平成24年決算特別委員会(平成24年10月15日、22日、24日)で行った質疑の記録を掲載します。
(Q1)普通交付税と臨時財政対策債について
(Q2)実質収支と単年度収支について
(Q3)市税の減免について
(Q4)自治会館建設補助金について
(Q5)朝鮮語教室運営事業について
(Q6)枚方人権まちづくり協会活動補助事業について
(Q7)学校給食費について
(Q8)公害防止啓発事業について
(Q9)病児保育事業について
(Q10)公共下水道整備工事の住民周知と家屋調査について
(Q11)公設浄化槽事業について
(Q12)牧野駅東地区再開発特別会計について
※これは正式な議事録ではございません。正式な議事録は、市役所や図書館、市議会のホームページで閲覧することができます。
(Q1)普通交付税と臨時財政対策債について
【かじや 質問】
普通交付税と臨時財政対策債について質問をいたします。
平成23年度決算を見ると、本市の普通交付税は99億5143万2000円、臨時財政対策債は65億2593万1000円で、これらを合計すると164億7736万3000円となっています。臨時財政対策債が約4割を占めている状況です。
普通交付税に対して臨時財政対策債の占める割合が増加してきているようですが、平成13年度に臨時財政対策債の制度ができて以降、どのような状況にあるのか、お聞きいたします。特に導入された初年度の状況と、これまでの中で占める割合が最も高かった時の状況について、お聞かせください。
【福岡財政課長 答弁】
普通交付税と臨時財政対策債のうち臨時財政対策債が占める割合についてですが、臨時財政対策債が創設されました平成13年度は16.2%となっております。その後、国が示す地方財政計画では、地方交付税総額は減少傾向で、臨時財政対策債は増加傾向にあることや、臨時財政対策債の各市への配分方法の見直し等が行われたことなどから、本市における臨時財政対策債の占める割合は増加傾向となっており、平成22年度が最も高く、42.2%、平成23年度決算では、39.6%となっております。
【かじや 質問】
平成22年度は42.2%、23年度は39.6%ですので、わずかながら減少してはいますが、臨時財政対策債の創設時に比べますと、かなり割合が高くなってきています。
これまでの議会答弁でも、臨時財政対策債の償還費用については、交付税で措置されると言われていますが、このように臨時財政対策債の割合が増加傾向にある中で、本当に適切に措置されているのでしょうか。そこで、平成23年度で臨時財政対策債償還費として交付税措置されている金額と実際に償還に当てた費用についてお聞きします。
【福岡財政課長 答弁】
平成23年度の普通交付税の算定における基準財政需要額には、臨時財政対策債償還費として20億8255万1000円が算入されており、また、臨時財政対策債に係る実際の公債費につきましては、18億7170万5000円となっております。
【かじや 意見】
算定上は、一見、交付税できちんと措置されている状況に見えますが、先程お聞きしたとおり、本来の交付税措置のうち約4割程度は、臨時財政対策債発行可能額により措置されている状況にあります。そうすると計算上の話になりますが、臨時財政対策債の償還費用についても、全て交付税により措置されているのではなく、その4割程度は臨時財政対策債によって措置されている理屈になります。「借金の返済費用を、現金ではなく、新たな借金により賄っている」と言う状況で、このままではまさに泥沼の借金地獄へ転落ということになりかねません。臨時財政対策債は、借金が雪だるま式に膨らんでいくという本当に問題のある制度です。
臨時財政対策債が平成25年度までの措置ということなので、その後この制度がどうなっていくかは不透明ですが、長引く景気の低迷や東日本大震災の影響などもあり、このまま制度が続いていくという可能性も大きいのではと考えます。
臨時財政対策債については、これまでも多くの議員からその制度の問題について様々な指摘がありました。それらの指摘を真摯に受け止め、今後、臨時財政対策債の発行については慎重に検討し、抑制に努めていって頂きますよう要望します。
(Q2)実質収支と単年度収支について
【かじや 質問】
実質収支と単年度収支について質問をいたします。
「広報ひらかた」10月号に、平成23年度決算の概要が掲載されています。そこには、各会計別の決算状況として、歳入額や歳出額、実質収支などが載っています。この決算概要の記事については、毎年「広報ひらかた」に掲載されていますが、昨年のものを見てみますと、昨年は実質収支以外に単年度収支についても掲載されていました。ところが、今年は実質収支のみで単年度収支の記載がありませんでした。
なぜ、今年から単年度収支の記載を取りやめたのか、また、実質収支と単年度収支の意味合いについても、合わせてお聞きします。
【福岡財政課長 答弁】
実質収支につきましては、歳入額から歳出額を差し引きし、さらに、翌年度に繰り越した事業に必要となる財源を控除した額が実質収支となります。また、単年度収支につきましては、当該年度の実質収支額と前年度の実質収支額との差を表したものです。
次に、広報ひらかたで単年度収支の掲載を取りやめ、実質収支のみとした理由でございますが、通常、「黒字団体」「赤字団体」という場合、実質収支による収支金額で判断することとなり、最終的な自治体の決算を表すのが実質収支であることや、また、実質収支の赤字額を解消していく中では、単年度収支を記載することで、収支の改善状況をお知らせすることができますが、10年間黒字を維持している中にありましては、市民に決算状況をお知らせするうえで、意味合いの異なる二つの収支を掲載することを避け、本来的に自治体の収支を表す実質収支を掲載した方が、より分かりやすいと判断したものでございます。
【かじや 質問】
今後、市の財政状況を見ていく上で、実質収支がどう推移していくかがポイントとなってくるかと思います。平成23年度決算では実質収支は約14億円の黒字でした。9月の補正予算でもありましたが、今後、毎年5億円を減債基金へ積み立てていき、それを活用して地方債の発行額を抑制していくという説明がありました。減債基金への積立を毎年確実に行っていくには、それなりに実質収支への影響があると思いますが、その点をどのように考えておられるのか、お聞きします。
【福岡財政課長 答弁】
地方債発行額の抑制に向けた減債基金への積立につきましては、実質収支の黒字額を10億円程度維持するものとし、その2分の1にあたる5億円を想定しています。そのため、この取り組みを確実に行っていく中では、実質収支が黒字であっても、単年度ではプラスになる場合もマイナスになる場合もあると考えております。
【かじや 意見】
官公庁会計では、借金したお金は収入になりますし、逆に基金に積み立てたお金は支出になるなど、民間企業の会計とは黒字の意味合いが大きく違っています。そのような中で、実質収支黒字を維持していく必要はありますが、今後、右肩上がりに黒字額をどんどん増やしていく必要はないと思います。それよりは、収支状況を踏まえた中で、次世代の負担軽減を図る観点から、将来に備えて基金への積立を行うことも必要ですし、あるいは、先程質問しました臨時財政対策債の借入れを少しでも抑制する、そういった観点から財政運営を進めていって頂くよう要望します。
(Q3)市税の減免について
【かじや 質問】
歳入の中から市税について質問をいたします。
市税には様々な理由により減免の措置があると聞いています。そこでお聞きしますが、非課税と減免の違いなど、税の減額等の制度についてお聞かせください。次に、本市の市税全般の減免の概要についてもお聞きしたいのですが、まずは固定資産税の減免についてその件数や減免税額を、また継続性のある減免事由の中で主立ったものについて、それぞれの減免税額をお聞かせください。
【田中資産税課長 答弁】
それでは、固定資産税の非課税や減免についてご説明いたします。
まず、固定資産税の非課税には、国や都道府県、市町村などが所有する場合の人的非課税と、当該固定資産が地方税法に規定する用途に供している場合だけに認められる用途非課税があります。いずれも、地方税法により、非課税の適用条件等が詳細に規定されております。
一方、減免については、地方税法上の「・・・市町村の条例の定めるところにより、・・・」との規定を受け、本市においては、条例規則等により、減免の対象や減免割合などを詳細に規定しております。具体的な減免事由としては、貧困、災害、不慮の災害による担税力の喪失、そして、特別の事情があるような場合に減免措置を講じており、この場合の特別の事情については、市税条例施行規則において具体的に適用条件等を定めております。
続いて減免税額ですが、平成23年度においては、貧困により生活のため公私の扶助を受ける者に対して約367万円、災害により使用することができない固定資産を有する者に対して約14万円、特別の事情のある者に対して約7,826万円の減免を行っておりますが、不慮の災害により担税力を喪失した場合については、減免事例はありませんでした。
次に、継続性のある減免事由の中で主立ったものは、集会所について約4,220万、心身障害者共同作業所について約240万円、緑地について約80万円などです。
これらの減免については、目的や使用用途に変更が生じにくいなどの理由から継続性のある減免となっておりますが、所有権や目的、使用用途などの減免適用条件に関わる重要な部分については、定期的に調査や確認作業を行っております。
【かじや 質問】
固定資産税の減免の概要については、ただ今の答弁で、ある程度、理解いたしましたが、減免事由の中で、集会所の減免額が特に多かったように思います。そもそも集会所については、どのような事情で減免されているのか、その理由をお聞きします。
【田中資産税課長 答弁】
集会所は、本来、収益を目的としたものではなく、セーフティネットの構築と市民が安全で安心して暮らせるまちづくりのための公益性の高い地域活動の拠点として活用されており、また市町村が設置する公民館としての性格も併せ持っております。したがって、集会所に対する固定資産税の減免は、そのような公益性や公共性を考慮し、減免措置を講じております。
本市が集会所を減免するにあたっては、現地調査を行い、集会所使用規則を確認するなど十分な調査を行ったうえで、適正に実施しております。
また、集会所には、マンションの集会室や自治会等が所有されている民間所有のもののほか、本市所有のものもあります。本市所有の集会所については、市税条例による減免が適用されることはなく、使用用途を問わず、地方税法により「固定資産税を課することができない」とされているため非課税となっております。
【かじや 質問】
次に市民税課で取り扱う個人市民税と法人市民税について、同じく非課税と減免との違いや、減免について税目別に件数や減免税額、またどういった場合に適用されるのかをお聞きします。
【谷淵市民税課長 答弁】
市民税課で取扱う個人市民税と法人市民税の非課税や減免についてご説明いたします。
まず、非課税は、先ほどの固定資産税の説明と同様、税を課することができないものとして、地方税法にて税目ごとにその範囲を規定しております。
具体的には、個人市民税は生活扶助受給者や所得金額が125万円以下の寡婦・障害者・未成年及び所得金額が均等割非課税基準以下の者、法人市民税は国や地方公共団体などや収益事業を行わない社会福祉法人などの公益性の高い法人などです。
また、減免については、地方税法を受けて市町村の条例規則等でその対象や要件等を定めています。具体的な減免対象は、個人市民税は生活保護受給者及び貧困や災害等により担税力を喪失した者などで、条例規則等にて詳細な要件を規定しています。なお、法人市民税は減免をしておりません。但し、市町村の条例で非課税法人に類似する法人について要件を定めて税金を課さない「課税免除」の制度で規定をしています。対象要件は収益事業を行わない地縁団体、特定非営利活動法人、特例民法法人などです。
次に、減免適用状況についてご説明いたします。個人市民税は件数が146件、減免税額は約414万円でした。内訳は、生活保護が67件、災害が5件、失業等が74件でした。
法人市民税では課税免除となりますが、地縁団体が23件、特定非営利活動法人が47件、特例民法法人が9件、規則に定めるものが1件の計80件でした。
【かじや 質問】
それでは、先ほどのそれぞれの答弁の中でも触れられていました災害による市税の減免事由について、少しお聞きしたいと思います。
今年の8月13日から14日にかけての集中豪雨により枚方市内でも水害が発生し、多くの被害が出ました。そこで、災害に係る減免の中でも、特に床上浸水による水害についてお聞きします。まずは、固定資産税における水害減免の概要や件数などについてお聞かせください。
【田中資産税課長 答弁】
固定資産税の場合は、規則で住宅の損害程度が「床上浸水」に該当する場合、納税義務者の申請により、家屋に係る税額のうち、被災日以後に納期限が到来する部分の税額の2割が減免されることとなっています。
なお、平成23年度においては、水害による減免はありませんでしたが、今年度は9月末現在で、すでに約130件の減免を行っています。
【かじや 質問】
固定資産税の状況は分かりました。それでは個人市民税についても同様に水害減免の概要や件数などをお聞きします。
【谷淵市民税課長 答弁】
今回の水害は、不慮の災害によるもので、規則にて定める住宅の損害の程度が「床上浸水」に該当する場合、納税義務者の前年の合計所得金額に応じた減免割合等を適用し、減免しています。
なお、9月末現在の減免申請件数は約160件です。
【かじや 質問】
「床上浸水」による水害に遭われた場合、税の減免制度の他にも災害見舞金の制度もありますが、被災者の方はそれぞれの窓口で異なる申請手続きを行う必要があります。市民サービスの観点からすれば不親切と言わざるを得ません。それぞれ制度の主旨や対象者も異なっていることから、これらの制度を一本化することは難しいかもしれませんが、せめて窓口のワンストップサービスなど、被災者の手続きが簡略化できるよう検討していって頂きますよう要望します。
さて、これまでの答弁で、枚方市における市税減免の概要が理解できました。そこで最後に質問いたします。減免措置された税額は、本来市が得られるはずの税収であり、それが減免措置により収入にならないとなると、直接支出をしたのとある種同じ意味を持ちます。特に公益上の必要性から講じられている減免措置については、市から補助金等を支出しているのと同じ効果があり、隠れた財政支援であると考えられます。
補助金については、決算や予算などで市民にも公開され、その適正について検証する機会がある一方、減免措置については、その金額や件数などが決算や予算にも表れないため、どのような内容の支援を、どれくらいの金額で行っているのか非常分かりづらく、検証や見直しが行われにくい状況にあります。
そこでまずは、何らかの方法で、市税の減免について市民に知らせることが必要ではないでしょうか。例えば冊子やホームページ等に掲載するなど、すなわち市税の減免の「見える化」について、今後、検討していくお考えがあるのかをお聞きします。
【秋山税務室長 答弁】
委員お示しの「見える化」ついては、税務行政について市民への周知を図ると共に、税に関する正しい理解を得るためにも、今後は他市の状況なども調査のうえ、市民への周知の方法等について検討していく必要があるものと考えております。
【かじや 意見】
現在、大阪市において、市税の減免措置の見直しが行われていますが、それらの例も参考にしながら、今後、市税の減免措置の「見える化」について、ぜひとも検討していって頂くようお願いします。
また、減免に該当する事情についても、その時代ごとに求められるものが異なってくることもありますので、第三者の意見も聞きながら、随時、検証・見直しを行って頂くよう要望します。
(Q4)自治会館建設補助金について
【かじや 質問】
決算概要説明書72ページに記載されている自治会館建設補助金について質問をいたします。
自治会館建設補助等経費として、1113万4300円が計上されていますが、枚方市にとって自治会館とはどのような施設であると考えているのかお聞かせください。また、市内にある自治会館はどのような土地に建設されているのか、さらにそれらが何棟あるのかも合わせてお聞かせください。
【清水市民活動課長 答弁】
自治会館は、地域活動の拠点として住民の連携を促進するために重要な役割を果たしており、地域住民を中心に広く市民が利用頂くため、必要な施設であると考えており、本市としましても、安全・安心なまちづくりを推進し、地域コミュニティの醸成を促すための地域活動の拠点として、自治会館の建設を促進しております。
現在、本市が把握している自治会館は約200棟で、そのうち市有地上に建っているものが約120棟、市有地以外の土地に建設されているものが約80棟あり、そのうち33棟は、認可地縁団体として法人格を有し、土地を所有されています。
【かじや 質問】
先ほどの市税の減免についての答弁でもありましたように、自治会館は公益性の高い地域活動の拠点として活用されているが故に、その公益性や公共性を考慮して固定資産税が減免されているとのことでした。また、市有地上に建設されたものについては、無償で使用させていると聞いています。それほど、自治会館は公益性や公共性が高い施設であると言うことです。
しかし、そのような公益性や公共性が高い施設である自治会館の利用について、市民の方から、とても看過できない相談を頂いています。自治会館は本来であれば、地域住民が公平・公正に利用できるにも関わらず、自治会の役員が理不尽な理由で利用を制限し、利用させてもらえない状況があると言うことです。
例えば「会長に逆らったから」や「選挙を応援しなかったから」など、とても合理的とは思えない理由で利用させてもらえなかった、また現在利用している人たちに対しても「俺に逆らったら利用を禁止する」と圧力をかけているとも仄聞しています。校区福祉委員会のような公益性のある団体でさえ、言われなき理由で利用を拒否されたそうです。まさに自治会館の私物化です。
市有地及び建物を市が無償で貸している自治会館で、このような公平性を欠く理不尽な運営が行われていることについて、市はどのように考えているのかお聞きします。
【清水市民活動課長 答弁】
自治会館は、公益性の高い地域活動の拠点として重要であることから、本市として、自治会館の建設やバリアフリー化などを行う際に活用可能な「自治会館建設等助成金制度」を実施しており、その助成金の交付規則の中でも「自治会活動に支障がない範囲で、自治会館を広く市民・団体等へ利用させる」ことを助成要件として規定しているところでございます。
また、自治会館は、いざというときに住民の避難場所としても活用できる、公益性の高いものであり、広く地域の市民・団体等が利用できる状態にあることが基本であると考えております。
【かじや 意見】
多くの自治会では、公平・公正に自治会館の利用が行われており、このことは一部地域だけの問題かもしれませんが、市は深刻に受け止めて頂きたいと思います。住民の方からは市にも相談に行っていると聞いていますので、市もこの問題についてはすでに把握をされていることと思います。市有地及び建物を無償で貸している訳ですから、関係ないでは済まされない話です。今後、地域住民が公平・公正な基準で自治会館を利用できるように、市は当該自治会に対して指導して頂くよう要望します。
(Q5)朝鮮語教室運営事業について
【かじや 質問】
事務概要の197ページに記載されている朝鮮語教室について質問をいたします。
まず、この事業はどのような目的で実施しているのかお聞きします。
【米倉社会教育課長 答弁】
枚方市朝鮮語教室は、「本市の古代史は朝鮮と密接につながっている。古代日朝交流史を学ぶ上で、語学を学習することは欠かせない」という考えのもと、昭和49度から社会教育事業として始めました。
韓国・朝鮮人を含めたすべての市民が、市民としての相互のふれあいを推進し、互いの歴史、文化、風俗、習慣を理解し、もって基本的人権尊重の精神に基づいて、ともに地域社会の創造に寄与することを目的として開催しています。
【かじや 質問】
次にこの事業の概要についてお聞きします。講座の実施回数、参加人数、決算額などについてお聞かせください。
【古川生涯学習課長代理 答弁】
平成23年度の枚方市朝鮮語教室は、初級クラスは55人、中級クラスは35人で、原則として毎週金曜日の開催で、それぞれ40回実施いたしました。
この事業は社会教育事業の位置付けであり、地域振興部で補助執行しています。決算額は、社会教育総務費に含まれており、決算額は、講師の報酬等で192万1972円です。
【かじや 質問】
社会教育課長と生涯学習課長にそれぞれ答弁頂いたように、この事業は2つの課が関係していて、教育委員会の社会教育事業でありながら、市長部局である地域振興部の職員が補助執行をしているとのことですが、このことについてもう少し詳しくお聞かせください。
【米倉社会教育課長 答弁】
枚方市朝鮮語教室は、昭和49年度から教育委員会の権限に属する社会教育事業として、実施しておりましたが、平成18年度の生涯学習推進体制の再編により、地方自治法第180条の7の規定に基づき、実施場所を所管する地域振興部の職員に事業の実施について補助執行をお願いしているものです。
【かじや 質問】
生涯学習の推進体制再編後も、この事業が社会教育事業という形で継続されているということは分かりました。
それでは、決算によると、教室の講師の報酬等192万1972円が社会教育総務費として支払われているとのことですが、この講師の方の身分はどのようになっているのかお聞かせください。
【米倉社会教育課長 答弁】
枚方市朝鮮語教室の講師は、地方公務員法第3条第3項3号に規定する非常勤の嘱託員として、枚方市教育委員会が委嘱しているものです。
【かじや 質問】
講師の方の身分は、非常勤の職員であり市で雇用しているということと理解しました。
それでは、公益財団法人枚方市文化国際財団が外国語講座の中で同様に「韓国語講座」を実施しているとのことですが、市が実施している朝鮮語教室との違いについてお聞かせください。
【古川生涯学習課長代理 答弁】
枚方市文化国際財団が実施している「韓国語講座」は、主に語学を学ぶというもので年間38回の講座で、受講料は、テキスト代を除き、年間3万4200円となっています。
枚方市朝鮮語教室は、単に語学の習得だけでなく、歴史・文化・風俗・習慣を理解するためのカリキュラムとなっており、受講者の負担は、テキスト代等の実費のみとなっています。
【かじや 質問】
枚方市が行っている朝鮮語教室の受講料は無料であり、参加者のテキスト代等として初級・中級ともそれぞれ年間6000円程度の実費負担のみである一方、文化国際財団の韓国語講座の受講料は年間3万4200円でテキスト代等の実費は別途必要とのことです。内容の多少の違いはあれ、年間の実施回数はほぼ同じで、なぜこれほどの差があるのでしょうか。
今後、受益者負担の観点から、それ相当の受講料を頂く必要があると考えますし、また講座の講師を非常勤職員として雇用する必要があるのかも疑問です。今後、事業のあり方やその手法について改善していくべきだと思いますが、考えをお聞きします。
【米倉社会教育課長 答弁】
先ほどお答えさせて頂きました目的で、今後も社会教育事業として実施してまいりたいと考えております。
【かじや 質問】
事務事業実績測定調書によると、この事業の今後の方向性として「改善」と示されており、「そのあり方も含めて見直しを検討してく」と記載されています。今の答弁と矛盾していると思うのですが、再度見解をお聞かせください。
【古川生涯学習課長代理 答弁】
事務執行手続きにおける今後の方向性ということで、効率的な事務執行に向け改善を検討してまいります。
【かじや 意見】
事務事業実績測定調書に「改善」と書いたのは、あくまで事務執行手続きについてであり、事業そのものには何の問題もないので現状のまま継続していくということですが、ちょっと理解しがたいものがあります。事務事業実績測定調書は、事務事業総点検の基礎資料でもあり、評価委員が判断の材料にするものですから、今回「現状のまま継続」と書かず「改善」と書いたことが、この事業が2次点検の対象に選定されなかったことに少なくとも影響しているとも考えられます。今後、調書の書き方についても検証していく必要があると思います。
さらに事務事業実績測定調書を見ると、90人もの受講生から参加費として集めた年間1人6000円の実費負担分のお金が市の歳入に入っていませんし、人件費以外の事業経費の支出も一切ありません。市の事業であるにも関わらず、受講者から集めた参加費を誰が管理し、どのように使われているのかまったく不透明であり、市としてこのようなことを許してきたことは非常に問題があるのではないでしょうか。
最後に事業のあり方について要望します。現在、枚方市文化国際財団で類似の韓国語講座を実施しているだけでなく、その他、多くの民間事業者が「韓国語講座」や「ハングル講座」を開講しています。また、文化交流の面においても、40年前と比べ日本から韓国への旅行者は5倍から6倍に増加し、日本のメディアでも韓流ドラマやK-POPが溢れています。今や気軽に韓国の文化や風習に触れることが可能な時代なのです。
この事業が始まった昭和49年当時と比べ、時代背景が大きく変わった現在において、行政が社会教育事業として「朝鮮語教室」を無料で実施しなければならない必然性があるとは思えません。この事業が事務事業総点検で2次点検の対象に選定されなかったことは、大きな見落としであったと言わざるを得ません。いずれにしても、このような時代にそぐわない事業については、今後、廃止に向けて検討して頂くよう要望します。
(Q6)枚方人権まちづくり協会活動補助事業について
【かじや 質問】
決算概要説明書88ページに記載されている人権まちづくり協会経費及びその他委託料について質問をいたします。
まず、枚方市から枚方人権まちづくり協会に対し支出している補助金の金額や、委託事業の内容及びその金額などについてお聞かせください。
【林人権政策室課長 答弁】
特定非営利活動法人枚方人権まちづくり協会活動補助金では、映画会などの市民への人権啓発や会員への研修などの自主事業及び協会運営経費に対し、647万2000円を支出しています。
次に、委託事業としては、市民が人権侵害を受け、又はその恐れがある場合に、相談事案に応じた助言及び情報提供を行い、市民自らが問題解決できるよう支援を行う、人権ケースワーク事業や、あらゆる人権問題について学び、市民自らの人権意識を高めることを目的として、「人権文化セミナー」、「人権週間事業」、「連続講座 生きること」などを開催する人権啓発事業、また男女共生フロアの相談事業を委託しており、3事業の合計で、1938万9000円を支出しています。
この他、福祉に関するあらゆる相談を受けるコミュニティーソーシャルワーカー事業や働く意欲がありながら様々な要因により就労ができない就職困難者に対する支援を行う地域就労支援事業、進学意欲がありながら、経済的な理由などにより進学が困難な生徒に対してサポートを行う進路選択支援事業があり、3事業の合計で1752万2000円が支出されています。
【かじや 質問】
次に補助事業についてお聞きします。事務事業実績測定調書によれば、枚方人権まちづくり協会活動補助事業についての具体的な今後の取り組み方策として「自立に向けた支援を続ける」と記載されていますが、自立とはどのような状態であり、その自立に向け具体的にどのような働きかけを行っていくのかお聞かせください。
【林人権政策室課長 答弁】
特定非営利活動法人枚方人権まちづくり協会は、市民、団体、企業、行政が参画し、市の人権施策を推進するパートナーであることから、その活動に対し補助を行っています。
自立とは、自主財源を確保し、人権尊重のまちづくりに資する、独自の事業を展開していくことであると考えています。同協会の現状においては、会費や事業収入等の自主財源は、28万2000円であり、自主財源のみで、協会を運営し自主活動を活発に展開していくことは困難です。市といたしましては、独自財源による自立した自主活動をさらに活発に行って頂くため、会員の拡大等による自主財源の確保をさらに求めていきたいと考えています。
【かじや 質問】
枚方人権まちづくり協会の平成23年度の収支計算書を見てみますと、総収入約4520万円のうち自主財源は28万2000円でわずか0.6%しかありません。収入の多くを市からの補助金や委託事業で賄っているのが現状です。ここ数年を見ても自主財源が大きく増えているとはいえず、自立するための経営努力がなされているとは思えません。市におんぶにだっこのぬるま湯体質です。「自立に向けた支援を続ける」というのであれば、期限を切って段階的に補助金を削減していくなどの手立てが必要です。自立を促すための具体策を早期に示して頂きますよう要望します。
次に委託事業についてお聞きします。なぜ、6つの事業を枚方人権まちづくり協会に随意契約で委託しているのかその理由をお聞かせください。
【林人権政策室課長 答弁】
本市では、人権尊重のまちづくり条例に基づき、一人ひとりの人権が尊重されるまちづくりを目指しています。人権尊重のまちづくりを実現していくためには、市民、団体、企業、そして行政がともに参画し進めていく必要があります。そこで、特定非営利活動法人枚方人権まちづくり協会は、その実働を担う中核的な団体として活動しており、より的確に市民ニーズを把握し、市民や団体等の活動ノウハウを活かし、効果的な事業展開を行うことができることから、同協会に委託しているものです。
【かじや 質問】
どうしても枚方まちづくり人権協会でなければならないという理由にしては、根拠が乏しいのではないかと思います。
例えば、枚方人権まちづくり協会に対して男女共同参画事業を委託していますが、同協会の役員16人のうち、女性はたった1人しかいません。これでは枚方人権まちづくり協会が男女共同参画について本当に理解をされているのか甚だ疑問であります。このような団体に、男女共同参画事業を委託することについての見解をお聞かせください。
【林人権政策室課長 答弁】
特定非営利活動法人枚方人権まちづくり協会においては、各所属団体に役員の選出を依頼するにあたり、十分配慮するべきことであり、今後の課題であることを認識されています。本市としても男女共同参画について啓発をより一層図り、今後、同協会に女性役員を増やすよう働き掛けていきます。
【かじや 質問】
市が男女共同参画について改めて啓発しなければならないような団体に、男女共同参画の啓発事業を委託しているという、こんな冗談のような話、とうてい市民の理解が得られるとは思えません。今後、委託そのものの再考をお願いします。
さて、枚方人権まちづくり協会には、市からの再任用職員が3名おり、また、事務所の管理運営費のために647万2000円の補助金を支出している状況です。そこに6つの事業で3691万1000円もの委託料を支払っています。その委託料のうち実際にかかった経費は約3611万円で約80万円が協会の利益として計上されています。
例えば、すべての委託事業を市の直営で行い、再任用職員を引き上げて市で事業を担当させれば、団体を支援するための補助金の支出やそれに伴う職員の関係事務をすべて廃止でき、また協会の利益分に当たる事業経費についても削減できるのではと考えますが、市の見解をお聞きします。
【林人権政策室課長 答弁】
特定非営利活動法人枚方人権まちづくり協会には、人権ケースワーク事業や男女共生フロアの相談事業、就労支援事業など5つの相談事業を委託しています。これらの相談内容は、地域社会や経済情勢などの変化に伴い、近年、さらに多様化、複雑化し、1つの相談事業だけでは、解決に向けた支援を行うことが困難なケースが多くなっています。
そこで、多様な人権課題に対し、福祉、就労、教育など多様な視点で相談に応じる、ワンストップ相談により、迅速かつ適切に対応できること。また、さまざまな市民団体や企業が参画する同協会が有するネットーワークを活用して柔軟に対応でき、市が直営で実施するより、さらに効果的な相談事業を実施することが可能であることから、特定非営利活動法人枚方人権まちづくり協会に委託しているものです。
【かじや 意見】
補助金による運営補助にしても、事業委託にしても、どうしても枚方人権まちづくり協会でなければならないという根拠に乏しく、すべて団体の存続ありきの後付の理由に聞こえて仕方がありません。市民にとっては、どこが事業を提供するかではなく、より効率的・効果的に事業を実施してもらえればいい訳で、団体の存続ありきの市の姿勢には疑問を感じます。
今後、補助金の削減や廃止を視野に団体の自立を促すとともに、委託事業についてもより効率的効果的に実施できる方法、直営もしくは他の団体の参入を促すような手法を検討して頂くよう要望します。
(Q7)学校給食費について
【かじや 質問】
決算概要説明書195ページに記載されている「学校給食費」について質問をいたします。
小学校の単独調理場及び共同調理場について老朽化が非常に進んでいるとのことですが、各調理場の築年数がどのような状況なのかをお聞きします。
【前村学校給食課長 答弁】
各調理場の建築後の年数につきましては、40年以上のものが単独調理場1か所、共同調理場1か所、30年以上のものが単独調理場18か所、共同調理場1か所、20年以上のものが単独調理場2か所、10年未満のものが単独調理場7か所となっております。
【かじや 質問】
全体の3分の2以上の施設が築30年以上で、築40年以上が経過するものも2か所あるということで、相当老朽化が進んでいる状況が分かりました。
それでは、平成23年度決算で維持管理の費用及び改修・補修の費用はどうなっているのか、また、今後の改修の計画、建て替えの予定はどうなっているのかをお聞きします。
【前村学校給食課長 答弁】
現在の維持管理の費用につきましては、一般廃棄物や排水溝の油泥などの処理費用、各種設備の点検費用などとしまして、平成23年度決算では約4500万円となっております。
改修・補修費用につきましては、ボイラーや厨房器具類の修繕料、調理場施設整備の工事費、経年劣化した厨房器具類の取り換え購入費などとしまして、平成23年度決算では約5500万円となっております。
今後の改修につきましては、対象となる施設設備の現状や前回の改修年次を参考に、順次実施してまいります。建て替えを伴う施設整備等につきましては、今後、早急に進めていく課題と認識しているところでございます。
【かじや 質問】
今後、施設の老朽化が進行するに伴って、毎年、多額の改修・補修費用が必要となってきます。また、改修・補修にも限界があり、近い将来には何等かの手を打つ必要があります。ぜひとも早急に、今後の小学校給食の施設のあり方についての方向性を示して頂くよう要望します。
そこで、8月に教育委員会から示された「中学校給食の実施手法等に関する方針(案)」に関連して、10月3日の大阪府議会本会議で伏見議員から「補助金を活用した中学校給食の施設の整備に当たり、調理食数が目標数値を下回る場合、老朽化する小学校給食調理場のバックアップ機能を見込むなど、中学校給食以外の目的で整備する施設に補助金を交付することについての見解を問う」質問がなされ、それに対して教育長から「補助の目的に合致しない事業には補助金を交付できない。小学校と中学校が共同で使用する施設については、喫食数による按分をして中学校給食の部分のみの補助を行う。各市町村に対して、補助金の趣旨を踏まえた適正な執行が行われるよう助言を行っていく」旨の答弁がありました。
今回の府の答弁を踏まえて、「中学校給食の実施手法等に関する方針(案)」の中で示された、調理食数が施設規模の予想と異なる場合、小学校給食における将来的な課題も含めてどのように考えておられるのか、改めて市の見解をお聞きします。
【前村学校給食課長 答弁】
「中学校給食の実施手法等に関する方針(案)」の中でお示ししました、調理食数が施設規模の予想と異なる場合への対応につきましては、将来的な課題としまして、効率的な業務執行の観点から、学校給食全体の中で状況に応じた適切な方策について検討していくこととしたものでございます。
なお、大阪府の補助制度の活用につきましては、これまで実施してきました他の補助事業と同様に、その趣旨を踏まえ適切に執行してまいります。
【かじや 意見】
当然のことですが、中学校給食導入促進の補助金を使って整備した施設について、小学校給食など他の目的に使用することはできません。もし、今回整備する予定の調理場を、将来、小学校給食にも活用するとなれば、補助金を府に返還する必要が生じてくると思われます。そのことも踏まえて、小学校給食の施設を今後どうしていくのか、また中学校給食をどうしていくのかをしっかり検討していって頂くよう要望します。
(Q8)公害防止啓発事業について
【かじや 質問】
事務概要の436ページに記載されている公害防止啓発事業について質問をいたします。まず、事業の目的や具体的な内容についてお聞かせください。
【大倉環境公害課長 答弁】
まず、本事業の目的ですが、家庭からの生活排水による河川の水質汚濁の防止を目的としています。
次に、本事業の主な内容は、下水道未整備地域を中心に、自治会や市民団体、小中学校の教員や生徒などに対して、体験活動や学習会を行うことにより、手軽に実践できる生活排水対策について啓発を行っているものです。河川の水質汚濁の防止には、公共下水道の整備が効果的で、順次、整備が進められています。しかしながら、公共下水道の整備は、長期間かつ多額の費用がかかることから、今、すぐにできる取り組みとして、啓発事業が重要であると考えております。
【かじや 質問】
事務事業実績測定の公表結果を見ると、直接経費は発生していないものの、年間1.55人分の正職員が事業に従事し、人件費として1254万円の経費がかかっていることになっています。しかし、事務概要に掲載されている事業の実績内容やその回数を見ていると、年間1.55人分の正職員が1年間従事しなければならない業務内容とは思えません。例えば年2回の「広報ひらかた」への啓発記事の掲載依頼や、年4回の自治会を通しての啓発チラシの配布、年7回の学習会の開催などです。なぜ年間1.55人分の人員が必要なのか、その理由をお聞かせください。
また、事業実施の指標が「学習会の開催回数」となっていますが、学習会の開催回数を増やすことが、この事業の目的である「家庭からの生活排水による河川の水質汚濁の防止」にどのように寄与するのか明確でなく、学習会の開催自体が事業の目的になっているように感じます。事業を評価・検証するときに、目的の達成度や費用対効果を正確に把握することが必要です。そのためには、指標や目標の設定などが適正に行われていないと正確な評価・検証をすることができません。今後、指標の設定など評価基準について見直す考えがあるのかお聞きします。
【大倉環境公害課長 答弁】
まず、公害防止啓発事業に係る人員についてお答えいたします。
公害防止啓発事業では、学習会の開催のほか、河川事故の未然防止に向けて、開発協議の際に、河川の着色につながる水性塗料を流さないよう啓発を行ったり、工場指導の際に従業員の生活排水対策の啓発を行うなど、課の業務の中で、あらゆる機会を捉えて、事業者や市民の方々に、公害防止に向けた啓発を行っています。さらに、大阪府枚方保健所との連携による浄化槽の適正管理の啓発なども行っており、これらを積み上げると、事務事業実績測定に示す人員となります。
次に、指標の設定についてお答えいたします。
施策評価において、「清らかな水を確保する」ための施策として、公害防止啓発事業や公共下水道整備事業など、さまざまな事業があり、こうした複数の事業の総合的な進捗度を表す施策指標として、「水質の環境基準の達成状況」を設定しています。一方、事務事業実績測定の指標は、施策指標を達成するために実施する個々の事務事業の指標として設定するため、公害防止啓発事業の指標は「学習会開催回数」を設定しております。
【かじや 質問】
啓発事業が必要であることは理解できますが、もし、評価・検証・見直しが行われないまま、費用対効果を無視した事業が続けられているとしたら問題です。
事務事業実績測定調書などを見ても、この公害防止啓発事業を実施することで、根本的な水質の改善にどれくらい繋がっているのか、その効果がまったく見えてきません。人員の精査も含め、この事業について、適正な評価・検証・見直しを行うとともに、効果的・効率的な手法へ改善または廃止するなど、見直しを行う必要があるのではと考えますが、見解をお聞きします。
【大倉環境公害課長 答弁】
水質汚濁の要因としては、家庭から日常生活に伴って排出される生活排水だけでなく、工場からの排水もあるため、生活排水対策としては、単に、学習会を行うだけでなく、下水道未整備地域をはじめ、より効果が見込まれる地域にターゲットを絞るとともに、一般家庭だけでなく、工場や開発事業者などにも対象を広げて、啓発を行っていきたいと考えております。
【かじや 意見】
今後、事務事業実績測定調書の記入の仕方をはじめ、事業の評価・検証をしっかり行って頂くとともに、費用対効果を常に意識しながら事業の見直しをかけて頂くようお願いします。
(Q9)病児保育事業について
【かじや 質問】
決算概要説明書118ページに記載されている「病児保育経費」について質問をいたします。
通常、子どもが発熱や感染症などの病気の場合は、保育所で預かってもらうことはできませんが、本市の場合は、そうした子どもを預かってもらえる病児保育室が市内4か所にあります。まず、昨年度の年間の総利用者数について、また最も利用者の多かった月の利用者数と最も少なかった月の利用者数について、お聞きします。
【富田子育て支援室課長 答弁】
病児保育室につきましては、昭和44年度に、小児科医師、看護師、保育士による病児保育室として、南部地域で実施しました。現在は、市内4つのエリアで、医療機関併設型の病児保育室を実施しております。
そうした中で、平成23年度の病児保育室の利用状況につきましては、総利用者数は、3432人です。また、最も利用者数が多い月は、2月で、380人の利用がありました。一方で、最も利用者数が少ない月は、11月で、215人の利用がありました。
【かじや 質問】
病児保育室という性格上、どうしても病気が流行る、流行らない月によって、利用者のばらつきがあることは、仕方がないとは思います。先ほどの説明では、昨年度は、最大でひと月あたり165人の差が生じていることが分かりました。
しかし、保護者の方が利用の申込を行った際に、病児保育室から、定員に達しているから予約が取れないとなった場合、働いている保護者にとっては、深刻な問題であり、誰かが急に仕事を休むか、高額な費用を払って民間のベビーシッターを利用するなどの対応をとらなければなりません。市民の方からも、病気が流行する時期には予約が取りにくいといった声を聞いています。これは保護者からすれば大きな問題です。
保育所も毎年定員増を行っても待機児童が解消しないほど、保育の需要は年々高まっています。それに比例して、病児保育の需要も高まってきていると言えるのではないでしょうか。待機児童対策と同様、病児保育についても、ニーズを把握し、現在の定員が適正であるのか検証した上で、ニーズがあれば定員を増やしていく必要があると考えますが、見解をお聞きします。
【富田子育て支援室課長 答弁】
本市では、子どもが病気で、保護者がどうしても仕事を休めない時、安心して預けることができるよう、医療機関併設型の病児保育室を実施している中で、本年4月には、北部地域の需要の増加に対応するため、ピッコロケアルームの定員を2名増員し、6名定員としました。
今後、利用者の増加傾向にある冬場を迎えることもありますが、今年度、定員を増加したということもあり、利用状況の把握に努めてまいります。
【かじや 意見】
病児保育の拡充も待機児童対策と並行して進めていかなければならない重要な課題であります。市長は選挙の際に掲げられた公約「第2ステージの約束」の中で、病児保育の拡充について約束されています。確かに今年度から2名の定員増を実施しましたが、それだけでは病気が流行る時期の対応に課題が残ります。
まずは施設ごとに年間で定員を満たしている日は何日あるのか、予約を断った件数が何件あったのか、キャンセルが何件あったのかなど、細かな利用状況をしっかりと調査し、把握することが必要です。そして、現在の定員では十分なニーズを満たすことができない場合、例えば新・枚方市民病院の開設に合わせて定員増を行うなど、今後、ニーズにあった定員を確保して頂くようお願いします。
また、季節によるニーズの変動が大きい状況もあり、財政的・物理的に大幅な定員増が難しいということであれば、民間事業者が実施している病児保育サービスを利用する際に、保護者に一定の費用を補助する仕組みなど、既存の仕組みにこだわることなく多様な手法についても検討して頂きますよう要望します。
(Q10)公共下水道整備工事の住民周知と家屋調査について
【かじや 質問】
下水道事業会計について質問いたします。
事務概要535ページ以降に公共下水道整備工事やそれに伴う各種委託料について掲載されていますが、工事を実施する際に、対象地区における地元住民への事前周知方法及び工事実施時に家屋調査を行う手順についてお聞きいたします。
【森井下水道整備室課長 答弁】
対象地区につきましては、工事概要および工事の進め方などを記載したお知らせの文書を工事実施前に地域コミュニティ・自治会長等にお知らせいたします。その後、住民の皆様に下水道部職員より戸別配布してお知らせしております。
家屋調査につきましては、水道・ガスなど関連工事着手前に工事受注者以外の委託業者が家屋調査を実施し、工事前の各家屋の状態を正確に把握するための調査をいたします。特に、門柱や塀の傾き・土間や壁のひび割れなど、元々損傷のある場所について、その状態が工事完了後、容易に比較できるよう測量結果等の数値を詳しく記載した黒板等を入れて現況写真を撮影するなど、分かりやすい資料作成を行っております。
また、住民の皆様には工事完了後に家屋調査の実施希望に関する意向調査を行い、希望家屋のみ工事完了後の家屋調査を実施しております。
【かじや 質問】
事前の家屋調査は、対象地区すべてで実施するとのことですが、事後の調査については希望家屋のみ実施しているということは理解しました。
それでは、家屋調査における事前・事後調査の実施件数についてお聞きします。
【森井下水道整備室課長 答弁】
平成21年度から23年度の公共下水工事に係る家屋調査の3年間の実績といたしましては事前調査家屋数1492件に対して事後調査家屋数は342件で、事後調査希望の申し出の割合は約23%であります。
なお、実施しなかった約77%の住民の皆様には、工事について特に問題がなかったので事後調査は不要とのご返事を頂いております。
【かじや 質問】
それでは、各住民への報告はどのようにされているのか、また家屋調査によって工事の事前・事後で何か変化があった場合の対応はどのようにされているのかをお聞きします。
【森井下水道整備室課長 答弁】
住民の皆様への報告につきましては、工事完了後の家屋調査実施報告書に基づき、工事前後の家屋の状態を確認し、下水道部職員が戸別に報告しております。その説明につきましては、専門的な用語を出来るだけ控えて、分かりやすい言葉を用いるよう心掛けるとともに工事前後の写真や測定値等も容易に確認できるように整理した資料を用いて説明しております。
また、工事前後の変化があった場合におきましては、経年変化や工事車両等による影響など、変化した理由も説明を行いながら、工事による影響箇所につきまして家屋の所有者、下水道部職員、受注者の3者にて協議を行い、納得を頂いた上で、適切な補修等を行うよう努めております。
【かじや 意見】
工事の際に家屋調査等をしっかりと行っているということは理解できました。しかし、住民の中には、市の説明や調査の手法について不満を持たれている方もいると聞いています。そういったケースでは、マニュアル通りの対応だけでは解決しない場合も見受けられます。これだけやっているのだから十分であろうと言うのではなく、職員一人ひとりがより丁寧な対応・より分かりやすい説明を心掛けて、工事に当たって頂きますよう要望します。
(Q11)公設浄化槽事業について
【かじや 質問】
下水道事業会計の中から、公設浄化槽事業についてお聞きします。
昨年11月の決算特別委員会において、公設浄化槽事業の事業内容と収支状況などについて質問を行い、収支状況の中で下水道使用料の回収率が経費の約65%であるのに比べ、公設浄化槽使用料の回収率は26%と低いことから、受益者負担や公平性の観点から問題があると指摘をしました。
しかし、事務事業総点検の基礎資料であるチェックリストを見ると、公設浄化槽事業について「市議会における指摘・質疑等」の欄に、「なし又は対応済み」にチェックがされていました。昨年の決算委員会での私の指摘について、その後どのように対応されたのかお聞かせください。
【湯川下水道整備室課長 答弁】
昨年11月の決算特別委員会において、公設浄化槽事業の事業内容と収支状況などについてご質問を受け、事業内容につきましては、公共下水道計画区域外における生活排水の適正な処理及び公共水域の水質保全の観点から、本市が合併浄化槽を設置し、維持管理も行う事業を、平成18年10月より開始したものであること、また、下水道使用料の回収率と比較して低いとのご指摘に対しましては、浄化槽使用料は、下水道使用料との不公平感が生じないように配慮し、使用料を決定したものとなっていることを、お答えさせて頂きましたことから、ご質問に対しては、一定ご理解頂いたと判断し、「対応済み」欄にチェックしたものでございます。
【かじや 質問】
昨年の質問において私は「公設浄化槽の使用料についても下水道使用料との均衡を図ることが必要である。下水道事業そのものが厳しい経営状況にある中、下水道使用料の改定も今後の課題であり、公設浄化槽使用料に関しても決して現状が適正であるとは思えない。下水道使用料と合わせて、今後の検討課題としていってもらうよう要望する」と発言しています。私の指摘した使用料の適正化について、その後、改善された訳でもないのに「対応済み」にチェックされたことには納得がいきません。
チェックリストの「市議会における指摘・質疑等」の欄に、「なし又は対応済み」とチェックをしていれば、事務事業総点検の評価委員は議会から何の指摘もなかったのか、または議員からの指摘について何らかの対応がすでになされているのだと理解されるのではないでしょうか。
チェックリストを見ていると、私だけでなく他の議員が指摘されたことについても、その後も何らかの対応が行われていないのにも関わらず「なし又は対応済み」とチェックされている事業が散見されます。この問題については、チェックリストだけの問題に留まらず、議会からの指摘がどのように今後の予算や事業執行について反映されていくのかということにも関わってくる問題です。今後、議会からの指摘については、その後どのように対応したのかを明らかにする仕組みを整えて頂きますよう要望します。
さて、昨年の決算委員会で「浄化槽事業の収支改善については、これまでも維持管理委託の入札を毎年行うなど効率的な執行に努めているが、今後は収入の確保も含めて努力していく」と答弁されていますが、平成22年度の決算と比べて、平成23年度の公設浄化槽の収入がどうなったのか、また支出について維持管理委託がどのように効率化されたのか、23年度の状況についてお聞きします。
【湯川下水道整備室課長 答弁】
平成23年度決算の「公設浄化槽使用料」収入としましては、平成22年度と比較しますと、3万4640円の増収で、34万7750円でございます。
一方、「公設浄化槽維持管理経費」につきましては、浄化槽法に基づいて、保守点検を年間4回、また清掃や水質検査などを年間1回、専門業者に競争入札により委託しております。
その結果、平成22年度と比較しますと、5135円の減少で、118万の落札結果となっております。引き続き、効率的な執行に努めてまいりたいと考えております。
【かじや 意見】
競争入札により効率化されたといっても5135円だけのことで、効果額は約0.4%です。これ以上の大幅な経費削減も厳しいのではないかと思います。一方、収入については、昨年も指摘したように、下水道使用料との回収率の比較においても、決して現状の公設浄化槽使用料が適正であるとは思えませんので、今後、適正化に向けて検討していって頂きますよう要望します。
(Q12)牧野駅東地区再開発特別会計について
【かじや 質問】
決算概要説明書242ページから247ページに掲載されている牧野駅東地区再開発特別会計についてお聞きします。
牧野駅東地区の市街地再開発事業については、駅前広場と一体的に事業を行い、本年3月末に駅前広場、府道などの交通施設及び2棟の再開発ビルが完成し、3月31日には完成セレモニーが催されたところです。
これらの完成により、牧野駅東地区の修景は一変し、バスなどが直接発着でき、安全な歩行者空間も確保され、交通環境は以前に比べ大幅に改善されました。
しかし、再開発ビル、特に踏切に近い方のビルの1階の商業施設については、完成から約半年が経過しているのにも関わらず、いまだに店舗が入居せず、シャッターが閉まった状態が続いています。市民の方からも「駅前のロータリーや施設がきれいになった分、余計にさみしさを感じる」と言う声も聞きます。
そもそも、再開発事業を実施した目的を見ると「駅前広場の整備や歩道の整備を行い交通環境の改善を図るとともに、市街地再開発事業により、地域の顔として賑わいある魅力的な駅前空間を創る」とあります。その目的からすると、交通環境の改善は一定図ることができたが、賑わいの創出と言う意味では、目的を果たせていないとも言えます。
これらの1階の商業施設には、元々の権利者の方々が入居されていると聞いています。そこで、これらの権利者の方々が再開発事業の中で1階の店舗部分に入られた経過をお聞かせください。
【向井都市整備推進室室長 答弁】
牧野駅東地区市街地再開発事業につきましては、交通環境の改善のために、地元権利者の方々の生活再建を考慮した駅前広場等の整備が必要とされ、その結果、駅前広場等との一体的な施行により実施したものです。
その中で、地元権利者の方々の意向を伺い、事業地内に残ることや転出すること等、それぞれでご判断していただき、また、再開発ビル内の床の配置等につきましても、再開発ビルに入居される地元権利者の方々と協議を行い、都市再開発法に基づき、権利変換計画の大阪府の認可等を経て現在の配置が確定し、それぞれの方々が入居されたものです。
そのため、1階の商業施設に入居された方々についても、それぞれの生活再建に基づき、元の店を開かれる方や、他の方に床を貸される方など、各自で話を進められている状況です。
【かじや 質問】
それぞれの権利者の方々との協議の中で、権利変換を行い、現在の店舗に入居された事は理解しました。また、それぞれ商業施設の区分所有者として、ご自身で店舗を開かれたり、他の方に店舗を貸されたりする場合があることも理解しました。
しかし、現状を踏まえると、当初のこの事業の目的である「賑わいの創出」の観点から、事業の施行者である枚方市として、このような状態を放置しておいていいのか、疑問が残ります。この点についての見解をお聞きします。
【向井都市整備推進室室長 答弁】
1階の店舗につきましては、駅前広場に隣接する立地条件を活かし、駅前広場や歩道に面した配置としておりますので、今後、店舗が充実され、駅周辺の活性化につながっていくものと考えております。
事業を進める中で権利者の方々のテナントなどの相談には対応していましたが、ただ、空店舗につきましては、家賃等を伴う賃貸借契約においては貸し手と借り手の考えが一致して成立するものでありますので、結果的に現在の状況となっております。
また、地元商店街等の活性化につながる取り組みにつきましては、引き続き協力してまいりたいと考えています。
【かじや 意見】
牧野駅東地区における再開発事業は長い年月を重ねて、権利者の方々をはじめ、関係者の協力・努力のもとに完成した事業であることは承知しています。
もちろん地元権利者の方々の生活再建が第一であり、また店舗の開店については個々の権利者による対応というのは理解できます。しかし、完成から半年以上が経過しているにも関わらず、なかなか店舗が埋まらない状況に、市民の方からは「時間とお金を掛けて新たなシャッター通りを作っただけ」と言う声もお聞きします。せっかくの再開発事業なのに、もったいない話です。事業が完了し、ビルが完成してしまった今となっては、行政として関与できることも限られ、有効な方策を打つのが難しいのではないかと思います。
現在、枚方市駅周辺再整備ビジョンを策定中ですが、実際の事業や市駅周辺のビルの更新の際には、牧野駅のような再開発事業が活用される可能性が高いと思います。
市政運営方針にあるような、魅力あふれる賑わいのあるまちの構築を実現するためには、新しく建設されるビルの低層階に商業施設が入り、もちろん開店した上で、活性化した明るい雰囲気を創出しなければならないと考えます。
今後、実際の周辺ビル建て替え等の動きの中で、器を作ることだけでなく、賑わいの創出についても初期の段階からしっかりとプランニングをして進めて頂きますよう要望します。