必ず徴収していくということでよろしいのでしょうか、見解をお聞きします。

 

【長沢総務部長 答弁】

行政財産の使用許可に係る職員会館の使用料につきましては、今年度中に減免に関する考え方を整理することとしており、それを踏まえて平成26年度からの使用料徴収に向け、予算計上など必要な手続きを進めてまいります。

 

【かじや 質問】

26年度予算には必ず使用料を計上して頂くとともに、適切に徴収して頂くよう強く要望しておきます。また、厳しい財政状況の中、今後、施設の維持にも多額の経費を必要とすることから、使用料の減免については、市民の理解が得られません。ぜひとも行政財産使用料条例にある規定通りの使用料を徴収して頂くよう要望します。

さて、職員会館を含む大垣内エリア一帯は、「枚方市駅周辺再整備ビジョン」において新庁舎配置の予定地とされています。職員会館を取り壊して更地にした場合の、会館の機能や現在使用している労働組合の事務所など、職員会館のあり方について、今後の方針をお聞きします。

 

【長沢総務部長 答弁】

職員会館の今後につきましては、現時点においては職員会館が立地する大垣内エリアの整備計画を踏まえながら検討していくことになると思われますが、その検討にあたっては、現在、会館が有している職員の福利厚生のための機能や会議室等の庁舎の代替機能の確保といった観点からの精査が必要と考えています。

 

【かじや 意見】

もし、職員会館を市民会館と同様に取り壊した場合、新たに同様の施設を単体で建設することは、今後の財政の見通しを考えると、まずありえないことだと認識しています。また、新たに庁舎内にスペースを確保する場合でも、職員個人に対する福利厚生機能の確保と、組合の団体活動の支援とは、明確に区別して個別に精査していく必要があります。今後、検討を進める中で、そのような点も考慮して、しっかりと精査して頂くよう要望します。


(Q6)職員採用と給与・人事制度の在り方について

【かじや 質問】

最後に「職員採用と給与・人事制度の在り方について」お聞きします。

今年度の後期採用試験の最終結果を見ると、職種は多岐にわたっており、事務員、技術者においては、一部、資格要件を必要として職員を募集し、採用を行っています。そこで、このような資格を要件とした採用は、どういった趣旨から行っているのか、お聞きします。

 

【長沢総務部長 答弁】

職員採用と給与・人事制度の在り方についてお答えします。

有資格者である福祉資格、IT資格や建築資格者などといった資格枠を設けて採用する趣旨としましては、長期的な視野で行政執行を継続的に行うにあたっては、学卒者を採用し、行政経験を積みながら人材育成を図っていくことが基本と考えていますが、一方で専門知識を備えた有資格者を採用し、即戦力として民間の経験や知識を活用することも、質の高い行政サービスを提供する上で必要であると考え、募集、採用しているところです。

 

【かじや 質問】

最後に「職員採用と給与・人事制度の在り方について」の2回目の質問をさせて頂きます。

資格要件を設けて募集し、採用されている趣旨については、即戦力として民間の経験や知識を活用する観点であるということは、総務部長の答弁で一定、理解できました。

これでは、その資格枠で採用された職員の年齢は、どのようになっているのでしょうか。実際に採用した職員の過去3年間における採用時の平均年齢と、これら職員の初任給が、例えば同じ年齢の大学新卒の職員と比較して、どの程度の差があるのか、また、これら職員が昇格する際に、大学新卒の職員と比較して何らかの影響が出ているのか、お聞きします。

 

【長沢総務部長 答弁】

資格枠で採用した職員の、過去3年間の採用時平均年齢は、平成23年度が30歳、平成24年度が29歳、平成25年度は27歳となっています。初任給につきましては、大学を卒業してから採用までの間、同様の職種で勤務していたと仮定して申し上げますと、前歴期間を8割でみなしていることから、27歳で採用した場合の給料月額は20万7,100円で、大学新卒で入職した職員が同年齢となったときの給料月額が21万4600円、また、30歳で採用した場合は22万3000円で、大学新卒で同年齢の職員は23万6100円となり、ともに資格枠採用者の方が低くなっております。

そのため、昇格につきましても、一定の給料の号給や本市での職務経験年数を要件としていることから、資格枠の職員につきましては、年齢では基準に達していても、昇格の要件を満たさないとこととなる現状はございます。

 

【かじや 質問】

民間経験者である資格枠で採用された職員は、大学新卒の職員に比べ、採用の時点から給料が低く、その後の昇格についても大きなハンディキャップがあるという現状です。それでは、資格枠で採用された職員の仕事に対するモチベーションにも大きく関わってきますし、優秀な民間の人材が市役所に転職しようという気になれるのか甚だ疑問です。

私としましては、本当に民間の優秀な人材を求めるのであれば、募集要件についても、ただ単に資格の所持のみを問うのではなく、民間企業での勤務経験も要件に加えるとともに、どのような仕事をしてきたのかという職務経歴や実績にウエイトを置いた採用基準にするべきだと考えます。

また、給与制度などにおいても、優秀な人材が市役所に転職したいと思ってもらえるような、魅力のある処遇に整備すべきと考えますが、こうした募集要件や処遇について、どのように考えておられるのか、見解をお聞きします。

 

【長沢総務部長 答弁】

技術者の受験資格要件としまして、例えば土木技術者の場合、土木施工管理技士など、建築技術者の場合、建築士や建築施工管理技士などといった資格の取得を要件とした上で、面接時にこれまでの民間経験での実績などについて把握し、優秀な人材の確保に努めているところです。

なお、優秀な技術者を確保するにあたっては、給与等の処遇が大きな要素であると考えておりますが、これら職員の給与等の処遇につきましては、大学新卒者が公務労働において積み上げてきた経験の蓄積といった点とのバランスも踏まえ、民間経験をどう処遇面に反映していくことが適切なのか、検討してまいります。

 

【かじや 意見】

給料の算定において、民間企業での経験が市役所の職務経験の8割というのは、民間での経験を軽視する考えで、納得できません。

先ほども言いましたが、この採用の趣旨が「即戦力として民間の経験や知識を活用する」というのであれば、民間で実績のある優秀な人材に応募してもらう必要があります。どれだけ民間でバリバリ仕事していたとしても、その経験・実績が全く考慮されず、市役所での経験の一律8割とされ、その後の昇格にも影響していくとなれば、優秀な人材が果たしてそんな職場に転職したいと思うでしょうか。ぜひとも、よくよく検討して頂き、優秀な人材が転職してでも市役所で働きたいと思える処遇に改善を図って頂きますよう要望します。

また、それと同時に、職員全体の給与・人事制度の在り方についても、年功序列ではなく、頑張った職員が報われるものに変えていかなければなりません。例えば、各役職間で給与の逆転を発生させない給料表への改定や、職責に応じて大幅な差をつけた管理職手当への改定、総合評価制度の相対評価への改善と評価の給与反映など、抜本的な改革が必要です。これらについては、また次の機会に質問をしたいと思います。これで私の質問を終わります。