平成24年第4回定例会(12月議会) 一般質問


平成24年第4回定例会本会議(平成24年12月14日)で行った一般質問の記録を掲載します。

 

 

(Q1)「広報ひらかた」の短信コーナーについて

(Q2)市立中学校の通学区域制度の弾力的運用と国・私立中学への進学状況について

(Q3)小中学校給食調理場の整備手法等に関する方針(案)について

(Q4)(仮称)枚方市市民まちづくり基本条例について

(Q5)職員の時間外勤務及び休暇の状況について

 

※これは正式な議事録ではございません。正式な議事録は、市役所や図書館、市議会のホームページで閲覧することができます。

※質問・答弁の順序は、読みやすいように前後入れ替えて掲載をしています。 

 



(Q1)「広報ひらかた」の短信コーナーについて

【かじや 質問】

まず「広報ひらかた」の短信コーナーについてお聞きします。

「広報ひらかた」に毎月見開き2ページを使って掲載されている「短信コーナー」の掲載主旨についてお聞きかせください。また、掲載にはあらかじめ団体の登録が必要だと聞いていますが、その登録団体数と、毎月の平均掲載件数及び1年間の掲載件数についてお聞きかせください。

 

【北村政策企画部長 答弁】

「広報ひらかた」の短信コーナーは、独自の登録基準を設け、市内を拠点に活動する市民サークルの会員募集や催しの紹介を通して、文化・スポーツなどの自主的な市民活動を支援するとともに、市民と市民をつなぐ役割を果たしているものです。

登録団体数は、平成23年度で463団体、平成24年度は11月末現在で413団体です。

掲載件数につきましては、平成23年度は1月当たりの平均掲載件数は77件、年間のべ924件です。平成24年度は1月当たりの平均掲載件数は約81件、のべ650件となっております。なお、同一団体の掲載は、1年間で4回を限度としています。

 

【かじや 質問】

「広報ひらかた」の短信コーナーについて2回目の質問をさせて頂きます。

「広報ひらかた」の紙面において、行政情報以外の民間の情報が掲載されているのは、この「短信コーナー」と企業等の「広告」だけであると聞いています。

広告は掲載するに当たって掲載料が必要である一方、短信コーナーは無料で掲載できるそうですが、例えば、短信コーナーが掲載されている2ページ分にすべて広告を掲載した場合、掲載料はどれくらいの金額になるのかお聞かせください。

 

【北村政策企画部長 答弁】

平成24年度の広告単価は8分の1ページに当たる1枠が8万4001円で契約していますので、仮に2ページ16枠分を広告掲載した場合の収入は1号当たり134万4016円となります。

 

【かじや 質問】

短信コーナーのスペースである2ページを仮にすべて広告で埋めた場合、1号当たり130万円程度の媒体価値があるということが分かりました。つまり、短信コーナーが月平均80件程度の掲載件数とすると1件当たり1万6000円以上の価値のある掲載だとも言えます。

財政状況が厳しい中で、生涯学習市民センターなど市の多くの公共施設においては、市民に受益者負担を求める観点から使用料をお願いしている状況です。「広報ひらかた」の「紙面」も市民の税金で賄われている公共のスペースであり、そのスペースを貸すという意味では公共施設の部屋貸しと同じであると考えることもできます。

市民団体に対して企業等の広告と同程度の掲載料を徴収するのは難しいとは思いますが、1件当たりの掲載に1万6000円以上の価値があることをご認識頂いた上で、今後、他の公共施設と同様、受益者負担として少なくともいくらかの掲載料をお願いしていくべきではないかと考えますが、見解をお聞きかせください。

 

【北村政策企画部長 答弁】

広報ひらかたの有料広告は、自主財源確保の一環として企業から広告を募る事業として平成17年に始めたものです。それ以外の掲載記事は行政情報だけでなく「短信コーナー」をはじめ「まちの話題」など市民が主体の情報もすべて広報課で企画編集等行っているものです。その中で短信コーナーは、本市の大きな魅力の一つである活発な市民活動を広く市民につなげるコーナーとして設置しているもので、無料であることから、幅広い市民団体の活動を掲載することができ、新たな活動を求める市民にとって貴重な出会いの場となっていると認識しています。市民と市民をつなぐ役割を果たすためにも、現時点では無料掲載を継続したいと考えています。

 

【かじや 意見】

フリーペーパーにも短信コーナーと同様の市民活動をお知らせするコーナーがありますが、当然ながら掲載するには掲載料が必要です。また、先ほども言いましたが、生涯学習市民センターなど市の多くの公共施設が有料化されています。そのような中で、「広報ひらかた」の「紙面」という貴重な公共スペースを、このまま一部の市民に無料で提供しなければならないのか疑問を感じます。

市の財政状況が厳しい中、受益者負担の観点や他の公共施設とのバランスなどを考慮した上で、今後、有料化について検討して頂くよう要望します。

また、短信コーナーの利用者からは、年4回だけでなくもっと掲載したいという意見も聞きます。有料化することで、掲載についての条件を緩和することも考えられると思いますので、併せて検討して頂くよう要望します。


(Q2)市立中学校の通学区域制度の弾力的運用と国・私立中学への進学状況について

【かじや 質問】

次に市立中学校の通学区域制度の弾力的運用と国立・私立中学への進学状況についてお聞きします。

枚方市内の児童のうち、枚方市立中学校に入学した人数と、国立や私立中学校へ進学すると届け出た人数の比率は、昔に比べどのように変わってきているのかをその推移をお聞かせください。

また、平成9年の文部省初等中等教育局長の通知に基づいて、本市で平成16年度から「枚方市立中学校の通学区域制度の弾力的運用」を実施されていますが、実施当初から申出人数と申出理由が、どのように変化してきたのかをお聞かせください。

 

【渡邊教育委員会事務局学校教育部長 答弁】

市立中学校の通学区域制度の弾力的運用と国・私立中学への進学状況について、お答えいたします。

枚方市内の児童のうち、枚方市立中学校に入学した人数と国立や私立中学校へ進学すると届け出た人数の比率ですが、平成3年度は、5.66%の児童が国立や私立中学校に進学し、その後、平成13年度は、9.30%、平成23年度は、10.78%の児童が国立や私立の中学校へ進学しております。5年間の比率は約10%程度で推移しております。

次に、枚方市立中学校の通学区域制度の弾力的運用は、居住地校区の中学校へ通うことを基本としながら、保護者と就学に関する相談を行う中で、保護者や子どもの思いを受け止め、そのニーズに対応する必要がある場合には、就学指定校を変更する制度です。平成16年度の実施初年度は、156名が指定校変更を行い、平成24年度に入学した生徒では410名となっています。変更の申出理由は、友人関係、部活動、地理的理由が主であり、実施当初から特に大きな変化はありません。

 

【かじや 質問】

次に市立中学校の通学区域制度の弾力的運用と国・私立中学への進学状況について2回目の質問をさせて頂きます。

まず、国立・私立中学への進学状況についてお聞きします。近年、約1割の児童が地元の公立中学校に進学せず、国立や私立の中学校に進学している状況のようですが、このように国立や私立中学校へ進学する児童数や比率が増加していることについて、教育委員会として、その原因をどのように認識しているのか、その傾向と併せて見解をお聞かせください。

 

【渡邊教育委員会事務局学校教育部長 答弁】

私立中学校へ進学する児童の比率の上昇は、全国的な傾向であり、昭和60年の私学ブームに端を発し、新設される私立中学校が増えてきました。それに伴い、私学への入学者が増加しており、本市においても同様の傾向がみられるものと考えています。

 

【かじや 質問】

私立中学校の定員が増えたから、その進学者数が増加したとのことですが、それは外形的な要因です。なぜ、保護者・児童がわざわざ高い授業料を払ってまで私立の中学校に進学しているのかという本質の部分について本当はお聞きしたかった訳です。

子どもを私立中学校へ進学させる保護者は、進学率の高さや大学までエスカレーターで進学できること、クラブ活動、校風など私学独自の教育方針に共鳴して行かせることも多いと思われますが、中には、本当は経済的にも負担の少ない公立に進学させたいが、学習面や生徒指導面で公立の教育に不安があるので、私学に進学させたいという話を聞いています。

ある教育関連企業の調査によると、私立中学校への進学を希望している保護者の85.8%が「今の学区の公立中学校は不安なことが多い」と回答しています。また児童では「私立の方が地元の公立中学校よりたくさん勉強できるから」と答えたのが63.6%、「地元の公立中学校はいじめの心配があるから」と答えたのは34.7%となっており、公立中学校への不安が私学へ進学する要因のひとつとなっていることが伺えます。

このような保護者や児童のニーズを教育委員会ではどのように把握されているのか、また、これらのニーズにどのように応えようとしているのか見解をお聞かせください。

 

【渡邊教育委員会事務局学校教育部長 答弁】

教育委員会では、本市の公立小中学校が、日々の保護者との連絡や学校教育自己診断や保護者懇談等を通じて、保護者のニーズを適切に把握し、その改善に努めるよう指導しているところです。

 また、その内容については教育委員会に報告を求め、教育委員会としても必要な対応策を講じてきたところです。具体的には、少人数指導によるきめ細かな指導、放課後自習教室における個に応じた学習支援、小中連携による学力向上の取組などを進めております。また、生徒指導体制の充実や児童生徒への教育相談を充実することなどで、保護者が安心して子どもを通わすことができるよう教育環境の整備に努めているところです。

 

【かじや 質問】

私立と公立ではその役割が違うという面もありますが、地元の公立中学校へ進学することの不安から私立を選択している事実があるということを真摯に受け止めて頂き、保護者や児童の不安をできるだけ払拭できるよう、そのニーズ把握や教育環境の整備に努めていってもらうよう要望します。

次に市立中学校の通学区域制度の弾力的運用についてですが、申出人数が毎年増加しているとのことですが、その理由についてお聞かせください。

 

【渡邊教育委員会事務局学校教育部長 答弁】

申出人数が増加している理由としましては、友人関係、通学距離、部活動等、個々のニーズに柔軟に対応する中で、この通学区域制度の弾力的運用が保護者の中に浸透したことが、大きな理由であると認識しております。

 

【かじや 質問】

地元の公立中学校ではどうしてもすくえない保護者や児童のニーズに応えるためにもこの制度は継続していく必要があると考えますが、教育委員会として今後どのような方向性を考えておられるのか見解をお聞かせください。

 

【渡邊教育委員会事務局学校教育部長 答弁】

枚方市立中学校の通学区域制度の弾力的運用につきましては、対応が必要な個々のニーズに柔軟に対応できる制度として必要であると考えております。

しかしながら、実施から9年が経過して、一小一中への改善が進むなど、状況も変化してきていることから、本年2月に教育委員会内にプロジェクトチームを設置して、現在検証を進めているところです。

 

【かじや 意見】

先ほどの私立中学校への進学のところでもありましたが、すでに約1割の児童が地元の公立中学校に進学せず、国立や私立の中学校へ進学されているのが現状です。経済的に余裕がある家庭は私学も選択できますが、多くの家庭では選択の余地がなく地元の公立中学校へ進学するしかありません。もちろん、地元の学校に進学することに問題を感じていない方も多くおられます。しかし、残念ながら、友達との関係やクラブ活動などの理由で、どうしても地元の公立中学校ではそのニーズに応え切れない部分があるというのも現実です。

先ほども言いましたが、地元の公立中学校ではどうしてもすくいきれない保護者や児童のニーズに応える必要があります。そのためにも、保護者・児童のニーズの把握や不安の解消などのための相談を充実させるとともに、通学区域制度の弾力的運用の制度については継続してもらうよう要望します。


(Q3)小中学校給食調理場の整備手法等に関する方針(案)について

【かじや 質問】

次に小中学校給食調理場の整備手法等に関する方針(案)についてお聞きします。

方針(案)では、(仮称)新第2学校給食共同調理場について「直営による運営の確保も必要と考えられる」とあり、直営で運営していく旨が間接的な表現で示されています。

先に建設することが示されている(仮称)新第1学校給食共同調理場と中学校給食共同調理場については、効果的・効率的な運営が期待できるとして民間委託を検討していくとなっているのに、なぜ、(仮称)新第2学校給食共同調理場については直営なのか、その理由についてお聞きかせください。

また、中学校給食の実施前の昼食支援として、希望する生徒に対して民間調理事業者による昼食提供についても検討するとありますが、いつから実施するのか、さらに、この昼食提供とは給食なのか、それとも購買部の弁当販売と同じと考えていいのか、市の費用負担はあるのか、支援の具体的な内容についてお聞きかせください。

 

【君家教育委員会事務局管理部長 答弁】

小中学校給食調理場の整備手法等に関する方針(案)についてお答えいたします。

共同調理場の運営形態につきましては、今後も引き続き栄養バランスに優れ、安全・安心でおいしい給食を提供していくために、これまで蓄積されてきた調理技術や衛生管理のノウハウを継承していくことが必要でございます。

また、施設設備の故障や火災・停電などの事故により、給食提供が困難となった場合等における学校給食調理場全体のバックアップ機能を確保するとともに、災害時における被災者支援などの観点からも、直営による運営を確保する必要があると考えております。

民間調理事業者による昼食提供事業の実施時期につきましては、各中学校の受け入れ施設の整備完了後となる平成26年度以降を見込んでおりますが、より早い時期での実施に向け、検討を進めてまいります。

また、学校給食ではないことから、昼食費について市が費用負担を行うことは予定しておりません。

 

【かじや 質問】

次に小中学校給食調理場の整備手法等に関する方針(案)について2回目の質問をさせて頂きます。

 まず、昼食提供事業については、他の自治体が民間活用等で中学校給食を早期に実施する中、枚方市では、施設の建設に時間を要し実施が遅れる訳ですから、せめて昼食支援はできるだけ早期に実施できる方法を検討して頂きますようお願いします。

次に小学校給食の共同調理場の運営形態についてですが、先ほど直営も必要との答弁でしたが、(仮称)新第2学校給食共同調理場の運営経費の点で、直営と民間委託と比較するとどのようになるのかお聞きかせください。

 

【君家教育委員会事務局管理部長 答弁】

(仮称)新第1学校給食共同調理場の整備後の着手を予定しております、(仮称)新第2学校給食共同調理場の運営経費につきましては、直営と民間委託の比較では民間委託の方が低額となると見込まれます。直営での学校給食施設の必要性は先ほど答弁させて頂きましたが、運営に要する経費等については、今後、整備についての検討を進める中で精査してまいりたいと考えております。

 

【かじや 質問】

次に(仮称)新第2学校給食共同調理場の整備時期については、方針(案)では示されていませんが、具体的にいつ整備を行うのか、また、財政的な裏付けについても併せてお聞きかせください。

 

【君家教育委員会事務局管理部長 答弁】

(仮称)新第2学校給食共同調理場につきましては、既存施設の現地建て替えではなく、新たな場所での建設を計画しておりますので、早期の施設整備に向けた検討を進めてまいります。

また、財政的には、長期財政の見通しにおきまして、概ね50億円程度と見込まれている投資的事業の中での対応が必要であると考えております。

 

【かじや 意見】

老朽化の進む小学校給食の共同調理場の整備は必要であり、早急に取り組んで頂きたいと思いますが、財政的な裏付けは必要です。その他の老朽化する施設の維持・更新も含めて、財政的な計画を明らかにして頂くよう要望します。

また、(仮称)新第2学校給食共同調理場の運営についてですが、運営経費を比較すると民間委託の方が効果的・効率的であるのは明らかです。財政状況が厳しい中、その点でのメリットが大きいから(仮称)新第1学校給食共同調理場と中学校給食共同調理場については、民間委託についての検討を進めておられるのだと認識しています。

しかし、(仮称)新第2学校給食共同調理場については、学校給食調理場全体のバックアップ機能の確保や災害時における被災者支援などの観点も必要であるとのことで、多少経費が膨らんでも直営による運営が望ましいとのご答弁です。

施設の老朽化が進み、これから次々と施設を更新していかなければならない状況で、効果的・効率的な運営を度外視してまで直営にするメリットが感じられません。実際に大規模災害が起こった時、直営であれば給食調理場が稼働する保証があるのか大いに疑問ですし、バックアップ機能であれば民間委託でも十分に可能であると考えます。職員の人件費を民間並みにするなどコスト面で遜色のないようにできるのであれば別ですが、現状においてはより効果的・効率的に小学校給食を実施いていくためにも、(仮称)新第2学校給食共同調理場に関しても民間委託での運営にして頂くよう要望します。


(Q4)(仮称)枚方市市民まちづくり基本条例について

【かじや 質問】

次に (仮称)枚方市市民まちづくり基本条例についてお聞きします。

11月9日に開催された市民まちづくり基本条例策定審議会を傍聴した際、そこで初めて条例の検討案が示されました。そこでこの検討案についてお聞きします。検討案は誰がどのような意図で作成し、どのように活用されていくのか、また、この検討案が条例案につながっていくのか、今後の市の方針についてお聞きかせください。

 

【佐藤市民安全部長 答弁】

前回の審議会でお示しした検討案は、主に、以前の市民参加推進条例案を参考にしながら、これまでの審議会で各委員から出された意見を盛り込み、条例案の策定に向けた議論のたたき台として事務局が作成いたしました。今後、この検討案をもとに幅広く議論していただくとともに、庁内委員会の意見等も踏まえた上で、成案化を図ってまいります。

 

【かじや 質問】

次に (仮称)枚方市市民まちづくり基本条例について2回目の質問をさせて頂きます。

検討案で示された「市民の定義」では、市内に住所を有する者、市内の事務所または事業所に勤務する者、市内の学校に在学する者及び市内で活動し、または事業を営む個人及び団体を「市民」として定義されています。

例えば西宮市の「参画と協働の推進に関する条例」では、市民の定義について「市民」と「市民等」という使い分けがなされています。枚方市でも「市民」の定義・範囲を複数に分け、参画の手法によっては「有権者」と「それ以外の人」というように役割を分けることも可能かと考えますが、市の見解をお聞きします。

また、私はこれまでの質問で、校区コミュニティ協議会について、年間100万円もの補助金を交付している団体であるにも関わらず、条例で何の定義もなされていないのは問題であると指摘をしてきました。今回、この検討案の中で、初めて校区コミュニティ協議会が位置づけをされ、その運営についても「民主的な運営に努めるもの」と規定されています。このことについては一定評価をしたいと思いますが、今後、条例案でも校区コミュニティ協議会の条項がそのまま生かされるのかどうか、市の見解をお聞きかせください。

 

【佐藤市民安全部長 答弁】

まず、「市民の定義」は、条例全体に深くかかわる規定となるため、今後、その範囲や規定方法について、さらに審議会でご議論いただいた上で定めてまいります。

また、校区コミュニティ協議会の規定につきましても、審議会での議論が始まったところであり、今後、十分に議論をいただいた上で定めてまいります。

 

【かじや 意見】

市民の定義については、議会や市民の間でも様々な意見があり、他の自治体でも問題提起がなされています。市民の定義を複数にし、参画の手法によって使い分けることで、様々な考え方の人たちの理解を得られやすいのではと考えます。ぜひ、「市民」と「市民等」というように、市民の定義を使い分けることを前向きに検討して頂くようお願いします。

次に校区コミュニティ協議会についてですが、私がコミュニティ協議会について質問する機会が多いからか、最近、私のもとに地元校区だけでなく、様々な校区の方から相談が寄せられるようになりました。そのいずれもが「民主的な運営がなされていない」という相談です。

校区コミュニティ協議会が自主的な運営に任されているが故に、中には公正で透明性のある運営がなされていない校区が出てくるのであり、市が条例等で位置づけをし、民主的な運営がなされるよう一定関与する必要があると考えます。校区コミュニティ協議会については、条例によりその位置づけをしっかりと行って頂くとともに、民主的な運営がなされるような規定も盛り込むよう要望します。


(Q5)職員の時間外勤務及び休暇の状況について

【かじや 質問】

最後に職員の時間外勤務及び休暇の状況についてお聞きします。

先日、埼玉県で県職員が約2000時間の残業を行い、740万円の時間外勤務手当を支給されていたという報道がありました。税務システムの見直しにより一部の職員に業務が集中したためだとして、知事も「異常である」と述べており、人員配置や業務のあり方などに問題が無かったか、問われるところです。

そこで、本市における平成23年度の時間外勤務の状況について、特に勤務時間数が多い部署の状況や時間外勤務手当の支給状況、職員が時間外勤務を行う場合の手続きについてお聞きします。

次に休暇の状況についてですが、本市職員の休暇制度の中に、組合休暇というものがあります。この休暇制度の概要と、平成23年度における対象者と取得実績、休暇の取得手続きについてお聞きかせください。

 

【長沢総務部長 答弁】

はじめに本市における平成23年度の時間外勤務の状況についてですが、年間600時間を超える部署としては、枚方市民病院事務局及び薬剤部、そして市民安全部・健康部・社会教育部・下水道部で合わせて13人の職員が該当します。時間外勤務手当の支給状況ですが、職員1人あたりの平均時間単価は2733円となっております。時間外勤務の手続きについては、各職場において、所属長の命令に基づき、職員が予定・実施時間を報告し、所属長が確認の上で承認しております。

次に組合休暇についてお答えします。組合休暇は、地方公務員法で認められた職員団体の運営のために必要不可欠な業務・活動に要する期間について休暇を認めるもので、昭和43年の旧自治省の通知により、国における従事許可制度と同じ趣旨の内容を条例において規定しております。休暇日数は年間30日を限度とする無給の休暇で、休暇の対象者は、職員団体が定める執行機関、監査機関、調査機関、調査研究・諮問機関に従事する者で、事前に対象者として承認を行った上で、都度の休暇申請及び承認については、各所属において行っています。平成23年度の対象者は計104名で、実際に取得した人数は延べ30人、取得状況は日数に換算しますと月平均で約8日となっており、最も多いのは8月で約38日、次いで4月の18日、11月の11日となっております。

 

【かじや 質問】

次に職員の時間外勤務及び休暇の状況について2回目の質問をさせて頂きます。

まず、時間外勤務についてお聞きします。先ほどの答弁ではなかったのですが、枚方市民病院の事務局職員については年間900時間以上の時間外勤務が発生していると聞いています。時間外勤務手当の平均時間単価2733円を単純に掛けて計算しますと、年間で245万円もの手当が支給されていることになります。埼玉県のような事例と比べると少ないように見えますが、900時間と言えば相当な過重労働ではないでしょうか。

その他の部署についても年間600時間を超えるなど、決して少なくない時間外勤務が発生しています。なぜこれほどまでに時間外勤務が多くなったのか、その理由をお聞きかせください。

 

【長沢総務部長 答弁】

時間外勤務が多くなった要因としては、東日本大震災への対応や、システム移行に係る業務、病院での「病院機能評価」に係る更新審査への対応などの突発的な業務のほか、時期的な業務繁忙などによるものと分析しています。

 

【かじや 質問】

今、時間外勤務が多くなった理由をお聞かせ頂きましたが、東日本大震災のような突発的な業務は別にして、年間の事業計画や業務量の適正な把握が正しく行われていれば、事前に適正な人員配置を行うことで、時間外勤務が多くなるような事態が避けられたのではないでしょうか。

年間900時間以上も残業させて手当を200万以上支払うのであれば、例えば、その分でアルバイトを雇用して、業務をサポートさせるなど様々な工夫も考えられます。そのほうが、雇用の創出に繋がるだけでなく、職員の過重労働やメンタルヘルスの問題を考えると合理的な方法だと思いますが、市の今後の対応についてお聞きかせください。

 

【長沢総務部長 答弁】

時期的な事務繁忙などで、一定の時間外勤務が生じることはやむを得ないとは考えておりますが、これまでも業務の効率化や繁忙期におけるアルバイトの配置、組織内の流動体制などにより、個人に業務が偏ることのないよう、職員の健康管理の面からも時間外勤務の縮減について取り組んでいるところです。次世代育成支援対策推進法に基づき策定した「枚方市特定事業主行動計画」でも、厚生労働省や人事院の基準等をもとに、時間外勤務時間を「月45時間未満または年360時間未満」という取り組み目標を定めています。

今後も、こうしたワーク・ライフ・バランスの観点や職員の健康管理も踏まえて、引き続き「効率的な事務執行」や「業務の平準化」に向けて取り組んでまいります。

 

【かじや 質問】

時間外勤務時間を「月45時間未満または年360時間未満」にするという取り組み目標があるとのことですが、実際に昨年の時間外勤務の状況を見ますと、400時間以上の職員が50人もいる状況です。職員の人員配置の適正化による「効率的な事務執行」や「業務の平準化」も進めてもらわなければなりませんが、事務事業の廃止や統合、民間委託の推進、業務改善などを進めながら、効率化を図っていくということも必要です。

職員のワーク・ライフ・バランスの推進や健康被害の防止といった視点はもちろん、コスト管理の視点からも、時間外勤務時間を「月45時間未満または年360時間未満」にするという取り組み目標を達成できるよう要望しておきます。

次に組合休暇についてお聞きします。その他にも様々な休暇制度がある中、組合休暇だけで1年に30日までの期間で取得できるということですが、そのことで各職場の業務に支障が出ていないのかお聞きします。

 

【長沢総務部長 答弁】

組合休暇は、公務の運営に支障がない場合に取得を認めており、各職場の業務状況などにより、所属長が判断して承認しております。

 

【かじや 質問】

「職員の勤務時間、休暇等に関する条例」第17条2項によると、「任命権者は、職員が職員団体の規約に定める機関で市長が定めるものの構成員として当該機関の業務若しくは活動に従事する場合又は職員団体の加入する上部団体のこれらの機関に相当する機関の業務で当該職員団体の業務と認められるものに従事する場合で、公務の運営に支障がない場合に限り、組合休暇を与えることができる」とあります。

それでは、所属長が組合休暇を承認するにあたり、具体的に職員が組合のどのような業務若しくは活動に従事するために組合休暇を取得するのか、その理由を確認されているのかお聞かせください。

 

【長沢総務部長 答弁】

職員団体は、勤務条件の改善やそれに付帯する福利厚生的活動を行うものであります。従事内容の詳細まで把握することは困難ではございますが、組合休暇はあくまで職員団体に関わる業務や活動に従事する場合に限定して付与されるものでございます。

 

【かじや 質問】

先ほどの答弁で、平成23年度の組合休暇の取得状況で月平均が約8日ということですが、月別の取得状況を細かく見ると、2日未満の月が5ヶ月、10日未満の月が4ヶ月となっています。それからすると4月の18日、8月の38日というのは多いように感じます。さらに今年度の取得状況を調べますと、4月が2.71日、8月が2.94日と昨年と比べると大幅に減っています。なぜ、昨年の4月と8月だけ突出して取得が増えているのでしょうか。

昨年の4月、8月と言えば、ちょうど統一地方選挙や枚方市長選挙と時期が重なっていますが、果たしてこれは偶然の一致でしょうか。まさか選挙活動のために組合休暇を取得していることはないとは思いますが、例えば「選挙活動」やそれを含めた「政治活動」を行うことは組合休暇の取得要件として認められているのかお聞きします。

 

【長沢総務部長 答弁】

一般職の地方公務員については、地方公務員法に定める政治的行為が制限され、また、公職選挙法により地位利用による選挙活動が禁じられているところであり、法に抵触する活動は組合休暇の要件としては認められるものではありませんので、法に抵触しない範囲で、かつ、職員団体の執行機関等の業務に従事する場合は、組合休暇として認められるものです。

 

【かじや 質問】

法に抵触しない範囲の選挙活動であれば、組合休暇として認めるとの答弁ですが、条例にある「職員団体の業務若しくは活動」の中に選挙活動や政治活動が含まれるということでよろしいでしょうか。改めて、休暇付与についての見解をお聞かせください。 

また、組合休暇については、国にも本市と全く同じではないものの、同様の制度があるようですが、年次有給休暇と違い、組合休暇は純粋に組合活動を行うためだけに認められる休暇だと理解しています。

しかし、現状ではその活動内容の詳細について、確認がなされないまま休暇が承認されており、適切な休暇付与となっているのか疑問です。どういう目的で休暇申請があり、それを確認して承認するという過程が承認段階において必要ではないかと考えますが、見解をお聞かせください。

 

【長沢総務部長 答弁】

繰り返しの答弁となりますが、法に抵触しない範囲での政治的行為については認められているところであり、組合休暇については、当該行為が職員団体の執行機関等の業務である場合に認められるものです。

組合休暇は、他の休暇とは違いまして、あらかじめ団体の運営に従事する職員や期間を承認した上で、申請・承認を行う限定的な運用を行っております。今後も組合休暇の趣旨に沿った、適正な手続きに努めてまいります。

 

【かじや 意見】

様々な思想・信条を持つ市民から強制的に徴収された税金により職員は雇用されています。すべての市民の奉仕者であるはずの職員に対して、特定の政党や候補者を支援する目的で選挙活動や政治活動を行うことを「組合の執行機関等の業務」であると認め、公に休暇を与えるということは非常に問題であると考えます。

今後は、組合休暇を取得する際に具体的な業務や活動の内容を申請させるとともに、選挙活動や政治活動に対する付与を見直すよう要望して、私の質問を終わります。