平成25年第1回定例会(3月議会) 代表質問


平成25年第1回定例会本会議(平成25年3月5日)で行った代表質問の記録を掲載します。

 

※これは正式な議事録ではございません。正式な議事録は、市役所や図書館、市議会のホームページで閲覧することができます。

※市長の平成25年度市政運営方針に対する、会派「みんなの党市民会議」を代表しての質問です。 

※代表質問は、すべての項目を一括して質問し、一括して答弁する方式です。質問の回数は3回までとなっています。 



【かじや 質問1回目】

 

皆さん、おはようございます。代表質問の機会を与えて頂き、ありがとうございます。

それでは、みんなの党市民会議を代表して、通告に従い順次質問をいたします。代表質問ということで、これまでの質問と重複する項目がございますことをお許しください。

 

1.市政運営の方向性について

(1)先送りできない課題の認識について

市政運営方針の中に「安全・安心のまちづくりなどの先送りできない課題」とありますが、市長の言う「先送りできない課題」とは具体的に何を指すのか、お聞かせください。

 

(2)市長のトップセールスについて

「自ら先頭に立って、市内にとどまらず、全国に向けて枚方の魅力を発信し、トップセールスを行っていく」と表明していますが、市長が言う「トップセールス」とは、何を目的とし、具体的にどのようなことを想定しているのか、見解をお聞きします。

 

(3)市民との対話について

「多くの市民の声に真摯に耳を傾け、対話を重ねながら邁進していく」とありますが、今後、具体的にどのような形で市民と対話を行っていくのでしょうか。以前に行っていた対話集会のようなものを考えておられるのでしょうか、お聞かせください。

 

2.本市を取り巻く状況と課題について

(1)選ばれる自治体について

「自治体が選ばれる時代であり、激しさを増していく都市間競争に打ち勝たなければならない」とありますが、選ばれる自治体と言うからには、誰に選ばれるのかその対象が明確でなければ、的確な施策を打ち出すことはできません。一体、どのような市民に選ばれることを目指しているのか、また、そのために、まちの姿をどのように描いていくのか、お聞かせください。

 

3.まちづくりの基本方向について

(1)災害発生時の業務継続計画について

「市民の生命・財産を守るため、業務継続計画を策定する」とありますが、東日本大震災では、庁舎が全壊するなど、職員の多くが犠牲になった自治体もありました。そのような経験から、市民の生命を守り、災害からの復興を進めるためには、市庁舎の機能を保持するとともに職員の命を守ることが最重要課題だと考えます。

市役所庁舎は、耐震化工事を実施し、構造耐震指標であるIS値については、0.6で、必要な耐震強度は確保されていると聞いていますが、他の公共施設では施設の重要度に合わせ、耐震性能を1.25倍高く設定して、IS値0.75を確保している施設もあると聞いています。

本来、大地震にも機能保持が必要な市役所庁舎は、耐震強度を上げる必要がある施設にも関わらず、そのような対策がとれないのは、執務スペースに柱や壁などを追加し補強しなければならなくなるなど、通常業務に支障が出るためと聞いています。

職員の命を守る観点からも、また、業務継続を行う上からも、市庁舎の耐震は大きな課題であると考えますが見解をお聞きします。

 

(2)施策の選択と集中について

市長は「施策における選択と集中を行い、将来を見据えて戦略的な視点に立った行政運営を推し進める」とされていますが、今回の市政運営方針を見ている限りでは、ふわっとした抽象的な言葉が並び、施策についても総花的でその意図がはっきりと見えません。選択と集中をされるということであれば、大胆な予算の組み替えが必要になると思いますが、今後、どのような行政運営をされるのか具体的にお聞かせください。

 

4.「自治都市・枚方」の実現に向けてについて

(1)「市役所改革を進め、行政力を強化し、市民自治を推進します」について

①事務事業総点検について

今年度に実施した事務事業総点検は、効果額としては約3500万円にとどまったものの、職員の意識改革や事務改善の取り組みとしては一定の成果があったと評価しています。

しかし、市全体の行政改革を推進するという観点で言えば、まだ十分とは言えない状況です。民間が、削減額の目標を設定し、事業の優先順位をつけ「選択と集中」をシビアに行っているのと比べて、行政の総点検の取り組みは、まだ余裕があるように感じられます。

事務事業総点検を単なる事務改善で終わらせるのではなく「選択と集中」のためのツールとして、事業の優先順位を明確にすることで、優先度の低い事業を大胆に削減し、優先順位の高い事業の財源確保につなげていくべきと考えますが、市長はどのような思いで事務事業総点検に取り組んでいるのか、また、今後、取り組んで行こうとしているのかをお聞きします。

 

②職員定数基本方針について

「中核市を見据えた職員数を確保したうえで、総人件費の適正化を踏まえた職員定数基本方針を策定する」とされています。

そこでまず、現行の正職員を770人削減するとする職員数適正化計画は、平成25年4月で終期を迎えると聞いていますが、達成の見込みはどのような状況でしょうか、お聞きします。

また、現行の計画は正職員のみを対象にしているとのことですが、新たな職員定数基本方針を策定する上での基本的な考え方はどのようなものかお聞きします。

次に、年金支給開始年齢の引き上げに伴い民間においても高年齢者の雇用確保措置の義務化を目的に「高年齢者等の雇用の安定に関する法律」が改正されたところです。このような状況において本市におきましても、再任用職員の存在がクローズアップされてくるものと考えますが、現時点における任用のあり方についてどのように捉えているのか、お聞きします。

一方で、若年層の雇用創出を図っていくことは今や社会的な問題となっておりますが、公務職場においても高齢雇用、再任用職員による雇用が義務化されつつある中で、その整合をどのようにとっていかれるのか、見解をお聞きします。

また、本市全体としての適正な職員数を推しはかる上では、技能労務職員、技能労務職場のあり方を、さらに、精査する必要があると考えます。平成17年度を最後に凍結していた採用を技能労務職給料表の導入に合わせて平成24年度より再開したとのことですが、今後の採用計画をどのように考えているのか、お聞きします。

 

③人材育成基本方針について

「新たな都市行政を担う職員の育成と強固な組織づくりを主眼に、人材育成基本方針に基づき職員の育成を進めていく」ということですが、人材育成基本方針の中に「めざすべき職員像」のひとつとして、「全体の奉仕者であることを自覚するとともに法令規範を遵守し、使命感と正義感を持って職務にあたる職員」とあります。

しかし、職員が全体の奉仕者としての自覚に欠けるのではないかとのご指摘をたびたびお聞きします。例えば、先日、「ある政党の支部のホームページ上に市職員が役員として掲載されている」とのご指摘を頂きました。地方公務員法では職員が政党その他の政治団体の役員となってはならないと規定されています。

公務員として法令遵守は当然のことではありますが、全体の奉仕者であるはずの職員が政党役員に就任することについて、改めて市長の見解をお聞きします。

 

④市有財産の有効活用について

「これまで以上に市有財産の有効活用が図れるよう、新たに各施設のコスト情報などを示した施設白書の作成や有効活用計画の策定を進めていく」とありますが、市有財産の有効活用に対する市長のお考えをお聞きします。

 

⑤市民まちづくり基本条例について

以前検討を進められた市民参加推進条例案については、平成19年に市長就任後、理念的な条例は必要ないとして制定を見送られましたが、2期目の平成23年9月の就任時の所信表明、平成24年度の市政運営方針で「より具体的で実効性のある条例を制定する」と突如方針を変更されました。

私はこれまで審議会を何度も傍聴していますが、その議論を聞いている限りでは、市長の言う「具体的で実効性のある条例」にはほど遠く、以前の市民参加推進条例案とたいして変わらない条例になるような気がします。改めてお聞きしますが、市民参加推進条例案と今回の条例との明確な違いはあるのでしょうか。

また、この条例は、当初平成24年度中の制定を目指して、これまでに10回を超える委員会、審議会が開催されていますが、一向に審議が進んでいるようには思えません。その原因を市長はどのようにお考えでしょうか。市長が審議会への諮問を行っているものの、審議がなかなか進まないのは、条例に対する市長の思い、方向性を審議会委員に伝え切れていないからではないでしょうか。どのような条例を作りたいのか、市長の思いをお聞かせください。

 

⑥情報発信リーダーについて

「各部局に配置している情報発信リーダーを中心に、市の情報を積極的かつ効果的に発信し、本市の魅力や推進する施策を広く市内外へPRする」とありますが、情報発信については今後ますますホームページやツイッター、フェイスブックなどインターネット環境を利用したメディアの重要性が増しており、それらメディアの特性を生かしたスピーディーかつ正確な情報発信が求められているところです。

そのためには、職員一人ひとりの意識改革はもちろん情報発信リーダーにある程度の権限と責任を持たせるなど、これまでの行政組織の枠にとらわれない柔軟な運用を行うことが必要であると考えます。

そのような観点を踏まえて、これからの市の情報発信について、市長のお考えをお聞きかせください。

 

(2)「安全で安心して暮らせるまちを築きます」について

①下水道浸水被害軽減総合計画について

この質問につきましては、昨日の大森議員の質問の中で「雨水流出抑制施設や管渠等を整備するハード対策と、内水ハザードマップの作成や地域住民への情報の伝達手段の充実等のソフト対策など自助・共助・公助の取り組みを総合的に組み込んだ計画であり、25年度は南部地区さだ排水区において計画を策定する」との答弁があり、計画の内容については一定理解できましたので、私からは要望のみとさせて頂きます。

昨年の集中豪雨の際は、楠葉をはじめとする北部地域においても浸水被害が多く発生しました。「次年度以降、引き続き採択基準を満たしている地域についても計画を策定していく」と答弁されていますので、南部地区さだ排水区だけでなく、北部地区楠葉排水区についてもできる限り早期に計画を策定し、浸水被害の軽減に向けた対策を進めて頂きますよう要望します。

 

②市有建築物の改修・更新工事について

枚方市では、昭和30年代以降の大幅な人口増加に伴い、学校や福祉施設をはじめ数多くの建物を整備してきました。各施設とも建築後相当な年数が経過しており、本市におけるこれら市有建築物の改修・更新工事については、昨年度に策定された市有建築物保全計画に基づき、順次進めていくとされています。

しかし、一方では市民病院や第三中学校など、一部の老朽化した施設については、建替えも行われています。

そこで「市有建築物保全計画」は、どのような考え方に基づいて策定されたものなのか、また、建築年数が相当経過した施設については、建替えについても計画的に行うよう検討していくことが必要と考えますが、見解をお聞きします。

 

(3)「子どもの健やかな成長と学びを支えます」について

①待機児童の解消について

待機児童問題は、喫緊の課題であり早期に解決していく必要があります。しかしながら、本市におきましては、平成24年4月当初で32人の待機児童が発生し、直近の本年2月1日時点では、544人と聞いています。こうした待機児童問題を解決するには、市長も掲げられていますように、選択と集中を実行することが重要であり、思い切って市長の判断で予算の配分を待機児童対策に集中し、これまでの取り組みとあわせて、保育ママなどの取り組みを進めるべきであると考えますが、市長の見解をお聞きします。

 

②ニート・引きこもり対策について

少子高齢社会が進展していく中、未来を担う子ども・若者が心身共に健全に成長し、社会参加していけるようサポートすることは、行政の大きな役割であると考えます。しかし、昨今では、ニートや引きこもりなど、20代、30代の若者が経済的に自立できていないことが大きな社会問題となっています。これまでも、私たち会派の池上議員をはじめ、議会においてもこの問題が取り上げられ、早急な対策を講じるよう指摘がされてきました。

市では、昨年の4月に市長部局に新たに子ども青少年部を創設し、「子ども・若者育成計画」の策定に取り組まれ、今年の5月には計画が策定されると聞いています。

この計画(案)には、副題として「ひきこもり等の子ども・若者の自立に向けて」と記載されており、計画がニートや引きこもりの若者を対象としていることが明確になっています。このことから、ようやく本市においてもニート・引きこもり対策に本腰をあげて取り組まれていくものと受け止めています。そこで、市長にニート・引きこもり対策についての思いをお聞きします。

 

③新学校給食共同調理場について

昨年11月、市は中学校給食の実施に合わせて、老朽化の進む小学校給食の共同調理場についても、新学校給食共同調理場として合わせて整備していくとの方針を示されました。このことにより本市が抱える諸課題について、課題解決に向けての目途がみえてきたことから、私ども会派としても一定の評価をしているところです。

しかしながら、昨日の清水議員の質問にもありましたが、同じ施設の中で小学校給食での食管法式と中学校給食のランチボックス方式という、異なる配缶方式とすることで、かなり無駄がでるのではないかという疑問があります。

小・中学校給食をとも全員喫食の食缶方式とすることにより、調理工程の効率化、ひいては運営経費の削減が図られるというメリットを生かすべきではないでしょうか。

また、学校給食法においても「学校給食は在学するすべての児童生徒に対して実施される」と中学校給食の全員喫食が求められております。

以上のように、効果的・効率的な教育行政を見据える中で、もう一歩の踏み込みが必要ではないでしょうか、見解をお聞きします。

 

(4)「都市基盤整備の推進と市内産業の活性化を図ります」について

①枚方市駅周辺再整備ビジョンについて

「枚方市駅周辺が、本市の中心市街地にふさわしい魅力あふれ、賑わいのあるまちとなるよう、枚方市駅周辺再整備ビジョンに基づき取り組みを進めます」とありますが、この地域をどういった「まち」にしたいのか、という具体的なものが見えてきません。

まず、この市駅周辺全体のイメージを最初に打ち出さなければ、地元市民や事業者の方々もこの再整備事業についてこないのではないでしょうか。ましてや大規模商業施設がある樟葉駅前と違い、近鉄百貨店の撤退などで魅力的な商業施設が駅前から無くなった現状で、総合文化施設だけが具体化するなど、全体のイメージが無いままに一つひとつの部分的な計画だけが進むことに危惧を覚えます。

市駅周辺には、市庁舎のほか、府民センターをはじめとする官公庁団地など、再開発事業の種地となる公共用地が多くあり、特にその大きなカギを握るのが市庁舎の建替えだと思います。そこで、市長はこの枚方市駅周辺を将来どのようなまちにしたいのか、その具体的なイメージについて、お聞かせください。

 

②新規就農の仕組み作りについて

その賛否は別としまして、国では、今年度の補正予算並びに来年度の農林水産関係の予算が13年ぶりに増額され、TPP参加交渉問題も視野に入れた「攻めの農業」の実現に向けた取り組みが行われており、農産物輸出対策や新規就農支援などを強化する方向性が打ち出されています。

しかしながら、本市では2010年世界農林業センサスにおいて農家戸数が1342戸と5年前の1433戸と比較して91戸・6.3%減少しており、経営耕地面積も435ヘクタールで5年前の472ヘクタールと比較して37ヘクタール・7.8%減少、農業従事者についても65歳以上の高齢者の割合が増加し、このままの状況が続けば、本市の農業は衰退の一途をたどるばかりです。

市長は市政運営方針において、「新規就農の仕組みづくりを進めます」と述べられていますが、現在の国の動向並びに本市の農業の現状を踏まえ、今後、本市としての農業ビジョンをどのようにお考えなのかお聞きします。

 

(5)「市民の健康と福祉、平和と人権を守ります」について

①市立ひらかた病院について

市長は、市政運営方針において、平成26年秋の開院を控える「市立ひらかた病院」について、二次救急機能や災害時の対応機能、小児・周産期医療、がん治療などの分野で特色のある医療を提供できる病院をめざすとの考えを、あらためて表明されました。

私たちの会派では、市民の命と健康を守る市立病院の建て替えについては、大きな期待とともに、大きな不安を持っています。

それは、新病院は現病院と異なり、施設建設や医療機器に非常に多額の資金を投じており、借入金も多額となり、減価償却費も現在とは比べ物にならないほど、増加するからです。

これらの増大する経費を賄えるだけの収益力を新病院が持てるのかどうか不安であります。特に、医療面での特色として、二次救急医療、災害時医療、小児・周産期医療を掲げられていますが、これはいわゆる不採算で政策的な医療ばかりです。新病院が、結局、大きな赤字を発生させて、その補填を一般会計がしなくてはならないような事態になれば、本市の財政自体が危機的状況に陥ることになります。

そこで、建替え後の新病院の中期的な経営見通しについて、市長はどのように判断されているのか、また、新病院が巨額の赤字を出して、市の財政に悪影響を与えることがないようにするために、どういった取り組みをされるのか、お聞きします。

 

②成年後見制度について

高齢化社会が進行する中で、認知症状や知的障害、精神障害などにより判断能力が不十分な方の権利を法律的に保護し、生活をサポートする制度として、成年後見制度を必要とされる方は今後ますます増加するものと考えられます。

市は成年後見制度に関する人材の育成や活用に向けた研修を実施されるとのことですが、例えば、身寄りのない方に代わり市長が後見開始の審判を請求する「市長申立て」による成年後見審判請求の枚方市の実績を見てみると、高齢者と障害者を合わせて平成23年度で2件しかありません。私が市民の方や専門家の方から話を聞いている限りでは、身寄りのない方などで制度の利用が必要ではないかと思われる相談が多く寄せられているとのことです。成年後見制度を本当に必要とされる方に、制度に関する周知が十分になされていないのではないでしょうか。

今後、制度のPRも含めた成年後見制度の活用についての考えをお聞かせください。

 

③人権啓発について

「一人ひとりの人権が尊重されるまちづくりに取り組む」とありますが、人権といってもその内容は幅広く多岐にわたっています。人権についての市長の認識をお聞かせください。

 

(6)「地球環境とともに、地域の自然や住みよい環境を守ります」について

①ごみ処理施設整備基本構想について

「廃棄物処理体制を適正に維持できるよう、稼働後25年を経過している穂谷川清掃工場第3プラントの老朽化対策を進めるとともに、将来のごみ処理施設の整備に向けて、基本的な考え方を示した施設整備基本構想を策定していきます」とありますが、この施設整備基本構想とはどのようなものなのか、その内容等についてお聞きします。

 

(7)「歴史・文化を活かし、魅力あるまちづくりを推進します」について

①総合文化施設の整備について

総合文化施設については、整備計画の策定業務が進められているところですが、その中で、民間活力をどのように活用するのか。また、どのような賑わいを創出するのか。総合文化施設の整備方針についてお聞きします。

 

②枚方の歴史、文化と観光について

枚方市の近くには、京都や奈良など有名な観光都市があります。枚方市歌には「観光の客 跡たたず」と歌われていますが、市長の思う枚方市の観光とは、どのようなイメージなのでしょうか。また、ここで言う情報発信の対象は誰なのでしょうか。本市の観光の将来的な方向性についてもお聞かせください。

以上で1回目の質問を終わります。


【竹内市長 答弁1回目】

 

1.市政運営の方向性について

(1)先送りできない課題の認識について

社会経済状況が変化していく中にあっても、市民が安全に安心して暮らせる事が行政の果たす第一の使命です。そのような中でも、平成24年度において先送りできない課題としては、まず第一に新行政改革大綱の策定や待機児童対策、中学校給食の導入、枚方市駅前再整備ビジョンの策定などに取組んでまいりました。また、健康医療都市ひらかたコンソーシアムの設立や総合文化施設について整備計画策定に着手するなどの枠組みづくりに取り組んでまいりました。

 

(2)市長のトップセールスについて

都市間競争が激しくなる中、それに打ち勝ち、多くの方から選ばれるまちとして発展するためにも、本市の魅力を凝縮した都市ブランドに関わる施策を広く市内外に発信していくことは重要であると考えています。そのためにも、私自らが先頭に立って、本市の魅力を広く発信していきたいと考えています。

 

(3)市民との対話について

市民との対話につきましては、これまで様々な分野の団体と意見交換を行ってきましたが、これに加え、平成24年度は、テーマを設定し、参加者公募型の対話である「ひらかた未来トーク」を開催し、貴重なご意見をいただきました。

平成25年度につきましても、住みよい枚方を築くため幅広い市民との意見交換を行う「ひらかた未来トーク」をより充実するなど、様々な機会を通して、これまで以上に対話を重ね、施策の推進に役立ててまいります。

 

2.本市を取り巻く状況と課題について

(1)選ばれる自治体について

少子高齢化の急速な進行や人口減少時代を迎える中、地方自治体として、多くの方に選ばれ、一人でも多くの方に定住していただく、いわゆる定住人口の拡大に向けた取り組みを進めていくことが求められています。そのためにも、本市では、市民生活に密着した施策を着実に実行したうえで、まちの魅力を凝縮した都市ブランドに関わる施策を進め、多くの方と共有できるよう積極的に発信していく考えです。

そう言った取り組みを進めることで、まちの魅力を高め「住みたい・住み続けたいまち」がさらに「市民が誇れるまち」へと発展していけるものと考えています。

 

3.まちづくりの基本方向について

(1)災害発生時の業務継続計画について

業務継続計画は、たとえ、大規模地震により行政自身に被害が及び、市役所機能が低下する事態に陥ったとしても、市民生活に重大な影響を及ぼすことのないよう、業務の継続性を確保するためのものでございます。

現庁舎につきましては、耐震化が完了しており、震度6強の大地震に見舞われても倒壊しない程度は確保されています。

しかし、部分的な損傷が発生する可能性はありますので、そのことも勘案しながら業務継続計画を策定するとともに、職員に対しては、災害発生時における自身の安全確保について、周知を図ってまいります。

 

(2)施策の選択と集中について

まず、社会状況が変化する中にあっても市民が安心して暮らせる事が第一であり、その取り組みを進めてまいります。その上に立ち、選択と集中を行い、健康医療の分野では、子育て世代への支援や本市の特色である健康医療コンソーシアムを活用した事業に取り組み、教育文化の分野では、生徒指導体制の充実を図り、総合文化施設の整備を着実に進めてまいります。

 

4.「自治都市・枚方」の実現に向けてについて

(1)「市役所改革を進め、行政力を強化し、市民自治を推進します」について

①事務事業総点検について

この取り組みは、すべての事務事業について、改めてその実施手法や、費用対効果などについて外部有識者から評価をいただき、その効率性や有効性を検証しようとするもので、職員の意識改革、市民への説明責任の履行といったことを目的に、実施しているものです。

その後の取り組みにつきましては、新行政改革大綱と、それに基づく実施プランにお示ししております新たな行政経営システムの構築を進める中で、総点検に代わる新たな改革・改善サイクルを組み込み、「選択と集中」を図るためのツールのひとつとしていく考えです。

 

②職員定数基本方針について

職員数適正化計画については、構造改革アクションプランとの整合性を図るとともに、計画的な採用を行いながら着実に取り組んでまいりました。その結果、中核市移行や大阪府からの権限移譲、また、新病院開設に伴う医療職の確保に伴う職員数の増員要素などを除き、当初の目標は達成できるものと考えております。

新たに策定する職員定数基本方針については、現在定数管理は、正職員と再任用とを合わせ包括的に行っているところであり、こうした考え方で策定を進める予定です。

また、再任用職員については、年金支給開始年齢の引き上げに伴い任用が義務化される法整備が予定されており、法の趣旨に沿った任用を行ってまいります。

若年層の雇用創出については、退職者の再任用を進める一方、定数基本方針に基づき、毎年度、必要数を見極め継続的な採用を行っていく考えであります。

最後に、技能労務職員の採用については、セーフティネットの確保や業務の効率化等の視点からあり方の検証を行い、配置基準の見直しを行った上で、定数基本方針を策定し、この方針に基づいた採用を行っていきたいと考えております。

 

③人材育成基本方針について

お尋ねの地方公務員法の規定については、職員として当然遵守すべきものであります。なお、お示しの役員就任の事案については、事実ではないと確認しております。

 

④市有財産の有効活用について

今年度策定した「枚方市新行政改革大綱」においても、市有財産については、次代を見据えて戦略的に保全・活用に取り組むものと位置付けています。

したがって、その活用にあたっては、今後の少子高齢化などによる市民ニーズの変化を見据えながら、組織横断的に様々な角度から、設置目的や機能の見直しなどを行いつつ、総量の最適化を検討し、より一層効率的・効果的に進めてまいります。

 

⑤市民まちづくり基本条例について

今回、策定を目指す市民まちづくり基本条例は、市民が主体的に市政に参画できる仕組みを整えることを目的としており、市政におけるさまざまな場面に市民が参画し、行動していただけるよう、新たな市民参画の手法なども含めて、具体的に定めていきたいと考えております。このことについては、審議会において私自身が説明させていただいたところであります。

条例案の策定の過程で、さまざまな議論が繰り返されることは、やむを得ないと考えておりますが、今後、議論が十分かつ円滑に進展するよう、市としても働きかけてまいります。

 

⑥情報発信リーダーについて

私は市の施策や取り組みが、必要とする人にしっかり伝わる情報発信が重要であるとの考えに立って情報発信リーダーを設置し、効果的な情報発信と職員の広報意識の向上に努めているところです。

また、本市が市内外の多くの人から「選ばれるまち」となるためには、本市の魅力や推進する施策を広く市内外へPRしていくことは大変重要であり、より柔軟に、またスピーディーかつ正確な情報発信ができるよう取り組みを進めてまいります。

 

(2)「安全で安心して暮らせるまちを築きます」について

②市有建築物の改修・更新工事について

市有建築物保全計画は、老朽化が懸念される市有施設について今後、多額の維持補修費を要することが予想されるため、施設の維持補修にかかる費用の将来見通しを、中・長期的な視点で把握し、財政負担の平準化を図りながら計画的に改修・更新工事を実施していくことで、施設の長寿命化を図っていくものであります。

従いまして、本計画は施設の建替えを見込んだものではありませんが、本計画で試算した施設ごとの改修費用等のデータは、施設の老朽化や市民ニーズなど時代の変化により建替等の適否を判断する資料としても活用することができるものと考えています。

 

(3)「子どもの健やかな成長と学びを支えます」について

①待機児童の解消について

待機児童問題につきましては、本市においても最重要課題の一つであると考えております。この間、待機児童対策における認可保育所の定員増数は、来年度の取り組み分を含め、合計で560人になります。今後も、年度当初の待機児童ゼロに向け、認可保育所の定員増を基本に、様々な取り組みを進めてまいります。なお、保育ママにつきましては、保育環境や保育の継続性といった観点から、課題整理に努めてまいります。

 

②ニート・引きこもり対策について

これからの日本の将来を担っていく子ども・若者が健やかに成長し、自立していくことは、全ての人々の共通の願いであると考えています。このことを踏まえ「子ども・若者育成計画」の策定を進めているところです。計画においては、まず、ひきこもり等を生みださない予防的な観点を取り入れ、具体的な支援については、行政だけでなく、家庭、地域、学校、NPO等が既存の枠を超えて連携し、多様な支援を一貫して行うことを目指しております。

社会的自立につなげる支援のひとつとして、計画策定に先立ち、4月には市役所内に常設の相談窓口として「ひきこもり等子ども・若者相談支援センター」を設置し、地域支援ネットワーク会議とも連携しながら、ひきこもり等の子ども・若者とその家族を支援していきたいと考えています。

 

③新学校給食共同調理場について

中学校給食については、様々な思いや意見がある中で生徒や保護者の意見を尊重することも大切と考えており、学校教育活動への影響などを総合的に判断して、選択制の共同調理場ランチボックス方式としたものです。

なお、選択制の中学校給食については、希望するすべての生徒に対して実施するもので、他の多くの自治体でも採用している手法です。また、施設整備にあたっては、老朽化が進む小学校給食共同調理場との合築とすることによりコスト削減を図るなど、効果的・効率的な教育行政の実施に努めてまいります。

 

 

(4)「都市基盤整備の推進と市内産業の活性化を図ります」について

①枚方市駅周辺再整備ビジョンについて

ビジョンにおいては、駅周辺地区では、市民が回遊しながら時間を過ごしていただけるような商業系などを、新町2丁目地区では、大学病院や新たに建設する総合文化施設などを中心とした医療、文化芸術系などを、また大垣内地区においては、生活をサポートする公共的な施設を維持しながら駅周辺地区と一体的な商業、業務機能がある地区として、そして京阪電鉄や大阪府住宅供給公社所有地のある天野川沿いの地区においては、駅前の利便性を重視した住居や商業系に誘導するなど、それぞれ特徴をもった4つのゾーンを設定することで、本市の中心市街地として魅力と賑わいにあふれるまちの構築をめざしています。

 

②新規就農の仕組み作りについて

本市のような都市農業においては、農地が少なく、ほ場の面積や経営規模も小さいため、大量生産は困難であります。

しかしながら、地産地消の推進はもとより、食農教育の普及、都市の緑や里山などの景観保全、防災空間としての活用など、農業を守ることは大切であると考えております。

今後は国の補助制度を活用して、平成26年度を目標に市内農業者や農業専門家などと連携し「(仮称)枚方版農業学校」を開設し、枚方にふさわしい新たな農業の担い手の育成に努めてまいります。

 

 

(5)「市民の健康と福祉、平和と人権を守ります」について

①市立ひらかた病院について

まず、建替え後の新病院の中期的な経営見通しについてですが、新病院建設により、現在、年間約1億6000万円の借入金の返済がピーク時には約10億8000万円に、減価償却費についても約2億4000万円が約10億5000万円に増加するなど、費用の増加は避けられません。しかし、新病院においては、そうした費用構造に見合う収益を確保するために、提供医療の高度化等による入院患者数の増加、診療単価の引き上げ等の収益確保を進めることにより、当初整備する医療機器の償還などを終える開院6年後には、収支の均衡を図れるものと考えています。また、資産減耗費や減価償却費など現金支出を伴わない費用の増加により、収支の均衡が図れない期間においても、資金収支の健全性を維持し、不良債務が発生することはないと見通しています。

こうした経営状況を実現するためには、変化する医療ニーズに対応できる医療を提供して収益を確保できる経営体制を確立するとともに、小児医療や救急医療などに対する繰出基準に基づく適切な繰出しについては、引き続き実施してまいります。

 

②成年後見制度について

これまでから、地域包括支援センターなどで説明会を開催するなど、さまざまな機会をとらえて制度の周知に努めてきたところであり、市長申立てについては、身寄りがないなど親族が申立てできない場合に限り行っているものであります。

今回の障害者自立支援法改正に伴い、「成年後見制度に関する人材の育成・活用を図るための研修事業」が市の必須事業となったことを受け、これまでの成年後見制度の市民周知に関する説明会に加え、既に後見人等として活動されている人に対する障害福祉制度、サービス、社会資源等に関する研修も新たに実施していくこととしております。

これらの研修等を通じて、更なる成年後見制度についての周知に努めるとともに、障害者相談支援センター等の関係機関とも連携を深め、必要とされる方の制度利用につなげてまいりたいと考えております。

 

③人権啓発について

社会生活を営む中においては、立場の違う者同士がかかわりあいながら日常生活を営んでいますが、人権尊重のまちづくり条例の前文に記載しているとおり、人種、信条、性別、社会的身分等により人権が侵害されないまちづくりを目指しております。人権は、自らが主体的に生きていく、そして、周りの人たちの考えも同様に尊重して、すべての人が、人権が尊重され自分らしく生きていくことができるために、人が生まれながらにして持つ権利と考えます。

 

(6)「地球環境とともに、地域の自然や住みよい環境を守ります」について

①ごみ処理施設整備基本構想について

枚方市では現在、年間10万トンのごみを東部清掃工場と穂谷川清掃工場第3プラントの二つの焼却施設で安定的に焼却処理しています。

しかし、穂谷川清掃工場第3プラントは稼働後25年を経過し老朽化が進んでいます。このような中で、第3プラントの後継となるごみ処理施設の具体的な計画は、現在のところありません。

今回、ごみ処理施設の現状を踏まえる中で、廃棄物処理体制を適正に維持できるように、第3プラントの老朽化対策を進めるとともに、将来のごみ処理施設の整備に向けて、ごみ処理施設整備基本構想を策定するものです。

この構想の中では、ごみ処理量の将来予測や処理方法、処理体制等の基本的な内容を検討していく予定です。

 

(7)「歴史・文化を活かし、魅力あるまちづくりを推進します」について

①総合文化施設の整備について

総合文化施設につきましては、整備計画策定業務におきまして、にぎわい創出を目的としたニーズ調査を実施いたしました。

今後は、調査結果を踏まえたうえで、集客のための民間活力について、委託業者からの様々な事業提案を参考にしながら、民間活力の導入や事業手法などについて検討を行っていく予定です。

 

②枚方の歴史、文化と観光について

本市には、観光資源となりうる歴史文化遺産が豊富にあります。まず市民の皆さんがこのような存在や価値に気づき、地域の歴史を知って郷土を愛し、誇りを持つことは、観光行政を進めるうえで大切なことであると考えます。また、本市の観光資源をひらかた観光ステーションを中心に、市外にも発信することにより魅力あるまちとしてアピールし、集客による地域の活性化を図ることも重要な役割と考えております。

本市の観光資源、例えば、枚方宿と五六市、淀川舟運、百済寺跡と伝王仁墓や文化財などの歴史遺産、七夕伝説、マンパワーによる各種のまつりや文化イベントなどを活用し、いわゆる温泉地などの宿泊滞在型の観光地ではなく、気軽に日帰りでも楽しめる「都市型観光」をめざしていく考えであります。


【かじや 質問2回目】

 

1.市政運営の方向性について

(3)市民との対話について

それでは、2回目の質問と要望をさせて頂きます。

まず、市民との対話についてお聞きします。コミュニティや各種団体の方などについては、これまでから市に対して積極的にお声をあげてこられていますので、様々な場面で意見をお聴きする機会があったかと思います。

しかし、それらの方はあくまで市民の一部でしかありません。大多数の市民の方は、市に対して不満があっても意見や要望などをしない、いわゆるサイレントマジョリティと言われる方たちです。このサイレントマジョリティの声を吸い上げ、市政に反映させていくことができるのかは大きな課題であると考えますが、市長の見解をお聞きします。

 

まちづくりの基本方向について

(1)災害発生時の業務継続計画について

次に災害発生時の業務継続計画についてですが、震度6強の地震に見舞われた場合、現庁舎については倒壊しないが、部分的な損傷が発生する場合があるとのことですが、例えば天井や壁の崩落などは十分に考えられることではないでしょうか。そのような状況下で、職員の身の安全や庁舎機能の保持が十分に確保されるのか大いに疑問です。

先ほども言いましたが、東日本大震災の教訓からも分かるように、災害対応や復旧・復興には、市庁舎はもちろん職員の力が必要になってきます。現在の市庁舎では、大規模災害時の業務の継続はもちろん災害対応や復旧・復興を進める上で大きな支障がでることが予想されます。防災時の拠点となりうる新しい市庁舎の建設は、先送りすることのできない課題であるとご認識を頂き、早期に検討を進めて頂きますよう要望します。

 

4.「自治都市・枚方」の実現に向けてについて

(1)「市役所改革を進め、行政力を強化し、市民自治を推進します」について

③人材育成基本方針について

次に人材育成基本方針についてですが、ある政党の支部のホームページ上に市職員が、常任幹事いわゆる役員として掲載されていたことは私たちの方で確認しており、事実であります。議長に承諾を頂きましたので、そのホームページを印刷したものを市長にお渡ししますのでご確認ください。(市長に資料を手渡す)

その後、最近になって何らかの理由でホームページから名前が削除されたようです。代表質問ですのでこれ以上細かいことは言いませんが、いずれにいたしましても、法令違反との疑いを持たれることは市民からの信頼を大きく損なうことであり、今後、このようなことが起きないよう、市としてしっかりと対策をとって頂く必要があると思います。例えば、その掲載自体が相手方の間違いで起こったことであるならば、早急に抗議を申し入れるなど、明確な対応を取って頂きますよう要望します。

 

④市有財産の有効活用について

次に市有財産の有効活用についてお聞きします。私どもの会派ではこれまでから市有財産、行政財産のひとつである職員会館における職員組合事務所の使用料徴収について、議会で見解を求めてきました。

そして、昨年の12月議会において、「予算編成時期を見据えながら、行政財産使用料の算定根拠や規定方法などについて検討を進めている」との答弁を頂きました。

それでは、平成25年度の当初予算における行政財産使用料の中に、職員組合事務所の使用料は予算計上されているのでしょうか。また、計上されているのであれば、それは、先ほどの答弁にあった市有財産の有効活用という位置づけの中で行われたものなのか、お聞きします。

 

⑤市民まちづくり基本条例について

次に市民まちづくり基本条例についてお聞きします。市長の条例に対する考えは理解いたしましたが、現在の策定審議会の状況は、条例の根幹となる市民の定義付けについて、意見が分かれ、なかなか進展していないように見受けられます。

市民の定義については、慎重に議論することは大切ですが、進展のない議論を続けるのではなく、今の時点で、市民の中に、外国人を入れるのか、市の政策に意見を言える対象の範囲など、この条例に定める市民をどのように考えられているのか、はっきりとお示しされたら如何かと思いますが、見解をお聞かせください。

 

2)「安全で安心して暮らせるまちを築きます」について

②市有建築物の改修・更新工事について

次に市有建築物の改修・更新工事についてですが、老朽化した各施設の建替えの適否については、この「市有建築物保全計画」のデータを十分に活用頂くことはもちろんですが、施設の建替えとなると政策的な面があり、市長の政策の優先順位が大きく反映されることになります。

市長は先ほどの「先送りできない課題について」の答弁で、「市民が安全に安心して暮らせる事が行政の果たす第一の使命」と答弁されました。先ほども言いましたが、防災拠点としての市庁舎、そして穂谷川清掃工場第3プラントなど、市民が安全に安心して暮らすために必要な施設にも関わらず、老朽化で大きな課題を抱えています。今後、これらの施設をどうしていくのか、市長の決断をお願いしたいと思います。

 

(3)「子どもの健やかな成長と学びを支えます」について

①待機児童の解消について

次に待機児童の解消についてお聞きします。待機児童が発生しているということは、非常に残念なことですが、一方で、多くの若い世代の方たちが枚方市に魅力を感じ、住んで頂いているということでもあります。そうした市民の想いに対応し、持続可能な自治体をめざし、まちづくりを進めていくためには、待機児童対策について集中的に取り組みを進める必要があります。

ただし、これから先の就学前児童数や保育需要も踏まえ、単に保育所を創設し、供給量を増加していけばいいということではなく、現存施設、例えば幼稚園の活用など、財政の視野からも多角的な取り組みが必要と考えます。今後の市長の待機児童ゼロに向けての考えについて、お聞きします。

 

②ニート・引きこもり対策について

次にニート・引きこもり対策についてお聞きします。市が中心となってニートや引きこもりの発見・誘導から自立に至るまで一貫した支援に取り組んで行く、まずは、相談窓口を4月から設置し、ニートや引きこもりの若者を総合的に支援していくという市長の思いはよく分かりました。これまで、私たちの会派からも再三指摘してきましたが、ようやく前進したという感があります。

引きこもり等の問題は、本人からアクションを起こすことはほとんどなく、親が発信しないと相談や支援になかなか結びつきません。そのため、親の引きこもり等に対する認識が重要で、親が第三者に相談しないと問題解決が図れません。そこで、ひきこもり等の子どもを抱える親に対して、どのようにアプローチしていくのか、お聞きします。

 

(4)「都市基盤整備の推進と市内産業の活性化を図ります」について

①枚方市駅周辺再整備ビジョンについて

次に枚方市駅周辺再整備ビジョンについてですが、先ほどの答弁では4つのゾーンに分けて中心市街地として魅力と賑わいを構築するとされています。

私は、どうも時間的な緊張感に欠けているように思えてなりません。枚方市駅は一日の乗降客数が約10万人もある、沿線屈指の駅であります。にもかかわらず、相次いで大型の商業施設が撤退していく状況は、市が駅前再整備の基本姿勢において、どこまで本気になって取り組むのかが未知数であることが原因のように感じます。

ご答弁でお示しされた4つのゾーンも、駅周辺整備にとって最大の障壁である市庁舎や府住宅供給公社、サンプラザ1号館をどのようにするのか具体案があって初めて現実性を帯びてくると考えます。

このままでは、実現可能なのは総合文化施設だけで、他のプランは財政的にも「絵に描いた餅」に終わる可能性が高いように感じます。

そのためにも、サンプラザ1号館と府住宅供給公社の移動と、本庁舎を官公庁団地まで後退させることにより民間居住区や商業区を拡大し、税収を図ることと同時に自動車交通の流動化を図るなど、具体的なプランを提示して頂きますよう要望します。

 

②新規就農の仕組み作りについて

次に新規就農の仕組みづくりについてですが、国の農業政策、また、農地法等の制度は地方の農業を主眼として構築されているように思えます。また、その課題解決として打ち出されてくる政策も、都市農業については、その課題解決の手法として大きな隔たりがあるとの認識を持っています。

今回打ち出された施策が、都市農業の課題の突破口となりますよう頑張って頂きたいと思います。

 

(5)「市民の健康と福祉、平和と人権を守ります」について

②成年後見制度について

次に成年後見制度についてですが、関係機関などと連携して、市長申立ての制度も含めて成年後見制度の周知、ニーズの把握を行うとともに、制度の積極的な普及に努めて頂くよう要望します。

また、後見人の人材育成については、法律の知識はもちろん他人の財産管理を行うための専門知識や高い論理観が必要となることから、市民後見人の育成については能力担保などの観点から慎重に検討すべきと考えます。制度利用者が不利益を被ることのないよう、専門家の団体などと連携をしながら制度の普及について進めていって頂くよう要望します。

 

③人権啓発について

次に人権啓発についてお聞きします。市は、従来から特定の人権問題について取り組んでいると考えていますが、現在の社会状況を考えると人権問題についての認識にズレが生じているのではないでしょうか。今の枚方市にとって必要な人権、市民に響く人権施策に取り組んでいくべきと考えますが、見解をお聞かせください。

 

(6)「地球環境とともに、地域の自然や住みよい環境を守ります」について

①ごみ処理施設整備基本構想について

次にごみ処理施設整備基本構想についてですが、答弁にもありましたが、穂谷川清掃工場第3プラントは、現在でもすでに建設から25年目に入り、一般的な寿命とされる20年から25年の期間を超えようとしています。

先般報告を受けた第3プラントの「現状調査結果報告書」によれば、故障した場合にプラントの運転停止や重大な事故に結びつく設備で劣化状態が進んでいて、更新が必要な設備が多くみられるとのことでした。

プラントの設備は、それぞれが大きな金額であることから、早急に基本構想を立て、二重の支出を回避して頂くよう要望いたします。

 

(7)「歴史・文化を活かし、魅力あるまちづくりを推進します」について

①総合文化施設の整備について

次に総合文化施設の整備についてですが、総合文化施設につきましては、会派として本庁舎を防災拠点として移動、立て替えが先という考えは変わっていません。

新たな総合文化施設では、一部の利用団体だけでなく、利用されていない市民にも足を運んでいただく施設として、フレキシブルに考えていただき、民間活力最優先で進めて頂きますよう要望いたします。

 

②枚方の歴史、文化と観光について

最後に枚方の歴史、文化と観光についてですが、先のご答弁で「宿泊滞在型の観光地ではなく、日帰りで楽しめる都市型観光をめざす」とのご答弁を頂きました。

京都や奈良など、世界的な観光地が周辺にある中で、枚方市の現状認識に立ったご答弁であると思います。

歴史文化遺産があり、市民が郷土愛をも持たれることと、そのことが観光資源としての収益に繋がることとは別に考える必要があります。

私は、都市型観光を目指したとしても、枚方市が観光で受ける税収益は支出以上には期待できないと考えますので、肩肘を張らずに淡々と仕事をして頂きますよう要望し、2回目の質問を終わります。


【竹内市長 答弁2回目】

 

1.市政運営の方向性について

(3)市民との対話について

市民の声についてですが、市民からご意見を寄せていただくためには、市政の動向を知って頂くことにより、市政への関心を高めることが重要であると考えます。

このため、今後もさまざまな手法を用いて市政情報を発信し、より多くの市民から声を寄せて頂き、市政に反映できる取り組みを進めてまいります。

 

4.「自治都市・枚方」の実現に向けてについて

(1)「市役所改革を進め、行政力を強化し、市民自治を推進します」について

④市有財産の有効活用について

職員団体の事務所に対する使用料につきましては、職員会館の建設経緯や職員団体の目的などを踏まえて検討を行い、現時点での見込みとして平成25年度当初予算に計上しております。

今後の課題といたしまして、職員会館も含めた行政財産使用許可について、それぞれに減免の要件を検討する必要があることから、実際の履行までには相当の時間がかかるものと考えますが、引き続き行政財産の適正な運用に努めてまいります。

 

⑤市民まちづくり基本条例について

現在も、市民に意見を公募する際などは、市内在住者だけでなく、在勤者や在学者も含めている場合が多いと認識しておりますが、条例案を策定する過程においては、さまざまなご意見をお聴きすることが必要であると考えております。

 

(3)「子どもの健やかな成長と学びを支えます」について

①待機児童の解消について

今後の待機児童対策に向けての考えにつきましては、少子化傾向にある中で、増加する保育需要を見極めながら、待機児童ゼロに向けて、認可保育所による定員増に取り組むとともに、閉園される公立幼稚園の活用など、様々な取り組みを進めてまいります。

 

②ニート・引きこもり対策について

ひきこもり等の子どもを抱える家族は、そのことを他人に知られたくないことから、第三者に相談できないケースが大半であり、当事者や家族だけで抱え込まないよう相談機関へ誘導することが重要であると認識しております。

大阪府が実施した調査によりますと、相談者の傾向として当事者からの相談は少なく、親からの相談が70%を超えています。そこで、本市において4月に親も相談いただけるよう相談窓口を設置いたします。

また、ニートやひきこもりに関する講演会を市民対象に開催するなど、ひきこもり等に関する啓発活動を推進するとともに、地域の民生委員・児童委員や関係機関と連携し、早期支援につなげていけるよう取り組んでまいります。

 

(5)「市民の健康と福祉、平和と人権を守ります」について

③人権啓発について

市政を運営するにあたっては、あらゆる分野で人権尊重の視点に立ち施策を推進していかなければなりません。近年の急速な社会情勢の変化を背景に新たな人権問題が生起するとともに、命にかかわる人権問題が社会問題化しています。

人権施策を推進するに際しては、喫緊の課題とともに継続して取り組むべき課題について、様々な手法を用い人権施策の展開を図っているところです。


【かじや 質問3回目】

 

4.「自治都市・枚方」の実現に向けてについて

(1)「市役所改革を進め、行政力を強化し、市民自治を推進します」について

⑤市民まちづくり基本条例について

3回目は要望のみとさせて頂きます。

まず、市民まちづくり基本条例についてですが、ぜひ条例の根幹となる市民の定義については、審議会の中でも争点となっていることから、慎重な判断を求めておきます。

 

(3)「子どもの健やかな成長と学びを支えます」について

②ニート・引きこもり対策について

次にニート・引きこもりの対策についてですが、5月に計画を策定し、これから取り組みを進めていかれますが、計画の取り組みは多岐にわたっており、様々な関係機関・団体との連携・協力体制を構築していかないと、成果が得られないと思います。是非ともニート・引きこもり状態にある子ども・若者を救い出すとの強い思いのもと、強力なリーダシップを発揮して実効性のある支援を推進して頂きたいと思います。

また、計画の対象は30歳代までということですが、引きこもり状態が長期化し40歳を超えた方々もおられます。この方達は長期化ゆえ、精神疾患などを罹患されることもあり、専門家を交えた早急な対策が必要です。

今は、20代、30代でも10年後、20年後には40歳を超えてしまいます。本人や家族が、なかなか相談に行かず引きこもりの状態が長期化しているという悪循環に陥っており、こうした状況から脱け出すためには親の認識がポイントになります。そのため、親への働きかけも含め、早期に対策に取り組み、一人でも多くの若者を救い出して頂くよう要望いたします。

 

(5)「市民の健康と福祉、平和と人権を守ります」について

③人権啓発について

次に人権啓発についてですが、多様化する社会情勢にあって、様々な人権問題こそ行政が司令塔となって進めていかなければならない仕事であると考えています。

従来の人権問題は差別問題として、例えば、同和や障害者、HIV、ハンセン病、人種、国籍、被爆、女性、セクシャルマイノリティなどが人権問題として取り上げられ、また、対策も講じられてきたところです。

今後は、本市として特定分野にこだわることなく、近年、問題となる児童や高齢者、DV、ネット、引きこもり、不登校、いじめ、ニート、犯罪被害者、難病、親子関係など、あらゆる分野に人権が関わっているという認識を持ち、その時々の市民ニーズ、社会環境にアンテナをはり、優先順位をつけて取り組んで頂きますよう要望し、代表質問を終わらせて頂きます。